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黒き弾丸と白き学園の守り巫女  作者: 藤原ミヤビ
第2篇 紅黒の高校生と革命の女王(レボリューションクイーン)
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第31話 誘拐された女王姉妹、黒き弾丸出陣!

 二日目の朝、最悪な展開が僕らを待ち受けた。それは女王姉妹の誘拐―――。迂闊だった。まさか誘拐されるなんて、そんな言い訳は後だ。問題は誰がその誘拐を実行したのかだ。


 二人の部屋の前には気絶したSPの姿があった。僕は少し無理やりだが彼らを起こす。


「おい、何があった?」

「うう・・・。窓が開く音がして、お二人の悲鳴が聞こえたから慌てて部屋に入ったら二人を抱える黒い物体が見えた瞬間誰かに首元を叩かれて意識を失った・・・。」

「意識を失う直前に見たものは?」

「黒い物体が黒い線に捕まって降りてった所だ・・・。」

「犯人の顔は見えたか?」

「す、すまない。フードを被っていて顔が見えなかったが黒いローブのような服を着ていた。だが、あの身のこなしは騎士にしかできない・・・!」


 そう言ったSPはまた、気絶してしまった。騎士?騎士団が紛れ込んだのか?まあいいや。誰がいようと()が殺す。


「マスター。一人称が変わっていますよ。」

「え?ああ、すまない。」


 するとポケットに入っているスマホが振動する。袴田中佐からだ。

 僕は部屋から出て、電話に応答する。


「雅、見立て通り誘拐してきたな。」

「ですね。どうしましょう。二人の前で殺害なんてできませんよ。」

「大隊でも使えばよかろう?お前隊長だし。」


 中佐は軽くそう言う。大隊とは僕が率いる独立武装大隊の事だ。しかし場所が分からないとなると、大隊を向かわせられない。しかしないよりは良いか。


「分かりました。彼らに招集をかけます。相手は手慣れです。装備の点検を徹底してください。はい。失礼します。」


 大隊の出動は取り付けた。後は二人の場所が分かればいいんだが。


「ご安心下さい。実はクリムさんにお願いしてセルディ達の衣服に発信機をつけさせて頂きました。」

「そういう事は早めに言ってほしかった。場所の情報を送信してくれ。」


 玲から送信される情報にはいつも助けられるな。普通なら犯罪だが。表示された場所は今いる旅館から約30km離れた廃工場だった。一刻を争う事態だ。行こう。と覚悟を決めた時だった。


「雅、お前まさか一人で行くつもりか?」


 会長なりの心配だったのだろう。何もかもを見通すかのような鋭い目つきの中に不安が見える。


「いえ、玲と一緒ですよ。…まさか自分も連れていけとでも言うんですか?」

「ああ、そうだ。」


 明日香先輩の意思が固い事は顔を見ればすぐにわかった。


「現場は危険ですよ。」


 明日香先輩は刀を突きだし僕の喉元に切っ先を向けた。…ほとんど脅しだ。


「分かりましたよ。その代わり二人の保護に徹して下さい。それ以外は刀を抜かない。いいですね?」

「なぜだか知らんが分かった。この命に替えても二人を取り戻す。」


 命を懸ける前に言ってほしいんだが。


「マスター。堂島中尉より通達で準備完了、いつでも出撃できるとの事です。」


 堂島隆治(どうじまりゅうじ)。大隊の参謀であり、僕がいないときは実質大隊を指揮する。隊長である自分よりも彼が招集したほうが手っ取り早い。


「今、繋がってるか?」


 玲が頷き、僕は玲のスマホを借りる。


「堂島?いつでも行けるな?」

「いつでも行けます大隊長殿!」


 彼は仲間思いな熱血漢であり、信頼できる部下だが少々暑苦しい。だがその暑苦しさが大隊の士気を高め、支えていると言えよう。


「全員整列していると思うから僕から任務内容を説明する。スピーカー設定にしてくれ。」

「分かりました。」


 自衛隊駐屯所のスクリーンに僕の姿が、玲のスマホに整列した隊員の姿が映った事を確認した堂島が声を出す。


「総員傾注!大隊長より訓示!」

「あー、諸君、急な招集に応じてくれたことにまずは感謝の意を示す。諸君らを呼んだのは他でもない。アルカディア王国の女王姉妹が何者かに誘拐、拘束された。我らの任務は女王姉妹を保護し、犯人を抹殺することだ。言いたい事分かるな?では諸君楽しい楽しい任務の時間だ。下劣で非道な誘拐犯を地獄の底へとたたき付けてやれ!」

「「「Yes sir!」」」


 こんなことを言ってる自分が地獄の底にたたき付けられそうだ。


「では現場で会おう。」


 と言って僕は電話を切った。こう言ってしまったからにはこちらも犯人を地獄の底へとたたき付ける為にいろいろ準備しないとな。


「玲、カービンライフルとサブマシンガン、第2兵装で行け。」

「了解しました。しばらくお待ち下さい。」


 数分後玲の元に大隊本部から第2兵装のライフルと防弾チョッキ等が届いた。僕は第1兵装、いつものハンドガン二丁とリボルバーで現場に向かう事にした。SPのジョンさん他10人の準備も完了したみたいだ。


「雅さん。車が到着しました。お願いします。」

「マスター、大隊の出動準備も完了しました。」

「私はいつでも行けるぞ?」


 全ての準備の完了の報告を聞いた僕は深呼吸をした後、深く息を吸い込む。


「独立武装大隊総員、緊急出動!さあ行こう!」


 この戦闘が紅の暗殺者ゼロから名を変えた、黒き弾丸藤堂雅とその対となる白き守り巫女、九条明日香の二人のゾーンの一件後初の戦闘となった事は言うまでもない。

 そして二人は学園内では知らぬ者がいないほどの人気になってしまうのだった。

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