第48話 戦果
「どうだ二人とも、、いい経験になったか?」
「は、はい。凄く疲れましたけど、、」
「主様やっぱり酷いよ、、フォンセの火力じゃあ普通は倒せないもん!」
「けど、倒せたんだろ?」
「まあ、、、」
フォンセは右手を隠すように返事をするが、始めから見ていた俺は知っていた。
「あれ、フォンセちゃん、その腕どうしたんですか?」
「、、、」
「、、、」
「どうしたんですか二人とも、、ボク、不味いこといいましたか?」
「リア、さん、、、」
「リア、フォンセは右腕を犠牲にして
倒したんだよ。」
「えっ!」
「そうだよ!フォンセは右腕でも犠牲にしなきゃ倒せなかったよ。仕方ないでしょ!」
「え、そ、そう言うことじゃなくて、右腕大丈夫なんですか?」
「んっ?」
「リア、忘れてるかもしれないが、フォンセも龍だぞ。」
「あっ!」
「忘れてたの!?」
「は、はい。」
「龍は自己回復能力が高いんだよ。だから、腕くらいなら直ぐに回復するんだよ。」
「反則的ですねー、、」
「まあな、、その代わり、こないだみたいに急速で回復させると、回復能力は少しの間極に下がるけどな、」
「だからあの時、軽傷のは治らなかったんですね。」
「まあな、」
こんな簡単に言ってるがフォンセはまだ体も小さいせいで、回復能力は俺と比べ低い。なので右腕を治すには数時間はかかるだろう。
「そらにしても、闇の義手なんて考えたな、」
「主様、、これは確かに自由に動くけど、魔力の消費が激しいんだよ。よく続いても一日どと思う」
「そうか、、、なら、俺が闇の補給は受け持つよ」
「えっ、いいの!?」
「ああ、今回の修行は俺の提案だしな、」
「ありがとう」
俺は闇の神力をフォンセの右腕に巻き付ける。そして、やがて闇の神力は義手に吸い込まれた。
「これで一日くらいはもつだろう。残った闇はフォンセが吸収してくれて構わない」
「ありがとう主様、絶対についていく!」
「ありがとな、、それはそうと、ここは出た方がいいんじゃないのか?」
「確かに、、これじゃまた許容量をこえちゃうよ」
「リア、出るぞ」
「はい!」
俺は何もない所を手で切り裂くと、その隙間を広げる。
「先に行けよ。早くしないと閉じるぞ」
俺は二人が闇の世界を抜けたのを確認すると、俺自身も隙間を潜った。
「戻ってきたな、、、て、もう夜か。」
「そうですね。だいぶと疲れちゃいましたし」
「フォンセはお腹減った。凄く動いたもん!」
「そうだな、、飯を作るから、待っててくれ。」
「はーい。」
「分かりました、」
今回はもう夜で時間をかけてる余裕はないので、簡単な物で済まそうと思う。こないだ調味料なども買っていたので、適当に作ってみよう。
「これでいいよな、」
俺がまだ一人の時に捕ったコトルを取り出すが、以外と残っていた。
「塩胡椒でいいかな?」
コトルは鳥型の魔物だ。今回使うのは足、両断して毛を炎の魔法具で焼き尽くすと下拵えは完了だ。そのあと肉自体に塩胡椒を振り掛けたあと、その巨大な肉を網に乗せる。
「、、、、」
その下からさっきよりも広範囲に炎を発生させる魔法具を使って火を通す。そしてある程度火が通ると、今度はフライパンに肉を移すと数種類の薬味と一緒にスパイスのソースで炒める。
「これくらいでいいか?」
大きめの食器にフライパンの中身を移すと、上からフライパンに余っていたソースもたっぷりとかける。
「完成かな、」
俺はそれと、主食として買っていた焼き立てのパンを机に並べた。
「こんな物でいいか?」
「はい。」
「やったー、お肉!」
「さ、食べよう」
二人とも疲れていたのか、しっかりと食べて、すぐに寝てしまった。俺はすることも無くなって、一人でダンジョンの中へ行ってみた。