第1話 次の行き先
前作からの期間が長く、すいません。
「出てきたのいいが、どうすればいいか、」
俺は城壁から出た森の中、思案にくれていた。リアには、薪を集めてきてもらうように頼んでいた。この世界に初めて降りた時、たまたまこの近くだった。なので、世界の形も知らないし、国や町の位置さえ全く知らない。
「エドさーん、、これくらいでいいですか。」
後ろから声が聞こえると、両手一杯に薪を抱えたリアがドサっと薪を下ろした。
「十分だよ。それより、この近くに町は無いか?」
「そうですねぇ、、そうだ。ここを東に行くとリベオスって言う町がありますよ。色んな人がいて、亜人の方々もいるそうです!」
「亜人、?」
「そういえばエドさんは、知らないんですね。亜人というのは、人のような見た目の特殊な人、、んー、、なんて言えばいいんでしょう。」
「種族の名前とかって分かるか?」
「あ、はい。えーと、たしかエルフとか、ドワーフとかがあったと思います」
「エルフ、ドワーフ、か」
毎度恒例「真実の根源」を使い、エルフやドワーフについて調べる。
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エルフ(人との容姿の違いは省く)
森の守護者と言われ、長年世界樹を信仰し守っている。昔は他種族との接触を嫌がり、他種族との交流は非常に少なかったが、最近は人の町などに姿を見せる個体もおり、交流も盛んである。
また、風の魔法に特化している個体が多く、弓の扱いが上手い。また美形が多い。
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ドワーフ(人との容姿の違いは省く)
個体のほとんどが鍛冶の技術を身に付けており、酒好き。
鍛冶の技術向上のため、生まれつき炎と土の魔法を扱える。また、物理的に力も強く戦闘員としての活躍もある。そして、基本的に背が低い。
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「とにかく人ではないな、」
「そうですね。エルフとかは耳が尖ってたりしますし、ドワーフの方々はお酒が大好きだって聞きます。」
「そうか、、俺のいない間に、他の神はずいぶん好き勝手してくれたようだな。」
「エドさんのいた時の人ってどんな方々だったんですか?」
「そうだなあ、まずはここまで発展してなかった。それに、数も少なかった。まだまだ発展途中の種族だったんだよ。当然、亜人なんて種族は存在しなかったしな」
「そうだったんですか。じゃあ、発展した人の町は初めてだったんですか?」
「そうだな、それに、こうやって人と話すのも初めてだった。」
「そうだったんですか。そう言えば、何の話でしたっけ?」
「全く違う会話になってたな。話の内容は次の目的地だ。じゃあ、そのリベオスっと所に行くか!」
「そうですね。そこなら迷宮もありますし」
「そうなのか!と言うことは、やはり大きな町なのか?」
「そうです。こないだいた町の二倍はありますよ。」
「そんなにか、凄いな。今から楽しみだな。」
「そうですね。次の町は、どんな所か、はやく見てみたいです」
「そうだな、俺のいなかったこの歳月でどれだけ発展したかもきになるしな。」
「はい、きっとビックリしますよ。」
笑顔を浮かべるリアに、俺は突然真顔で質問を投げ掛けた。
「リア、それより、亜人について質問していいか?」
真面目な話と分かったのか、リアも真剣な顔つきになる。
「亜人ですか?」
「そうだ。実は亜人の種類が気になるんだ。」
「亜人の種類?」
「そう、亜人は人にない特徴があるだろ。なら、次の町で一番危険なのはその亜人だと思うんだ。」
「確かに、、、けど、そんな悪い人は少ないと思いますよ。」
「そうか、、、そうだな、一応町に馴染んでるらしいし、、気にしないでおくよ。」
「それがいいです。」
微笑むリアの顔を見ると、固く考えていた自分がバカみたいだ。俺は一度、亜人のことはほっておいて、今日の夕食の準備に取り掛かった。