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黒き弾丸と白き学園の守り巫女  作者: 藤原ミヤビ
第1篇 私立桜林学園の新入生
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第4話 生徒会お披露目、ジャッジメントこと風紀委員会

「何やってんですか。理事長。」


 購買のおばちゃんに紛していたのは何を隠そう、この学園の理事長だった。


「これ、私の趣味なの。」

「「「「「「はぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」」


 6人のユニゾンが校内に響く。これが趣味ってそりゃないでしょ。理事長が言うにはおばちゃんに紛することで、学校内の情報を収集し生徒達と交流できる、それが狙いだった。ちなみに、このことは他の生徒や先生には秘密らしい。僕たちメンバーは焼きそばパンをもらい、足早に去った。学校のトップが購買のおばちゃんを趣味でやっているということに驚いたからだ。まあそうなるよね。あと絶対バレてるよ、言わないだけで。





「雅と美咲はなるべく生徒会の紹介まで、生徒会だという事をばれないようにしてくれ。」


 昼食(焼きそばパン)が済んだあとの生徒会室で会長はこう言った。


「生徒会メンバーは紹介の時、舞台に上がるんですよね?」

「ああ。そこで私がしゃべる。」

「どうやって私達は舞台袖に移動するんですか?」

「う~ん。トイレに行くとか言って外からこっちに来い。」

「結構ばれそうですけど。」


 と雅が心配そうに口を開く。


「そこは二人の演技力だ。」

「「えぇ~。」」


 不安になりながらも、僕と美咲は新入生を迎える会に参加。打ち合わせどうりにトイレに行くと言い、舞台袖へと向かった。


「お二人さん、こっちこっち。」


 高海先輩が声を潜めながら僕らを舞台袖に誘導してくれた。

 会が始まり舞台袖に来てから約1時間。僕らはずっとここで新入生を迎える会のいろいろな話を聞いて、ついに生徒会メンバーのお披露目となった。正直座っていたところがパイプ椅子でよかった。でも立ち上がるのに足が硬直して立ち上がりにくかった。


「生徒会長のお話と生徒会役員の紹介。生徒会長お願いします。」

「行くぞ、みんなついて来い。」


 会長を先頭にメンバーが壇上に上がった。その時、新入生が居るところが騒がしくなった。僕や美咲はこうなることを予想していた。なぜなら一年生、新入生がメンバーにいるのは不思議だったからだ。この事実は生徒会メンバー、理事長、他の教師のみしか知らない。ざわざわとする館内。そのざわざわとした空気は収まる事を知らず、先生達が全校生徒を静かにさせていた。館内のざわつきがおさまりを見せた時、明日香は話し出した。



「ハァー。つっかれた~。」

「お疲れ様でございました。マスター。」


 学校が終わって寮へと帰った雅はソファーへとダイブした。

 そして何とか夕食、風呂、明日の支度を残りの体力とほんの少しの気力で終わらせた僕は即行眠りについた。

 そして布団を蹴り飛ばして寝ていた僕を見た玲は布団を直し、僕の頬にキスをしたらしいが僕はこの事を一切知らない。知るのは玲ただ一人。




 翌日、僕と美咲以外の全員は所属する委員会を選択した。それぞれの委員会の仕事は昨日の会の中で言っていたのであとは決めるだけだった。このクラスでは委員会を巡り、じゃんけん大会が繰り広げられていた。うちの担任が言い出したのだ。先生は、男なら欲しいもんは実力とか力で掴めという。何ともまあ、元ヤン的な考え方だなと思いつつ、僕と美咲はその勝負を見ながら、話していた。


 昼休み。仕事を覚えながら、和気あいあいとやっていると扉を叩く音がする。


「失礼します。風紀委員会委員長、渡辺朱里(わたなべあかり)です。」


 ボブカットの茶髪で長身の女子生徒が入ってきた。ねえっ、ここって男子少ないの?


「おお~。あっちゃん2号。」

「あっちゃん2号って何だ。あっちゃん1号。」

「会長、気に入ってるんですか?その呼び方。」


 と、僕が突っ込むと明日香先輩は顔を赤くした。あっちゃん1号が会長で2号が委員長のようだ。


「うっ。そ、そんな事よりこんな所にどうした。」


 取り繕ったな、今。


「君が藤堂雅だな。」

「ええ。そうですが。」

「放課後、少し訓練棟に来てくれるかな。生徒会の皆も一緒に。」

「私も、行くの?」


 と、神楽が問いかける。


「当然だろ、生徒会役員だし。」


 と朱里先輩がズバッと言う。


「うぅぅ。」

「ではそういうことで。また後で迎えに行くから。」


渡辺先輩は約束を取りつけて生徒会室から去っていった。


 放課後、唸る神楽先輩を連れて、訓練棟に入る。訓練棟は色々な物を使い、訓練していて生徒会メンバーもゾーンの訓練で使用するがここ最近襲来もしていないのでほぼ使っていないとのこと。いつもは部活で使われているらしい。


 やってきたのは、訓練棟の道場。竹刀や木刀、柔道の道着やなんと弓まであった。


「朱里さん、って会長!?それに生徒会役員まで!?」


 周囲がとてつもなくざわついている。中には鋭い視線を向けてくる男子生徒や、僕を見てヒソヒソと何かを話す女子生徒も。うわっ。僕達警戒されてる?


「雅君、私と手合わせ願えないか?」


 またまたざわつく。何言ってんのこの人!?その時、一人の生徒が口を挟む。


「待ってください。朱里さんが手合わせする必要はありません。私で十分でしょう。」

「えっ!?あっあの…。」


 イマイチ状況が飲み込めないんですけど。二人は言い争いをはじめた。


「無理だ。お前では怪我をするだけだぞ。」

「こんな素人相手に私は負けない。伊達に副委員長はやってないです。」


 素人だと?その子には余裕の表情があった。周囲には嘲笑うかのような目が並んでいる。


「悪い。こんな事になるとは、雅君受けなくても…」


 朱里が彼女の圧力に負け、僕にこう言ったが僕に受けないという選択はしなかった。


「良いでしょう。その手合わせ、受けて立ちます。」

「ええっ!?」

ここまでお読みくださり誠にありがとうございます。雅はこの勝負に勝つことができるのでしょうか。

次回お楽しみに。

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