第23話 リベオス
「ふう、やっとついた!」
「ここがリベオスですか、、」
「主様、フォンセここ苦手。人が多い」
「仕方ないだろ。まあ、苦手ってのは分からなくもないが。」
「とにかく宿をさがしましょう。」
「リア、それなんだがな、、」
「どうしたんですか?」
「恐らく宿は空いてないぞ!?」
「えっ!」
「これだけ人が多いんだ。恐らくは満員だろうな」
これだけあちこちに人が賑わっているんだ。恐らくは宿なんかは満員だろうな。
「け、けど、一応回ってみましょうよ。もしかしたら、、、」
「ダンジョンってのはどうだ?」
「ダンジョンですか!?」
「そうだ、ダンジョンなら無料だしなにやり安全だ。」
「安全?ダンジョンがですか?」
「俺が本気で作れば安全だぞ。絶対に見つからないしな!」
「で、でも、、」
「リアさん、大丈夫ですよ。」
「そうですか?なら、信じてみます!」
「なら、早速作りに行くか!」
「はい!」
そうと言ったものの、ダンジョンの性質が分からない。作れる所を探すのに苦労しそうだ。
「ここがリベオスのダンジョンなんですねぇ、、、」
第一層は火山だった。はっきり言って人類の中に火山を知っている者はどれ程いるのか分からないが、ここは鋭い岩山から溶岩が流れ出ていた。
「主様、火山ですか?」
「そうだな、、これは、」
「火山?」
「知らないのか?説明は難しいが、こんな所だな。」
「そうなんですか?聞いたことありません」
「そうなのか、、人には知られてないのかな?」
「ボクは知りません!」
「そうか、、まあいい。この階層に作るぞ!」
「えっ!こんな浅い所でいいんですか?」
「ああ、、ここは入り組んでるし、間違ったら危険なここは、探索されにくいしな!」
「そう、ですね。なら、いい場所を探しましょう!」
「はい!」
「主様、敵です!」
「分かった。俺が行く。」
「主様、敵は前方、左右から来ます。」
「分かった。フォンセは右、リアは左、俺は前を行く。」
「分かりました!」
「はい!」
「気を付けろよ!」
「はい。」
「わかってます」
一度そこで分かれると、自分の担当の方へ走っていった。
「うわっ、でか!」
相手は大きな岩ほどもある、スライム、か?
「シーシー」
奇妙な鳴き声を上げるが、闇で包めば殺れるだろう。
「!」
とてつもなく素早かった。その大きな鈍そうな見た目とは違いら目にもとまらぬ速さで俺の闇を避けた。
「、、、、、」
闇と言うのは元々空間に漂っている元素の中の一つだ。五大元素と上位二大元素がある。闇と光は上位二大元素。五大元素は魔法の基本属性である。話は逸れたが、その元素である闇、だから空間が広がっているいじょう、闇の攻撃はどこからでもできる。まあこれは、属性神である俺の特権だが、、、
「壁」
「!」
急に目の前に壁が現れれば驚くのは無料無いだろう。けれどそれだけでは終わらない。壁は瞬く間にスライムの体を包んでいた。
「死ね」
俺が指を鳴らすと、静かに命の火は消えた。壁から槍を内側に向けて形成しただけの簡単な操作だった。
「おっと、、これは、、、宝箱か?」
壁を解くと、中から傷だらけの宝箱が落ちてきた。当然木製だったが、、、
「と言うことは、、」
やっちまった。恐らくは、さっきの奴がボスだったんだろう。
「まあいい、開けるか、、、、これは、、なんだ?」
開けると、白色の真ん丸な球体が置いてある。ただそれだけ。良く分からないので「真実の根元」で調べるとこれは魔珠と言って、魔力を増幅させられるそうだ。
「良いものを拾ったな。」
これは、リアにでもプレゼントしようかと思い、アイテムポーチにしまった。
「喜ぶかな?」
少しワクワクしながらも、来た道を帰った。恐らくは二人ともさっきの所へ戻っているだろう。