第63話 高ランク
「あっ、おかえり。」
「ただいま。解体は終わったのか?」
「うん、そこに置いてるから」
フォンセの言った方を見ると、大量の素材が置かれて、山のようになっていた。
「スゴい量だな、、」
「確かにいっぱいあるけど、これは全部主様が倒した魔物から採れたものだよ」
「以外と採れるものだな、、、」
俺の身長くらいまでの高さまで積み上げられた素材の山は、また大変になることを予感させていた。そういえば、リア、いないよな。
「リアは何処にいるんだ?」
「あー、、、とりあえず降りてきてよ」
そういえばそうだな。俺は翼を閉じながら降りていく。
「で、リアは何処なんだ?」
「主様急ぎすぎ。リアさんなら、剣を持って歩いていったよ。訓練でもしてるのかな?」
「そうかなのか。大丈夫なのか?」
「んー、、、大丈夫だと思うけど、」
「まあいい、様子でも見てくるよ。」
俺が密かに心配しながら歩き出そうとすると、後ろから足音がして振り返る。
「あっ、エドさん。戻ってきてたんですね。」
「あ、あぁ、何処行ってたんだ?」
「え、えーと、エドさんが何処に行ったのかなって、探してたんですよ。エドさんったらなかなか帰ってこなかったんですから。」
「そうか、、探してくれてたんだな。ありがとう、」
「は、はい。」
リアは照れながら顔を伏せる。俺は苦笑いしてしまった。
「じゃあ、二人とも揃ったし。早くフォンセ達が解体したのを回収して進もうよ。」
「そうだな、、ちなみに、ボスは仕留めてきたぞ」
「へっ!?」
「んっ!?」
「?」
「早くないですか?」
「まあな、、けど、まだ時間掛かった方だと思うぞ?」
「いえ、十分早いです。」
「そうなのか、、これが仕留めてきた奴なんだが、、、」
俺は回収していたボスの体をアイテムポーチから取り出したのだが、、、
「あちゃぁ、、、」
「これは、Aランクの速翼蛇竜ですね。さっきのと同じくらい強かった筈です。」
「まあ、強かった。けど、闇を使えば楽勝だったな。」
「そう言えば、宝箱はどうしたの?ボスなら宝箱があったと思うけど、、、」
「そう言えば見当たらなかったな。と言うことは、こいつはボスじゃないのか?」
「そう、、なりますね。けど、Aランクが普通の魔物ってことは、ボスって、、」
「恐らくはSランクだな。これも、資料に書いてあったことなのかもな?」
「どういうことですか?」
ギルドで貰った資料にはダンジョン内の魔物が以上に強くなっているらしい。つまり、普通の魔物と比べ物にならない個体が多数確認されているということだ。
「資料には普段よりも高ランクの魔物が多く確認されていると書いてあった。と言うことは、恐らくはこいつらもその類いだろう。」
「と言うことは、次の階層になるともっと強力な魔物がいるってことですか?」
「そうなるな、、少しキツイか?」
「いえ、大丈夫です。それに、危なくなってもエドさんが助けてくれるんでしょ?」
「まあな、、、」
「それに、フォンセとか主様が変化を解けば簡単に倒せるでしょ?」
「そうだな、、、まあ、そう考えたら危険じゃないのか?」
「そうだよ。そんなこと考えないで早く行こう?」
「そうだな、行こうか?」
「はい。」
リア達が解体してくれていた素材の山をアイテムポーチに仕舞うと、先を急いだ。さっきの蛇がボスじゃないとしたら、本気でここのボスは危ないと思う。
「予想的中だな、」
「そうですね。これは、、勝てますかね?」
「大丈夫だよ。フォンセと主様がいれば!」
「そ、そうですね。」
「さあ、殺るぞ!」
俺達がいるのはこの階層の階段前。ただし、ボスが守っていた。
「やっぱり蛇なんだな、」
ボスは長い腕を大きく広げると、雄叫びをあげた。