第15話 以外な面
「リアの奴、どうしたんだろな?」
「主様、どうしたのです?」
リアが歩き去ったあと、フォンセが近付いてきて俺に俺に問いかける。
「さっきな、リアが顔を赤くしててさ、不調かなって思ったんだが、、」
「リアさんの行動を思い出してみては?」
「そうだな、、迷子になって、帰ってきて、歩き去った、それくらいだと思うぞ?」
「主様!もう少し詳しく、」
「ん、、迷子になって、俺が迎えにいって、帰ってきて、顔を赤くしてて、歩き去った、、ん、やっぱりこれくらいだと思うぞ!」
何度思い返しても、同じ答えだ。特に異常はないと思うのだが、、、
「主様、リアさんはいつからあんな感じですか?」
「帰ってきてからだな!」
「そこから間違いです!」
フォンセは、やれやれという表情を浮かべると、説明を始めた。
「まずです。リアさんは主様のことをどう思っていると思いますか?」
「ん、旅仲間だろ?」
「!」
「ん、どうした?」
「いえ、いいです。では、リアさんが何故顔を赤くしてたと思います?」
「不調じゃないのか?」
「いえ、違います。リアさんは恥ずかしいんですよ。」
「なにをだ?」
「迷っちゃったことですよ。だって、恥ずかしいでしょう?」
「そうだな、、だからか?」
「きっと、そうですよ」
妙に納得できないが、俺は一端納得すると 狩ってきた獲物をその場に出す。
「!!!」
フォンセは見た瞬間、目を見開いて今にでも飛び付かんとする勢いだ。
「フォンセ、待てよ。」
「主様、、酷いですよ。早く早く!」
「フォンセ、、我慢だぞ」
「んーーー、、」
俺はフォンセが我慢してられる間に手早く処理を始める。今回は素材などは回収しないので楽だ。
「光よ集まれ」
光の権能は、聖という属性もあるが、光という属性も含める。何が違うかというと、聖は闇の対だ。なら光は何なのかと言うこと、そのまま、光だ。日光などもその内に入る。そして、光の対は影にあたる。そして、今回したのは光を一点に集めた。すなわち獲物にだな、
「主様、危ないのでは?」
「大丈夫だ。」
光は目で見ることは出来ない。しかし、確実に余分な部分を焼き尽くす。また、そのついでに肉自体にも火をとおした。
「さ、さ、解体だな」
「はい。フォンセはもう待てませんよ!」
光が焼き尽くしたせいで、獲物からはいい匂いが漂っていて、フォンセは既に目を血走らせていた。
「待っとけよ、」
俺は闇裂を取り出すと、まずは首を飛ばす。そのあと、部位ごとに解体すると、食べられる部分と食べない部分に分けられる。
「闇よ呑み込め」
たったそれだけで、食べない部分達はコンパクトな球体に押し込められる。そして、俺が開いた手を握ると、闇の球体は、ポンッ!と軽快な音をたてて消滅した。
「さ、いいぞ。」
俺が後ろを振り向いて、そう言う前にフォンセはもうつまみ食いをしていた。
「フォンセ、、、」
「んー、んー、」
「口の中のを飲み込んでから言え」
「んー、、主様、こんないい匂いしてるのに、待てなんてあんまりですよ」
「そんなこと言うなよ。それより、リア、いるんだろ?」
近くの草村がガサゴソと音をたてると、俺は草を掻き分けて、
「見つけた、、リア、そろそろ戻ってこいよ?夜の森は危ないぞ!」
俺はそう言うと、隠れてたリアの手をとって連れ出した。
「エ、エドさん!」
「いつまでも恥ずかしがってないで食べよう。そろそろフォンセが我慢できないから」
「、、、」
俺は半強引にリアの手を引くと、フォンセの所まで連れていく。
「リアさん、さっきのは一度忘れてください。早く食べましょう。フォンセは我慢出来ません!」
「は、はい。」
リアも、結局はフォンセの勢いにおされてそこに座った。
「さ、食べよう」
俺達はそう言うと、我慢しきれないフォンセを筆頭に焼いただけの肉を食べ始めた。