第102話 魔法戦の間
「エド、会ってきたよ!」
「戻ってきたか。セリーナさんはなんて言ってた?」
「何故早く起きてこないのって、、」
「だろうな。まあ、俺は気にしてないしセフィーも考えるなよ。話は聞いたからな」
「分かった。気にしないようにするよ。」
「その方がいい。逆に俺が入り込んでも良さそうだがな!」
「っ!」
「なんてな、冗談だ。」
「そ、そうだよね。はは、、」
「それよりも、あとでアーロンと手合わせしてやってくれないか?」
「いいよ。あの子って、強いの?」
「どうだろうな。冒険者でいうCランクくらいじゃないか?」
「そっか、、、とりあえずは実技だね!」
「そうだな。それが終わったら魔物と殺り合わせようと思う。そして一通り終わったら俺達はリリスとの決戦だ。」
「だね。その為にも、私達の修行にもつきあってよ!」
「分かってる。俺は睡眠を必要としないからな!」
「それなんだけど、、、、」
「どうした?」
「エドってさ、、確かに神様で意識は睡眠を必要としないけど、体の方は一応生物だよ。その証拠に最近はエドの能力って落ちてない?」
「そうなのか?俺自身じゃ気付いていないな。セフィー、助言ありがとな!」
「ありがとうだなんて、、私はエドが心配なだけだよ。仲間を心配するのは当然だからね!」
「ありがとな、、、こう言うと変だが、絶対に無理だけはしないでくれよ。俺は元気でいつものセフィーが好きだからな!」
「っ!う、うん、、、」
俺は改めて伝えると、リアとアーロンの戦闘に目を戻した。
「冷たっ!」
「熱っ!」
「余波が俺達までくるとは、、、壮絶だな、、」
途中から余波で風景を破壊しかねないので、俺が長方形の周辺を闇で囲み魔法の余波を閉じ込めた。しかし元々長方形の中にいる俺達は魔法の余波を諸に受けることになる。
「おっと、、」
「ありがと、」
「流石に危ないな。俺達も出るか?」
「そうだね。ちょっぴり怖いや、、、」
リアの氷鋭片やアーロンの獄炎の余波は強力な威力をもっており、当たればダメージを喰らうだろう。
「出てくれば安全だよな、、」
闇の隔ての外へ出れば余波は届かない。しかし外へ出てしまうと中のことはよく見えない。何故なら中では魔力が渦巻き視界を遮るからだ。
「ふう、、、、なんだか安心するね」
「そうだな。氷が飛んでくることもないしな」
「確かに!」
俺は魔法については時々見るとして、魔法はほぼリアに一任しようと決めた。
「御待たせしましたエドさん。セフィーもどうぞ。」
「ありがとうございますセリーナさん!」
「ありがとね、お母さん!」
「いいえ、いいえ。お茶菓子はここに置いておきますね」
「はい。ありがとうございます!」
二人で立ち話も疲れてきたなと話していたら、まるで図ったかのように出てきてセリーナかんが出てきて、、、「ここでお茶でもどうですか?」と言われたので、俺達は是非と答えこんな状況になっている。
「エドさんも、セフィーもごゆっくり。」
いつの間にか白いオシャレなテーブルや椅子も用意してくれている。
「セリーナさんって仕事が早い、、と言うのかな?」
「そうだよね。お母さんっていつの間にか準備とかしてくれるし、、してもらってる私達が気付かない間になんてよくあるんだよね。」
「そうなのか、、、取り敢えずこれは感謝どな。椅子もテーブルも用意してくれているし、紅茶だって茶菓子だって準備してくれたしな。」
「そうだね、、、、、」
「どうした?」
「エドって、、、やっぱりお母さんみたいな人がいい?」
「んー、、、、それは、セフィーが変わろうと思うのか?」
「う、、うん、、」
「俺の好みは特にない。一言で言うなら、ちゃんと気持ちを間接的でも伝えてくれる人がいいな。」
「そ、そうなんだ、、、」
「正直な所を言うと、俺は合わせようとして自分を変えるなんてことだけはしてほしくない。セフィーにはセフィーのいい所がある。それを自分から潰そうとするなんて勿体無いだろ?」
「そう、、なのかな?」
「そうだ。例えばリアならそんなことを聞く前に相談なんてしない。それは俺に気を使わせないっていうリアの配慮からだが、セフィーも俺の気持ちを考えてくれたんだろ?それはそれでセフィーのいい所だ。」
「ちょっと、、恥ずかしくなってきちゃったな、、、」
「そうだな、、紅茶も冷めては勿体無いしな、」
それからはそこまで会話も無かったが、二人の顔に曇りはなかった。
「ふう、、、、疲れましたね、」
「リアさん!ありがとうございました!」
「いいえ、、ボクも久し振りに魔力を限界近くまで使いました。こちらこそありがとうございますね」
「はい!」
二人は当然のように闇の隔てをくぐり出てきた。
「二人共どうだ?アーロンは感覚をつかめたか?」
「はい!丁寧に教えてくださり、アドバイスも下さいました!」
「リア、いい先生してるじゃないか。」
「そ、そんなことないですよぉ、、」
「二人共魔力を消費しただろう。これを飲んで少し休憩してろ」
「はい。ありがとうございます」
「ありがとうございます!」
俺は二人に俺特製の魔力ポーションを渡すと休むように伝えた。