第26話 光の世界
「光の、加護?」
「そう、光の加護だ」
「光の加護と言っても、何があるんですか?」
「そうだな、、まずは、光の力が無効。光の、最上位である俺の力以外は、」
「と言うことは、ボクには光の魔法と言うのは、、」
「無効だな、、どれだけ強大な魔法であろうとも、防げる。これで防げないってのは、俺より光の力が強いってことだからな」
「そんなに凄いものを、、」
「それだけじゃないぞ。光の加護は、魔法でさえ使えるようになる」
「魔法もですか!?」
「そうだ。これで、リアの使えなかった光の魔法でさえ扱えるようになった。」
「そんな、、悪いですよ。ボクなんて何もしてないのに」
「そんなこと無いぞ。俺といてくれるだけで、ただそれだけで、、」
「何か言いましたか?」
「いや、、何でもない」
そういう会話をしていると、喜びから復活したフォンセが俺の裾を引っ張る。余談だが、フォンセって裾を引っ張るの多いよな、、
「どうしたんだ?」
「主様、フォンセには聞こえてましたからね」
「なんのことだ?」
「主様も、人らしいとこがあるんですね。普通に告白でしたよ。」
「そうかな?」
「二人とも、どうしたんですか?ボクばっかり仲間外れにしないでくださいよ。」
「ごめんごめん。リアがいてくれるだけで嬉しいって話してたんだ」
「!」
「あちゃぁぁ、、」
「どうしたんだ?」
リアは真っ赤になるし、フォンセはやれやれと首をふるし、何がなんなのか分からない。
「そう言えば、、何もないですよね?」
「そうだな、だから、宿の予約がとれるまででいいだろ。まあ、それまでの対処として、ここを少し部屋みたいにすればいいだろ?」
「そんなこと出来るんですか?」
「出来るぞ。さっきも言ったがここは俺の自由だ。例えば、、」
俺が手のひらを広げると、周りから白い光が集まってきて、白い花を咲かせた。
「キレイ、、」
「そらから、」
俺が思うだけでその花は飛び散ると、俺の周りを飛ぶ。
「スゴい、、」
「こんなことも出来るぞ」
周りを飛び回っていた花は、リアの元は集まる。
「へ、何ですか?」
「見てろ、」
集まった花はリアの周りを飛び回ると、リアの手の中へ収まる。
「あれ、消えたんですか?」
「広げてみろ」
「は、はい」
リアが手のひらをひろげると、中から白い花が咲く。
「キレイです!」
「どうだ?これで、分かったか?こんな感じで部屋でも作ろうと思うんだがいいか?」
「はい!それと、これ、貰っていいですか?」
「ん?別にいいが、、どうするんだ?」
「飾ろうかなって、」
「そうか、、リア、少し来てくれ」
「どうしたんですか」
リアは不思議そうに歩いてくると、俺を見つめる。
「手を出してみろ」
「あ、はい」
俺は差し出された手に自分の両手を重ねると、
「生を」
光の神力だけで作られていた花は、今度こそ生命を吹き込まれた。
「何をしたんですか?」
「少し細工しただけだよ、これは枯れることも失うこともない」
「?」
「まあいい、、」
パチンッ
俺が指を鳴らすのと同時にこの世界は形を変えた。
「ここが、、新しい家ですか?」
「そうだな、、仮だがな」
「別にいいじゃないですか。さ、荷物でも置いて、何処かいきましょ」
「そうだな、」
俺はアイテムポーチに入っていた荷物を出すと、それぞれがそれぞれの荷物を部屋まで運ぶ。
「二人とも、荷物は運び終わったんだし、外でもいくか?」
「そうですね。リベオスの中も見てみたいですし」
「そうだな、宿も探す必要があるしな」
「はい。そう言えば、どうやってここから出るんですか?」
「俺に掴まればいい。行きと同じだな」
「こ、こうですか?」
行きとは違い、少し恥ずかしがりながらも俺につかまる。
「さ、行くぞ」
俺は二人がつかまったのを確認すると光の世界を出る。
「あっ、、、」
「どうしたんですか?」
「主様、ドンマイです」
ここは魔物の溜まり場だったらしく、俺達三人がでたのは魔物の群れの中だった。