第40話 自作武器
「さっ、、仕切り直しフォンセの武器だな。」
実は既にフォンセの為に作る武器は決まっていた。短剣だ。本当はちゃんとしたもっと小さな物があればそれを使うのだが、あいにく今は無く、最善なのがこの短剣だった。
「さあさあ、、」
短剣と言っても魔法発動体としての役目を持つ短剣だ。剣と比べ作るのは簡単だ。何故なら元々買っておいた杖の発動体を使うから。それに、フォンセは闇の魔法しか使えないので、俺が作る武器とは相性がいい。
「!」
杖から取り外した発動体に闇を染み込ませる。これでこの発動体では闇しか扱えなくなったが闇を使うと1,5倍の威力はでる。それをリアの剣と同様に取り付ける。
「はい、完成。次は二本目だな」
一本は闇の攻撃でいい。しかし攻撃だけではダメだ。と言うことでもう一本の短剣には闇の補助をかけようと思う。
「闇よ結晶に加護を与えよ」
与えた加護は1つ。闇を加えると五感や魔力量、自分自身の能力が上昇する加護だ。
「あとは嵌め込むだけっと、」
一本目と同様に柄頭に発動体を取り付ける。
「さあ、、試し切りだ。」
俺は次も汚れるのは必然と諦めているので、着替えもせず光の世界の外にでた。
「次はなんだろな、」
もう少しで夜明け。夜が明ける前に全て終わらせなければ面倒なことになる。
「お、見っけ。」
遠くでザワザワと動く影を見つけた。
「さあ、、早速ためしてよう。」
二本目、左手に持っている短剣に闇を流す。流石と言うかやはり最上位の闇。流す端から俺の体は軽く鋭くなっていく。
「さあ、殺ろうぜ」
相手はオーソドックスな赤い狼。いつもなら権能で一層だが今回はわざと使わない。
ドンッ!
走ってきた狼の顎を蹴りあげた。今ので既に顎は砕かれた。
ドンッ!
がら空きになった内臓へ強い一撃。一発で内臓が数個破壊され吹き飛んでいった。
「体が軽いな、力も入りやすいし。」
死んだ狼は顎の部分は吹き飛んで、腹の部分は中身が酷いことになっており、流石にもって帰ろうとは思わなかった。なので回収はせず光の世界へ戻った。
「それにしても、あまり汚れなかったな」
汚れるのを覚悟で外に出たのだが、全くもって汚れることはなかった。
「やっぱり着替えるか、」
体は汚れてないが、ダンジョンは火山なだけに物凄く暑かった。
「絶対買いに行かなきゃな、」
服も今晩だけで3着も洗濯にまわしてしまった。服がもう少なくなってきていた。
「それにしても、、」
俺が今回作った時に作った能力は基本的には神力の単純な力業だ。しかし、この世界には神力を司る神などもいた筈。すると、何故俺は神力を使えるのだろう。権能は神力なしで使えるが、今回なような結晶化などの技は本当の意味で力業だ。何故俺は使えているのだろう、、
「まあ、考えても無駄か、」
そう、いくら考えても無駄。今の俺は神の一員でもなければ天界の者でもない。
「もう朝だな、、」
まだ殺風景な白色の平野に建物が一つあるだけのこの世界。けれど、もう少しリアルを求めたのがこの昼夜だ。昼間は明るく光り、夜は混沌とした闇が空をおおう。それだけでもまだマシかな、、
「そろそろ起きてくるだろうな、」
そう思って紅茶を淹れた。恐らくは飲み終わったくらいに出てくるだろう、、
「こんな落ち着いた時間も好きだな、、」
昨晩みたいに剣や刀を使い殺し合うのも、リアとイチャつくのも楽しいが、こうやった一人で落ち着くのもいい。そして予想通り紅茶が空になった頃、リアが扉を開けた。
「おはようリア、」
「っ!エドさんいたんですか!?」
「ああ、、朝からいい反応が見れたかもな、」
「もうエドさんったら、、それにしても、エドさん寝てませんね?」
「ん、、なんでだ?」
「口調がはっきりしています。それに、服が変わっています。」
「リアには敵わないな、、昨日は寝てないぞ」
「やっぱり、、寝なくてもいいからって、少しは寝てくださいよ」
「気を付けるよ、」
「はい、そうしてください。ボクの前からいなくなったりしたら、一生探しますからね」
「絶対にいなくならないよ。俺が消えたくないしな、、」
すると、もう一つの扉、フォンセの部屋の扉が開いた。
「朝からイチャつきすぎ、」