第50話 成功
ドカーーン!!!
「うわっ!危なかった、、」
早めに起きて、改造籠手の実験をしたのだが、刻んだのが爆散魔法だったせいで、魔法陣がその場に爆散を起こしてまった。
「どうしたらいいものか、、」
この魔法陣は、魔力が丸を描きながら流れて真ん中に集まることで、その場を爆発させる魔法陣だ。なら、集める場所で爆発を抑えれば、それを飛ばせるんじゃないか、、
「魔法陣を追加だな、」
俺は早速工具を取り出すと、一度描いた魔法陣の上から新たな魔法陣を描く。魔法陣は重ねることが自由で、何枚重ねてもいい。けれど魔法が相殺し合ったり、相乗効果で暴走するかもしれないが、、、
「よし、これでよし!」
描いたのは二つ、計三つの魔法陣が描かれていることになる。一つは初めに描いた爆散魔法、二つ目はそれを抑える圧縮魔法、そして三つ目はそれを飛ばす魔法だ。これが巧く重なれば強力な魔法になるな、
「さ、やってみるか!」
少しワクワクしながら魔力を流すと、手を下に向けていたせいで足元が爆発してしまった。
「これをドジって言うんだろうな、」
俺はちゃんと火山の壁に手を向ける。
「今度こそ、」
俺は思ってた以上に緊張していたらしく、普段は意識しない魔力の流れさえよく分かる。封印されて刺激が無かったせいか、こんなことで感動を覚えるな、、
「はっ!」
魔法陣を通して赤い球体が作り出された。その球体の表面は透明な魔力で覆われていて、爆発を今か今かと抑えていた。そして作り出された後、一気に球体が壁まで飛んでいった。恐らくこの飛んでいく威力だけでも壁にめり込むかもしれない。
ドーン!
発動したのは右手の炎爆散だったのだが、着弾点の周囲一メートルは消し飛んだ。それに追加効果で爆発地点は燃え盛っている。
「凄い、、、これなら込める魔力によって威力も変えられるな、」
俺は両手の籠手をアイテムポーチに仕舞うと、光の世界へ戻る。これは戦闘じゃなくても、掌だけを着けていれば魔法陣は発動できる。なら護身用に使えるよな、
「お、起きてたか二人とも。」
「はい。エドさんこそ何処へ行っていたんですか?」
「主様、ご飯まーだ?」
「今から作るから待ってろ。今日は冒険者街でも行くか?」
「はい!一応ボク達、冒険者ですもんね」
「そうだな、、たまにはギルド依頼もクリアしなきゃいけないしな」
「はい!」
「ねえ主様、ぼうけんしゃって何?」
「んっ、、消してたかな、、」
「主様面倒だったのか、フォンセへの記憶移植ってだいぶ大雑把だよ。だから知らないことだって沢山あるし、」
「そうか、、、冒険者って言うのは、ギルドと言う施設から依頼を貰って、それをこなす人達のことだ。ギルドの依頼は様々で、基本的には魔物関係が多い。それと、ランクとかもあるけど、これは後でいいだろう。」
「んー、、ある程度は分かった。で、フォンセも冒険者になっていい?」
「んっ?」
「いいじゃないですか。フォンセちゃんは十分強いですもん。」
「そうだな、、ならフォンセ、冒険者になったもいいぞ」
「やったー、、早速行こう!」
「その前に朝食だろ?」
「あ、そうだった、」
俺達は朝なので、軽い朝食を作るとパッと食べると、三人で外に出た。
「んー、、、主様、そう言えば対策なんてしてなかったよね?」
「あぁ、忘れてた。けど、こんなにも沸くとは、、、」
「またですか?ボクはこんな大群相手は苦手なんですけど、、、」
「仕方ないだろ、こんなに集まってるんだから。それに、ここを突破しなきゃ進めないしな、、」
「まあ、そうですけど。」
「主様、楽しみですね。準備体操にはなるよね?」
「そうだな、、けど、うっかり殺られるとかは止めてくれよ!」
「分かってるよ。流石に命のやり取りじゃあ油断しないよ」
「そうか、、気を付けろよ。当然リアもな、」
「はい、、」
「さあ行くぞ。開戦だ!」
「はい!」
「おー!」