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第116話 片付け

「おーい、3人共いるか?」

俺が閉まっている扉を開けると、見事に3人共が酔い潰れて寝ていた。

「おい、、リア、リア!」

「ふぁぁぁ、、エドさーん、どうしたんですか?ボク達もう眠いですよ、、」

リアはそう呟くと、コテンッとソファーに身を預けてしまった。

「仕方ないな。リア、少し待っていてくれ」

俺はとりあえずエヴァを抱えると、二階の部屋へと運んでいった。エヴァは一番飲んでいたようで、運んでいる途中も一切起きることはなかった。

そして次にセフィー。セフィーも二階の部屋へと運んだのだが、、

「ねえエド、、私のこと好き?」

「ああ、大好きだ。」

酒の勢いもあり、いつもよりジョークが過ぎる。俺はそう返しながらベッドに寝かせると、

「セフィーは酒を飲んだらこうなるんだな、」

妙にテンションが上がり口も軽くなる。普通のセフィーの方がいいぞ。

そして最後にリアなのだが、これはもっとたちが悪かった。

「エドさーん、ボクがダメっていうのに、二人共全然聞いてくれないんですよー、、どう思いますかー、、」 

「二人共、酒が好きなのかな?」

「そうなんでよねー、、だからボクもついつい飲んじゃってー、」

「そうか、、まあ、少しくらいはいいだろう。リアにも急速は必要だもんな。」

「流石エドさんですー、そんなエドさんだかはボクは大好きなんですよー、一生ついていきますよー!」

「嬉しいことを言うな。」

「へへへ、、エドさん、いつもより優しくないですか?」

俺はリアをベットに寝かせると、毛布を被せた。

「ありがとうございますー、運んでもらっちゃって、」

「あぁ。これくらい御安いご用だ。」

「へへへ、大好きでーす!」

「俺もだ!」

俺はそう言うと、部屋を出る。その頃にはリアも寝ており、静かな寝息をたてていた。


「さあ、片付けなきゃな。」

俺が思いきって扉を開けると、エヴァと同じく白い翼を生やした人が食器類や空き瓶を片付けていた。

「エンシー!?」

「っ!」 

思わず皿を落としかけたのを掴むと、その人は急いで俺に頭を下げる。

「失礼しました。わたくし、主様の僕であり、エンダーヴァキリアのエンシーと申します。」

「あのエンシーか!?」

「は、はい、、そうですが、、」

「大きくなったなエンシー。そろそろ成人か?」

「は、はい。それよりも、貴方様は?」

「あ、そうか。お前は覚えてなくても無理ないな。」

「?」

「俺は昔、邪神と呼ばれていた。これで分かるか?」

「は、はい。エンドルト様ですね。」

「そうだ。一応、お前が子供の頃にも会っているんだがな。」

「そうなのですか、、、けれど、今はお客様になります。もう少しお待ちを、」

やはり礼儀正しいな。これも主の性格か、、、

「そんなこと言うなよ。俺はお前の主であるリリスの旧友だ。これくらいはさせてくれ、」

「そ、そんな。わたくしが怒られてしまいます。」

「大丈夫だ。リリスには俺から言ってやる。」

俺は机の上の酒瓶を持てるだけ掴むと、、

「困りますよ、、、」

「大丈夫だって、、それにしても、これは何処に持っていけばいい?」

「わたくしがもらいますから、御願いですからここにいてください。」

涙目で懇願されては仕方ない。俺は机の上の皿を一つに纏めると、ソファーへ座る。

「これで大丈夫か?」

「は、はい。御願いですから、ここにいて下さいね!」

「分かってる、分かってる。」

そう言いながら皿を片付け、酒瓶を一ヶ所へ纏める。そして机の上の汚れを濡れ拭きで綺麗にすると、もう一度乾いた布巾で拭き取る。

「分かってないじゃないですか!」

「はいはい、今度こそ止めるからそんなに怒らないでくれ。それに、そんなに大声だしたら、他のヴルキリア達が来るんじゃないか?」

「っ!!」

「冗談だ。それよりも、こっちに来てくれないか?」

「はい、、」

エンシーは緊張気味に俺の所へ来る。特になにをするわけではないが、こうしてみると、孫を見る祖父の気持ちだな。

「大きくなったな、、。お兄さん達はリリスの護衛か?」

「はい。お兄様方は基本的にはリリス様の護衛をする為、周囲を警備しています。恐らくですが、今もお部屋の周りにはお兄様方がついている筈です。」

「そうか。なら俺も仕事だ!」

「仕事、?」

「キッチンは何処か教えてくれないか?」

「だからそんなことはわたくしに任せてくださいって。御願いですから!」

エンシーはそう大声を出したあと、皿や酒瓶を持って出ていった。そして何やら忙しく動き始めた。

「働き者だな、、、」

俺はそう呟くと、数少ない酒の残っていた酒をグイッと飲みほした。


「ん、終わったのか?」

「はい。それでは、失礼します。」

「少しくらいいいじゃないのか?」

「わたくし、まだ成人しておりませぬ。」

「じゃあ仕方ないな。ほれっ、」

俺は光の結晶を作ると、エンシーへと投げ渡す。

「これは?」

「綺麗だろ。仕事とはいえ、1つの礼だ。」

「ありがとうございます♪」

やはりこんな物は好きなのかな。笑顔を浮かべると、ご機嫌な様子で部屋から出ていった。そしてそれと入れ替えに、、

「ふぁぁ。エンドルト。エンシーを口説くつもりじゃなかろうな?」

「そんなつもりはないのだがな、、、」

「本当かのう?」

リリスは早速酒を片手に、俺に飛び付いてきた。

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