第58話 オーク討伐
「おはようございます。今日も行きましょうか?」
「そうだな、、特にすることもないし、これからは朝はギルドまで行けばいいだろう。」
「けど、今日もスラム街?」
「いや、今日は大森林、北の森にでも行こうと思う。昨日、依頼の中にそんなのもあった筈だからな、」
「分かりました。それより、最近エドさんが着けている物って何ですか?」
「ん、これのことか?」
リアは俺が最近ずっと着けている籠手について気になるようだ。
「はい。それって魔法具ですよね?」
「魔法具ではないんだが、、、魔法陣を組み込んであるんだ。だから魔力を流したら自動で発動するんだよ。」
「だから、炎とかも使えてたんですね?」
「まあな、、、それより、早く行こう。朝は冒険者が多いからな、」
「そうですね。急ぎましょう」
「ねえ、主様、、」
「なんだ?」
「朝ごはんは!?」
「あっ、」
「あっ、」
それから簡単に朝食を食べてギルドに向かった。少し嫌な予感がする、、、
「やあエド君、どうだい、考え直してくれたかな?」
「執拗い!」
俺は魔力を乗せた短剣を投げた。短剣はスピードを上げてギルド長に近付いていく。
「ありがとうね、レジーヌちゃん。」
「いえ、これが私の役目です。」
「レジーヌさんですか?また今日もですか?」
「エ、エド。いや、止めておく。まだ勝てなさそうだ。」
「そうですか。では、俺達は依頼を受けに行きますよ」
俺はそう言うと依頼ボードの所まで歩いていく。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
・ゴブリン討伐‥‥ゴブリンを十体討伐
・オーク討伐‥‥‥オークを五体討伐
・薬草採集‥‥‥‥葉澄草の採集。
・新しい池、採集in調査‥新発見の池の調査
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
俺は迷わずオーク討伐の依頼を受けると、三人でギルドを出た。オークは多く生息していて人に危害を加える場合もある為、依頼の額は高い時が多い。それに、リア達にはいい経験になるだろう。
「早速だな、」
「そうですね。フォンセちゃん、勝負しませんか?」
「いいよ。どちらが多く狩れるか競争だね」
「じゃあ、俺がスタートをきる。よーい、スタート」
二人とも最近は実戦にも馴れてきていて、狩るスピードはとてつもなく早い。オークが腕を振り上げた時にはもう遅く、首か手が既に無くなっている場合が多かった。
「やあっ!」
「はあっ!」
二人はドンドンと仕留めていき、既にそれぞれ20匹以上は仕留めている。けれど、そんな中にも油断はあり、油断すると、、、
「ブブブゥ!」
思った通り、ジャンプして飛び上がっている所へ大量の石が投げ付けられ、運悪くそれが急所に命中してしまった。落ちてくるリアを、その剛腕で掴んだ時、、
「人の愛人に手を出すなんて、よっぽど死にたいんだろうな?」
俺は一斉に闇で貫いてあげると、体内で闇を分裂させて体の肉を切り裂いていく。
「はい、終わり」
その声とともにオークの証明部位を残した全ての肉体を闇に染め、球体に閉じ込める。
「やることは考えろよ。」
手中に収まったその球体を握り潰した。オーク達は既にリアの服にまで手をかけており、挑発としか受け止められないよな。
「ブブゥゥ、ブウウウゥゥゥ」
殺り逃したか?群れのリーダーであろう一匹が近くの木を振り回しながら俺達に襲い掛かってくる。
「はっ!」
「やっ!」
リアも一度は不覚をとったが、しっかりと警戒していれば負けることなんて絶対にない。フォンセが十字型に爪撃を放ってオークの体に深く傷をつける。そしてその後ろからはリアの光弾が無数に放たれていた。
「二人とも頑張ったな、今回の勝敗は、、、、、、リアだ。」
「やったー、」
「、、、」
「まあ、差はたった一体だ。」
「まあいいや、もう帰ろう。いつの間にか主様が証明部位もリーダーの死体も回収してるし、」
「えっ、」
「ま、まあな。さ、そろそろ帰ろうか」
俺は誤魔化しながら帰路についた。ちなみに、今回仕留めたオークの数は53体だ。