表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き弾丸と白き学園の守り巫女  作者: 藤原ミヤビ
第3篇 ゼロから始まる学園祭
49/84

第47話 桜林祭前日、副会長多忙につき・・・(前編)

 日は流れてついに桜林祭前日となった。今日は4時限目までで授業が終わり、午後は桜林祭の準備に回される。


 僕のクラスもあとはテーブルを配置して料理を運ぶプレート、料理を作るホットプレートを準備すれば営業は可能だ。あとはキッチン担当の子が料理を練習すれば安心だ。接客担当の子達は今、僕とともに玲に最後のレッスンをしてもらっているところだ。僕もちゃんと女装している。(声はあえて変えていないが。)


「礼儀作法に関してはもう大丈夫でしょう。あとは常に誠意を持って接客に臨んで下さい。笑顔を忘れてはダメですよ?メイドは常に笑顔でいるものですから。」


 そう締めくくった玲に盛大な拍手が送られる。拍手をするのはこの数日間接客担当としてメイドのあれこれ――主に礼儀だが――を教えてもらったクラスメートやそれを近くで聞いていたキッチン担当の子達だ。玲のレッスンはなかなか評判良かったからな。流石はプロだ。


「ありがとう玲。ここ数日ずっと学校に来てくれてるだろう?少し休んでもいいんだぞ?」

「いえ。本番も接客担当として出ることにしていますし、クラスの守護も兼ねてますので」


 玲は僕が風紀委員でクラスにいない間、接客を任せてもらえることになったのだ。ついでに守護もだ。守護といってもチンピラがこの教室を荒らした場合実力行使で制圧することにしているのだ。それは風紀委員会の仕事なんだが玲も十分強いので制圧して僕に連絡すればこっちに引き渡す算段は整えておく。そんなことないといいんだが。


「マスター、一つお願いがあるんですけど・・・。」


 玲がお願いなんて珍しいな、と思っていると玲は頬をどんどんと真っ赤にしていく。


「マスターの着ているそのメイド服・・・私も着てもいいでしょうか?」

「・・・お願いだから少し身構えたが。いいよ。僕の着用済みので良ければ。」


 即答してやった。玲が夜な夜な僕のメイド服を羨ましげに見ている事を知っているから。その姿は一人の女の子だった。メイド服は女の子の憧れ。一度はこんな可愛いメイド服着てみたいだろう。今着てる地味な仕事着(メイド服)じゃなくて。玲は子供のように喜んでいた。

 だがこの喜び様がまったく異なる意味で喜んでいることなど僕は知るよしもない。



「明日はよろしく頼むぞ。黒き弾丸、いや、藤堂雅君。」

「はい。あまり目立たないように気をつけますよ。あと黒き弾丸は止めてください。」


 僕は風紀委員会本部で特殊警棒とスタンガンの点検をしながら委員長と話していた。風紀委員会は4月の一件以降何事もなく平穏な日々を過ごしている。生徒に完璧な恐怖を植え付けたため風紀を乱そうとする生徒がいなくなったからだ。学園としては願ってもない事なのだが取り締まる側としては退屈以外の何者でもない。だがこの時だけは嫌でも出動しないといけない。毎年チンピラがどこかのクラスを荒らすからだ。何年か前、一度だけ保護者のみの公開になったとき、保護者が全く来ず淋しい学園祭になってしまったらしい。


「スタンガン、特殊警棒の調整終わりました。」

「ああ、悪い。私はこういうの弱くてな。お前がいて助かったよ。」


 こういうのに強い女の子は正直いてほしくない。僕は苦笑いしながらそう思った。


「オーライ、オーライ。もうちょっと左。」


 指示を受けて垂れ幕が左へとずれる。やがて垂れ幕の動きが停まると僕らは少しの期待と高揚感に胸を踊らせた。


「ついに始まるのだな。この祭が。」

「年に一度の大祭。明日は忙しくなりそうですね。」

「そうやな。雅君の女装も見れることだし。」

「有沙それだけは見逃さないって言ってたよ。私はダンス部の発表も気になるけど。」

「それよりもまだ仕事残ってるわよ。バンドもあることだし。」

「ん。DJ頑張る。あと雅の女装、楽しみ。」


 メンバーに思うところがあるのだろう。僕だってそうだ。女装は嫌だけど。


「ついに開催だ。」

「「「「「「桜林祭!!!」」」」」」



 といっても始まるまで残り16時間。そこまでにやるべき事は多くある。今夜は学校に泊まることになっているのもこのためだ。帰ることもできるが身軽な人と見なされて買い物やステージのセッティングに駆り出されて帰れなくなるのがオチだ。


 生徒会としてやることは軽音部とスタフェスのための合同練習、一応それだけだ。ステージの準備は実行委員の仕事のため生徒会は一切口出ししないという暗黙の了解がある。


 スタフェス予選大会も恙無く終わり、決勝まで進んだバンドは明日、全校生徒の目の前でその腕前を披露する。シードとして生徒会バンドGalaxy Stars、軽音部のPapiyon Sistersの2バンドだ。(生徒会はシードになっている以上見に来る人々は生徒会バンドは上手いという風に思っているから今まで熱心に練習を重ねてきた。)


 本番を明日に控え、最後の追い込みとして練習したいがステージ準備に男手は必要で…


「生徒の呼び出しだ。藤堂雅、藤堂雅、至急体育館へ向かえ。繰り返す――」


 校内放送から聞こえる那月先生の声に僕はため息をつきながら体育館へと向かった。



 所変わって生徒会室。まだ昼間で日も暮れないというのに明日香は他メンバーと布団を敷いていた。汚れないようにマットレスを一番下に置き、その上に布団を敷く。まるでお泊り会だ。枕は寮から自分の物を持ってきている。


「明日香は雅君のこと、どう思ってんの?」

「・・・・・・はぁ!?」


 有沙の爆弾発言で生徒会室はピンク色の恋愛話大会に発展した。


「私、雅のこと、好き。明日香には渡さない。」

「な、何だと!?」


 神楽はボソッと雅への好意を述べる。瞬間、生徒会室に電撃が走った。


「これはちょっと修羅場になりそうやな・・・!」


 有沙は面白そうと思いながらも不安を隠しきれなかった。

 なお、生徒会室でこんな出来事があった事を雅が知るのは桜林祭終わった直後だった。続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ