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第100話 二人目

「まず、一つ質問だがアーロンは自分の親について知ってることはあるか?」

「ありません。僕が覚えてるのは、一人でダンジョン内をさ迷っていて、偶然ここにたどり着いたことだけです。」

「そうか、、、とりあえず確認の為にも実力を上げなければな、」

俺はもう一度周辺を確認し、リアとアーロンしかいないことを確認する。

「リア、、もしもの時は、頼むぞ」

「?、はい。」

リアは分からないながらも返事をすると、枠から外へ出る。

「エドさん、、何をするんですか?」

「苦しければ、絶対に言えよ」

「は、はい、、、」

俺は危険ながらもこれが分からなければ始まらないと、アーロンの頭に手を置き封じていた権能、感情を使う。

「情技・我歴ノ詮索」

これは脳に、いや、魂に刻まれた人物の情報をすみずみまで探る。しかしそれは脳に多大なダメージを与える可能性があり、本来はするべきではなかった。

「、、、」

「大丈夫か?」

「は、はい、、、」

やはり少し気分が悪いのか顔色は悪い。しかしもう大丈夫だ。読み取ることは出来た。

「終わったぞ。本当に大丈夫か?」

「はい。」

「そうか、、、無理はするなよ」

俺は苦しそうなアーロンをひとまず休ませることにして、改めてあたりを見回す。今回の修行は本腰をいれていこうと思っているからな。

「エドさん、、さっきアーロン君にしたのって?」

予想はついていながらも、険しい顔で質問を投げ掛けてくる。

「感情だ。」

「なんてことを!?あれは危険ってあれ程言ってたじゃないですか!」

「そうだ、、、けどな、あのままアーロンに何もしない方が危険だ。」

俺はリアにそのことについて説明すると、目を見開き驚愕の表情を浮かべた。

「そ、それは本当ですか!それって、ボクの、、」

「そうだ。だからほってはおけない。せめて俺の目の届く所でなければ。それに、このままでは体が耐えられない」

「そうですね。ボクにできることなら、なんでもしますよ」

「ありがとう。龍というのは、神々が作り出した中で一番悲惨な生物だ。責任はとる」

「エドさんって、やっぱり良い人ですね♪」

「そうか、、?」

俺はやはり似てるなと思いながら聞いていると、後ろからゆっくりとこちらへ向かってくる気配を感じた。

「セフィー、、起きてきたのなら先に親に会うべきだろ?」

「流石に気付かれた、、、」

「当たり前だ。それに今日は新たな客人だ。セフィーも一応この家の一員だろ?」

「そうだけど、、、、て、言うよりその客人はどこ?」 

「あそこだ。」

俺が指をさした方向には、顔色も戻り始めたアーロンが落ち着く為、目をつぶっていた。

「あれが?子供じゃない。」

「そうだ。俺が連れてきた、、、トラストにでも紹介してやろうかと思ってな」

「そうなんだ。けど、、、いや、言わなくても分かるよね。あの子の親はいるの?」

「いないらしいな。どうやら片方は死に片方の行方は分からないらしい。」

「そうなんだ、、、、、て、エドはそれを聞いたの!?」

「そうだ、セフィーさん聞いてくださいよ!エドさんったら、感情を使ったらしいんですよ!」

「えっ!エド、本当なの!?」

「本当だ。」

「なんで、、あんなに使わないでおこうって、危ないって、言ってたのに!」

「実は、アーロンの異常な身体能力が気になって出生や親を調べてみた。すると、やはり図星だったようだ。」

「そ、それって本当なんですか?」

「そうだ。この権能に間違いはない。」

「そうなんだ、、、、じゃあ、あの子も連れていくの?」

「いや、、、正直連れていけるような能力は俺には残っていない。くどいようだが、今までの敵は肩慣らしに過ぎないレベルだ。二人は自分の身を守れるとしても、アーロンのような守れない者を連れていける余裕は俺に残っていない。残念だがな、、」

「それって、、私達が自分の身を守るだけじゃなくて誰かを守れるくらいになれば良いんだよね?」

「そうだが、、どちらにしろ俺達がここを出るまでの時間では無理だ。だから今は、出来るだけアーロンを鍛えてやって自分の体を破滅させないようにしなければな」

「そうだね。私達も協力するよ」

「ありがとな。とりあえず、アーロンにはこれをプレゼントしておくか」

俺はアイテムポーチからチェーンを取り出すと、その半ばへ自分の鱗を通す。次に闇の呪いいを掛け龍の力を下げるようにすると、形を整え結晶で包む。

「エドさん、こうやって作ってたんですね」 

「まあな。けれど、これは完全に封印だ。リアのは魔法陣で解除できるがこれは出来ない。つけている間は完全封印だな」

俺はだいぶと落ち着いたアーロンに近付き、、

「アーロン、、気分はどうだ?」

「だいぶと落ち着いてきました。けれど、何故か胸の所で何かが吹き上がるというか暴れてるというか、少し苦しいんです」

「そうか、、、、これをつけてみてくれ」

俺は今作ったネックレスを渡す。アーロンは一瞬不思議そうな顔をしたがネックレスをつけた。

「エドさん凄いです。苦しいのが一瞬で消えました!」

「そうか。良かった。これからは出来だけ外さないようにしろよ」

「はい!」

ひとまずはこれで抑えられたな。

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