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黒き弾丸と白き学園の守り巫女  作者: 藤原ミヤビ
第1篇 私立桜林学園の新入生
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第0話 プロローグ

 キィィィン!キィィィン!

 金属同士がぶつかる。ある者は刀を持ち、ある者はナイフを持ち、

 またある者は棍棒(こんぼう)を持ち戦っている。日は昇り始めたばかりなので敵が見えにくい。


「くっ!なんて数だ。このままでは、こちらが持たない!あいつはまだか!」


 刀を持ち敵と刃を合わせる生徒会長九条明日香(くじょうあすか)は苛立ちを隠せなかった。敵と交戦を開始してから30分は立った。仲間達は全員疲弊している。それもそのはず、最近は敵の襲来が多いのだ。さらに敵も強くなっている。この危機的な状況を打開するには、ある人間が戦闘に参加するしかない。だが遅刻しているのかこの戦場はおろかこの学園にも到着していないだろう。

 他の事に気を取られていたために守りの手がおろそかだった事に気づいた時、手に持っていた刀は弾き飛ばされて無防備の状態だった。これでは敵に斬られる。


「会長!!」

「しまっ…!」


 恐怖で目をつぶる明日香。

 バァァァン!!!

 響き渡る銃声。目を開け自分を斬ろうとした敵を見ると胸から血のような液体が流れ出ている。撃たれた敵はバタッと仰向けに倒れた。明日香は少し涙目になりながら振り返り、銃声を放った「あいつ」に叫んだ。


「遅いぞ!馬鹿!」


「あいつ」―藤堂雅(とうどうみやび)が銃を構えてそこにいた。先程の敵を射殺したのだ。

 普通の学生ズボンの両側にベルトと一体化したヒップホルスター。中に一丁、ブレザーのジャケットの内側カッターシャツのショルダーホルスターに一丁合計三丁の銃が持っている。


「すいません。寝坊してしまいまして。」


 と言いながら彼はホルスターに銃をしまう。


「危うく死ぬところだったんだぞ!」

「あら、あれは会長が油断したからじゃないですか。」

「仕方ないだろ!ん?ちょっと待て。お前いつからいた。」

「えっ?会長があいつはまだかって言ったときにここに着きましたよ。」

「何で着いた時にすぐ来なかった、援護に!」


 と頬をつねられる。


「しゅいらへん!いらいからやめて!」


 その姿を周りは微笑みながら見ている。誰か見てないで助けてくれと彼は思っただろう。

 とその時敵の「ゾーン」が数体瓦礫から出てきた。


「クソッ。まだ敵がいたか。これで終わりと思ったのに。」


 とそこに、今度はブレザーの中からリボルバー銃を引き抜き雅がやってきた。


「だったらさっさと終わらせましょう。」

「おい雅、リボルバーでやるのか?」

「一撃で仕留めるにはこれが一番良いですよ?」

「はぁ~。雅、そんな装備で大丈夫か?」

「まさかもうあれをパクるとは。大丈夫だ。問題ない。」

「うるさい。誰のせいだ。」

「さあ。誰のせいですかね?」


 敵の攻撃が二人に向けて飛ばされた。二人は素早く攻撃をかわし、背中合わせになった。

 この程度の攻撃を避ける事は二人にとって造作もない事だった。


「行くぞ。」

「了解。」

「黒と白の乱舞だ。帰る準備しとくか。」


 と話す二人に雅達が話しかける。


「おーい。俺のもすぐ帰れるようにしといてくれ。」


「私のも頼む。」

「りょ、了解であります!」

「我が刀よ。我が太刀よ、闇を切り裂き光を照らせ。」

「汝の運命はこの黒き弾が決める。」

「いざ!」

「参る!」


 二人は飛び出した。

 明日香は腰にさしていた太刀と小太刀を抜き、

 雅はリボルバーの弾をリロードし再び敵に構えた。敵はどんどんと葬り去られていた。


「雅、伏せろ!」


 伏せた直後、彼の頭上を太刀が通る。敵は胸を斬られながら吹っ飛んでいった。

 雅はリボルバーをしまい、ハンドガン二丁を抜いた。


「危ないですよ会長!」


 雅の誇る技、銃撃乱舞は自分自身が回りながら銃を連射するという離れ業、それも百発百中。ここにいた全員は戦闘中にも関わらずその技に見とれていた。

 こうして、全ての敵を片付けた二人は拳を合わせた。


「お疲れ。さらに凄さが増してきたな。」

「まあそりゃ何回も戦闘になるんです。こういうのは慣れてしまったので。」

「まあそれもそうだな。そして二人の息も仲もよ、良くなってきたしな…。」

「会長、ここで顔を赤くされるとこっちが困るんです。戻って来て下さい。」

「おいコラそれどういう事だ。」

「二人とも、帰るわよ。」

「「ああ、今行く。」」


 ところでなぜ雅は戦いに参加しているのか、なぜ戦っているのか、なぜ銃を持っているのか、()()()いるのか。時は数ヶ月ほど前、4月…いや3月まで遡ることになる。

ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。

初投稿ですので右も左も分かりませんが楽しんでくれたら幸いです。

次回もお楽しみに。

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