第75話 自己紹介
「、、、」
「、、、」
「、、、」
「あー、、」
「、、、」
「、、、」
「、、、」
「飽きてきたな?」
「はい。」
「うん。」
「そうですね。」
「止めていいか?」
「はい。」
「うん。」
「ドカーンと殴ってくださって結構ですよ!」
「分かった。」
だいぶこの二人に鬱憤が溜まっているのだろう。セフィーさんはそう言うと悪い笑みを浮かべる。
「お前等、そろそろ止めてくれないか?」
「長、何甘いことを言っているのですか!」
「御主は軽率なのだ!後先を考えておらぬ!」
いつの間にか話は変わって言い合いだけが熱くなっている。これは一発喝をいれなければ、、
「なあ、、聞いているのか?」
龍人化も全開、闇の濃度も全開、魔力も神力も最大に高めた状態で呟いた。俺がここにいるだけで竜人達は無意識に地べたに這いつくばり、リアやフォンセでさえ後退る程だ。
「キ、キサマ、、な、何している!」
「お、御主そのような口のきき方は止めろ、」
「どうでもいい。お前等は客人である俺達をいつまで待たせる気だ?」
「キ、キサマこそ人の分際で、、、人の分際で、、、人?」
「や、やはり、、」
「なんだ?これが気になるのか?」
俺は自分の翼を撫でながら呟く。それだけでも魔力は辺りを吹き荒れる。
「キ、キサマ、、竜、だったのか!?」
「そうだが、それがどうした?それに、恐らくはお前等よりもずっと上にいるしな、」
「な、なにを!」
「止めぬか。す、すいませぬ。わし等の話を聞いて下さいますか?」
「あぁ、その為に残っている。」
「ありがとうございます。それでは、一度その威圧を解いては下さいませぬか?」
「いいだろう、」
俺は龍人化を解いて、魔力、神力、権能も全て平常まで静める。すると、這いつくばっていた竜人達は立ち上がれるようになり、長達もやって立って話が出来るようになった。
「それでは改めて自己紹介といきましょうぞ。わしはここ一帯の竜渓郷の長を勤めるトラスト・リグライトでございます。そしてこの若造は息子のオルガド。最後にこの娘はわしの娘のセフィーでございます。」
「そうか、、なら、こちらも自己紹介といこう。」
「ボクはリアです。こう見えて一応女の子ですよ!」
「フォンセだよ。フォンセも主様とおんなじ龍だからね!」
「最後に俺は龍のエドだ。さっきので分かったかもしれないが、闇の使い手でもある。自己紹介も済んだことだ。早速用件を聞かしてもらうお。」
「頼み事と言っても簡単なことなんですが、この二人には任せられないから、私から話します。実はここ最近、このダンジョンで強力な魔物が増えているんですよ。」
「知っている。その為に俺達はここに来た。」
「し、知っていたんですか?」
「ああ、何が起こってるのか、、それを確認する為にな、」
「そ、そうだったんだ。じゃあ、元凶はまだ突き止めていないんですよね」
「まあな、それが分かっていればとっくに消しているしな、」
「私達の頼み事って言うのはその元凶を殺して欲しいんです」
「そうか、、で、俺達への見返りはなんだ?」
「えーと、、、」
「っ、、、」
「わしの娘を差し上げましょう」
「長!」
「断る!」
「へっ?」
「っ!?」
「エド様、お気に召さないのですか?」
「違う。俺はそのように自分や息子や娘を使うのが嫌いだ。俺達への見返りはその元凶の居場所でいい。後は勝手にしろ。ついてくるもいい、、ここにいるのもいい。さあ、どうする?」
「そ、それでいいのでしたら、わしからすれば嬉しいのですが、エド様は、、、」
「執拗い。その元凶とは何処にいる?」
「ここを北にずっと行った所です。しかし、わしら竜人も太刀打ち出来なかった相手でございます。流石のエド様でも、、、」
「執拗い、」
俺はそう言うと翼を羽ばたかせる。フォンセもその後に続き、リアも回復した魔力で俺達の横を飛び始める。