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第106話 二人で調理

「さあ、、始めるか!」

「はい!」

「取り敢えず、人数が多いからパーティー料理でいいよな?」

「そうですね。正直、個々の料理よりパーティー料理の方が手間も省けますしね!」

「そうだな!」

まあ、そんなことを言っても俺達に作れる料理なんてたかが知れている。例えば俺のお得意でいくと肉類の丸焼き。こんなもの、焼けばすぐに完成する。

「じゃあ、ボクはチーズフォンデュでも作りますね。エドさんは何を作るんですか?」

「俺は、いつもみたいに肉の丸焼き一つかな。あとは少しデザートとな。」 

「デザート?」

「昔、一度だけ作ったことがあるんだが、、まあ、美味しいかは分からないけどな。」

「期待してますよ!」

「あまり、プレッシャーをかけないでくれよ、、、」

リアは珍しく意地悪な笑みを浮かべると、早速料理を始める。

「はぁ、、、じゃあ、作るか!」

デザートはすぐに作れるので、肉を調達しようと思う。すぐに見つかればいいが、見つからなければ時間がかなりかかるからな。

「俺は少しここをあけるぞ。」

「どうしたんですか?」

「肉を調達してくる。こんな時に限って生肉が余ってなかったんだよ、、、」

「分かりました。けど、、待たせちゃダメですから、出来るだけ早く戻って下さいね。」

「分かった。最速で終わらせる」

「はい!」


竜渓郷の近くに生息する魔物は数種類しかいない。しかし、その中で食べられるのは一つだけだ。

「お、発見!」

翼をはばたかせ探していると、地上でゆっくりとくつろぐ目的の獲物達が見える。

「よっと、、、ゆっくりとな、、」

静かに地面に足をつけると、ゆっくりと目的の獲物へと近付く。

「初めての御披露目だ。」

俺は作ったのにまだ使っていない武器、銃を結晶から解除する。

ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

狂ったような威力の銃弾は容易く獲物の肉を切り裂き完全に絶命させる。

「ふぅ、、、必要最低限は獲得だな。」

一緒に群れていた他の獣達は一匹死んだことから必死で俺から逃げていく。しかし逃がさん!

ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

俺の放った銃弾は獲物を追うように飛んでいき、その体に命中する。まあ、慣れていない俺の銃弾は急所には当たらず逃がす獲物もいたが、始めの一匹に加え三匹をも仕留められた。

「よしっ!三匹仕留めたな!」

獲物と言っていたが仕留めたのは兎のような魔物だ。だから足も早く心配だったのだが、銃があったおかげで簡単に仕留められた。

「てか、、少し多いかな?」

この兎の魔物は一匹が三メートル程で、六人で食べるには三匹という数は多い気がした。

「まあいいか、、」

取り敢えず魔物達の腹を裂き、臓物を取り出す。そしてその時に出た血や謎の体液は地面に埋めた。

「さあ、、帰るか!」

俺は臓物や血を抜き、一応調理できるようにした魔物達をアイテムボックスへ入れて屋敷へ戻った。


「リア、戻ったぞ」

「お帰りなさい!」

「あぁ。早速だがここ一帯を使わせてもらうぞ!」

「いいですよ。」

リアの返答を聞いた俺は早速魔物を取り出すと、キッチンへその巨体を下ろす。

「お、大きいですね、!」

「まあな。これだけの人数だ。大きい方がいいだろ?」

「そ、そうですけど、、、」

「まあ、、焼くのに時間はかかるだろうが、その間にデザートでも作るさ」

俺はそう言うと取り出した魔物の皮を剥ぎ、食べられる肉をミンチにする。当然、調理器具は闇裂・改で、ミンチもバラバラに切り裂くだけだ。

「エドさん、ミンチですか?」

「そうだ。まあ、量が多いからできる荒業だけどな」

もう一匹の魔物を取り出すと、その腹の中へ作ったミンチを全て詰め込む。ちなみにそのミンチの中には大量の塩コショウで濃いめの味付けをしている。

「さあ、、焼いていくか!」

焼く作業は難しいことはなかった。丁度いいことに、超大きなかまどはキッチンにあり、三メートルもの魔物が丸ごと入るかまどもある。

「さあ、、これで肉は完了!」

次はデザートである俺の取って置きだ。

「で、エドさん。デザートって何を作るんですか?」

「秘密だ!」

「んー!」

「リアは終わったのか?」

「はい!料理は粗方完成しました!」

「早いな!」

「そうですかー?」

「十分早い!」

俺もリアに負けてられないな。取り敢えず、ここの特産である芋を並べる。しかもこの芋は甘く、普通の塩焼きでは微妙だ。しかし、俺の知っているデザートなら、、、

「焼くんですか?」

「そうだ。この芋を焼いて全て、全てをグチャグチャに潰す!」

「潰す!?」

「まあ、見てろ。」

並べた芋に火が通ったので、それの皮を剥き潰していく。

「これが、、デザート?」

「まあ、見てろ。」

潰した芋を大きい器に移すと、その中へヤギ乳と大量の砂糖を混ぜていく。

「見たことないですね、、」

「まあな。知らなくても仕方ないさ、、」

俺はそれをしっかりと洗い消毒した手で一口サイズに丸め始める。

「手伝います!」

「ん、、休憩してればいいんだぞ?」

「いいえ。楽しそうですし、ボクもやってみたいです!」

「そうか。分かった。」

それから数十分、ひたすら二人で丸めて丸めてを繰り返した。

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