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第119話 切り札

「お別れは済みましたか?私は貴方を生きて返すつもりはありませんよ。」 

「そうか。けれど俺もお前を生きて返すつもりはないんだよ。数少ない俺の旧友を傷付けようとしたんだ。絶対に殺してやる。」

「貴方が?一撃で吹き飛ばされた貴方が?どこまで愚かなのか。」

「愚かか、、、」

もう許さん、リリスの涙はこいつのせいだ。確かに俺が弱かったのもあるが、そもそもの元凶はこいつだ。こいつが悪い。

「エンドルト、、無理だけはせんでくれ。妾は会わす顔が無いではないか。」

「消えないさ。」

俺の権能は現時点闇、光、感情。この中で戦闘に使えるのは闇と光。俺は2つの権能を体に巡らせ龍の力と混ぜ合わせる。

「準備は終わりましたか?」

「あぁ。神にはこちらも本気で挑まなければな、」

最後に混ぜ合わせた龍の力を一気に解放する。龍の力は俺の制御下を離れ体に浸透していく。そして体は龍神の姿へと変貌する。

「それが貴方の本気、ですか?」

「まだだな、」

翼は二倍近く、両手は龍神の縮小化。足も龍神の構造が適応され鱗に覆われる。そして金色の二本の角は小さくなり頭に生えていた。けれどまだだ。俺は感情で自分の感情を一定時間消した。最後にグラディオを殺すことを命じて。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もう良いですか?」

「はい。個体名グラディオを確認。我が意思に従い殲滅します。」

「エンドルト、どうしたのじゃ?」

「個体名リリスを確認。戦闘の余波によるダメージを防ぐ為、一時的に拘束します。お許しください。」

エンドルト、何かおかしい。けれど妾がそんなことを考えているうちに神力の結界に覆われてしまった。

「エ、エンドルト、な、なにをしておるのじゃ。」

「返答を返します。個体名リリスへの余波によるダメージ対策です。」

「そ、そう言うことではない。何を言っておるのじゃ!」

「個体名リリスへの説明行為が不可能と判断しました。これ以上の説明行為を停止します。」

「おいっ!」

「仲間割れですか。哀れですね。」

「個体名グラディオへの攻撃を開始。これより、戦闘体勢に入ります。」

機械的な発現が続く中、その言葉と共にエンドルトはグラディオの懐へと移動した。

「ぐっ!」

重く鋭い一撃が鳩尾へと捩じ込まれた。

「肉体損傷率0.1%未満。精神損害率約1%。魔力損傷率0%。と判断します。追撃します。」

追撃、、その意味が表す通り、左足による回し蹴りがグラディオの顔へと叩き込まれた。

「肉体損傷率1.2%。精神損害率6%。魔力損傷率0%。と判断します。魔力量の低下を確認出来ません。神力による攻撃を開始します。」

吹き飛んだグラディオは毒を展開するより先に両手を神力による槍で縫い止められていた。

「く、ま、待て。」

「個体名グラディオの言葉による抵抗を確認。無視します。」

グラディオの抵抗虚しく、エンドルトは闇弾を撃ち続ける。

「ぐ、、おのれ、調子に乗るな!」

グラディオの目が真っ赤に血走るが、そんなグラディオも闇弾に撃ち続けられ酷い有り様だ。

「肉体損傷率37%。精神損害率67%。魔力損傷率82%。規定値を達成しました。拘束及び神力による攻撃を停止します。」

「ぐ、、貴様、古神のくせに調子に乗るなよ。剣技・分身剣(アバターザソード)毒技・創造毒(クリエイトポイズン)

グラディオは分身させた浮遊剣に禍々しい毒気を纏わせると、それをエンドルトへとけしかける。しかし当の本人であるエンドルトはなんの行動も起こさない。

「エンドルト!」

妾が叫ぶが、その声はエンドルトに聞こえていないようだ。そしが刺さったと思った瞬間、、

「消えた?」

一切の神力及びエンドルトの気配が消えた。もしかして創造毒(クリエイトポイズン)で、、、

「対象の油断を確認。任務、遂行します。」

その瞬間、周囲に黒い塊が作られグラディオへと集まっていく。

「ぐ、な、なんだ!?」

「個体名グラディオからの質問です。返答の有無を検討。返答の必要は無です。」

「ぐ、古神が!」

グラディオは剣を飛ばすが、エンドルトの闇に呑み込まれ消え失せた。

「任務を開始します。」

「ぐ、ぐぁぁぁ」

黒い塊はグラディオの体をドンドン侵食していき呑み込んでしまった。

「任務完了。個体名グラディオの意識消失を確認。光による浄化及び自我の完全消滅の後、回収します。」

そしてエンドルトは妾を覆う結界に触れ、結界を壊す。

「個体名リリス。失礼しました。」

そう言うと、頭を下げてくる。

「それは良いのじゃが、どうしたのじゃ?」

「個体名リリスからの許しを得られました。そして同列に個体名グラディオの浄化が終了しました、、、、、、規定時間です。自我を解放します。」

その声と共にエンドルトは神力や龍の力とやらを解いた。

「ふう。終わったか?」

「エ、エンドルトー!」

「うわっ、どうした!?」

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