第6話 平野
「やっと抜けた!」
「だな、、野営にはいいが、やっぱり草原もいいな、」
前いた町は森の中にあって、そこから出たのだから、ずっと森の中を歩き回っていたことになる。
「気持ちいですね。草原の風は、!」
「そうだな、、いいよな。こういうところ」
目の届く限り、広がる平野で、遠くに丘のような物も見える。そして、俺達の前には大きな池。
「これがなかったら、最高なんだがな、」
池の中からは、大きな目が2つ、俺達を睨んでいた。
「リア、右目を頼む。」
「分かりました。じゃあ、エドさんは左目を」
「わかった。闇よ貫け」
手のひらから、「闇」が吹き出して槍をつくる。そしてそれをしっかりと握ると、大きな目を刺し貫いた。リアも、魔法を使って目を切り裂いていた。そう言えばこないだ聞いたが、リアは炎、水、風、雷、地の全ての五大属性を使えるらしい。これも、凄く珍しいことなんだが、、
「ギャァァァァ、」
正体は怪魚だったのだが、とても魚とは思えない悲鳴をあげると、水面から陸に飛び上がってきた。見た目は、紫色の毒々しい鱗に、ヒレは黄色と黒というこれまた危険な色をした怪魚で、一番目立つのが、真っ黒で大きな目玉だ。
「リア、人でいうBランクはありそうだけど、やれるか?」
「やります。エドさんがついてますから」
「俺を信用しすぎじゃないのか?」
「そんなことありません。エドさんは実際強いですもん!」
「それはそうなんだが、、、まあいい、俺はすることをする。リア、頼むぞ!」
「分かりました。気を付けて下さいね」
「ああ、」
俺は走り出すと早速、闇裂を取り出すと、相手の鱗に突き立てる。
「硬い!」
普通の魔物なら、刀身は深々と刺さってこれで重症を負っていただろう。しかし、この魔物は鱗を少し傷つけただけで、なんのダメージも与えられなかった。
「エドさん、退いてください!」
その声にあわせて、上に飛び上がると後ろから土の弾丸が大量に怪魚に向けて放たれる。すると土の重量もあり、鱗を数枚砕いた。
「光よ閉ざせ!」
これは精神への攻撃だ。これを使うと、相手の意識は光によって気絶させてしまう。これが闇なら、もっと危ないんだが、、、
「リア、、俺の剣に付与を頼む。大至急だ!」
「わ、分かりました、風よ、集いて剣を包め」
「あらがとな、リア。ナイスチョイスだ!」
「は、はい。ありがとうございます」
闇裂を降下するスピードにのせて、突き刺す。そして、、、
「闇よこの者の時を止めよ。我の命は絶対。この者の生を滅っせよ」
「光よこの者の時を止めよ。我の命は絶対。この者の生を滅っせよ」
刺さった刀身に、「闇」と「光」が伝わると、確実に怪魚の生を消した。
「お疲れ様です。というより、エドさんって、魔法、使えましたよね?」
「そうなんだがな、、、他の神に邪魔さらたようで、、今は使えないんだよ」
「そう言えば、、と言うことは、ボクはどうなんでしょう?」
「それは大丈夫だと思う。リアには、俺の神力が入ってるから、他の神は手出し出来ない。」
「そうなんですか?」
「まあな、、俺だって、一応は神の中じゃ最強だぞ!それに、「闇」っていう権能は万能なんだよ」
「まあ、分かる気がします。けど、、、」
「けど、、なんだ?」
「なんだか、、闇ってのは、負のイメージがあるんです」
「まあ、そうだろうな。けどな、闇とかってのは全ての初まりなんだよ」
「初まり?」
「そう、、闇は「夜」や「暗」を司る。けどな、一番肝心なのは「無」なんだよ」
「無?」
「そう、無ってのはなにも無い状態なんだよ。けど、それは闇だけじゃ出来ないんだよな」
「では、何が必要なんですか?」
「光だ!」