第16話 朝一!
「結局リア、どうしたんですか?」
「えーと、、エドさん、、」
俺がリアに問いかけると、リアは上を向いたり下を向いたりと目を泳がせている。
「ストープ!主様、少し待ってくださいね!」
急にフォンセが割って入ると、リアと一緒に少し離れた所へ行く。
「ん、どうしたんだろな?」
数分後、リアが少し顔を赤くしながら戻ってきた。いつの間にか、フォンセは何処かへ行っているが、、
「エドさん!」
「ど、どうした?」
「ボクはね、不安だったんだよ」
「なにがだ?」
「ボクって、たまにエドさんに甘えてしまいますよね。それで、エドさんに失礼じゃないかって、、」
「そんなことか、、」
「ん!」
「俺は全然迷惑でもなんでもないぞ。俺は、旅仲間であるリアの為ならなんでもするし、そんな、さっきみたいな時だったら不安だっただろ?そんなの、仕方ないんだなら、不安になる必要もない」
「、、、ありがとうございます、ボク、スッキリしました」
「ん、それでいい。それに、俺は絶対にリアは守るから」
「それって、どういう‥‥」
「さ!そろそろ寝るぞ。もう夜もおそいしな!」
リアがそれについて聞こうよしたが、俺は少し無理に話を切り上げると、テントに入っていった。ちなみに、テントは2つに増やしていて、「リアとフォンセ」、と、「俺」、という分け方にしてある。まあ、当然だな。
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「ふう、緊張した、、」
せっかくフォンセちゃんが作ってくれたチャンスだったんだけど、ボクには勇気が出なかった。嫌われるのが嫌だから。
「もう、何してるんですか!リアさん!」
振り返ると、フォンセちゃんがエドさんのように翼を羽ばたかせながら降りてきていた。
「ずっと見てましたよ。ずっと恥ずかしがってたじゃないですか!」
「そうなんですか、だいぶ頑張ったんですが、、」
出来るだけ悟られないようにしていたのだが、フォンセちゃんにはまるわかりだったようだ。
「もう、、きっと主様は気付いていませんよ、」
「そうなんですか、、」
幸いと言っていいのか、エドさんはボクが恥ずかしがっていたのに気付いていなかったらしい、、
「はい。主様は特に気にも止めていなかったと思いますよ。けれど、最後の一言が気になりますね」
そう、ボクも思っていた。何故、ボクは絶対に守るなんて言ったんだろ?
「まあいいです。リアさんも、頑張ってください!」
そう言えば、今思ったんだけど、フォンセちゃんにはボクの気持ちは筒抜けだったようだ。
「うん、、、そう言えば、フォンセちゃんはいつボクがエドさんのこと、好きだって気付いたんですか?」
「始めからですよ。主様は以外と鈍感ですからね」
「それもそうですね、」
まだまだボクの気持ちは実らない気がする。
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「ふぁぁ、まだ眠い」
俺の朝は早い。まだまだ二人が寝てる中、俺はテントを抜け出した。
「さあ、調達だな!」
まだ眠気が残るが、翼を広げると空に飛び立った。まあ、当然すぐに見つかる訳がなく眠気が襲ってきた。
「眠い!」
俺は目を覚ます為、辺り構わずに落雷を落とす。
ドカーン!ドカーン!
「煩い、」
眠気は去ったが、落雷のせいで地表は軽く焼け野原になってしまう。
「お、、見つけた!」
落雷のおかげで木々が倒れて隠れていた獣達の姿がしっかりと視認できるようになった。
「光よ追え。獲物を確実に仕留めよ」
前と同じように、確実に獲物を仕留めていく。
「はい、終わり。」
地表には、権能と神力でできた光の線が獣達を片っ端から貫いていた。そして、俺が指を鳴らすと線は自在に形を変えて、最後は全ての獲物が俺の前に集められた。
「さ、帰ろ。」
獲物をアイテムポーチに仕舞うと、野営地まで飛んでいった。恐らくはそろそろリア達も起きてる、かもしれない。