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第4話 ファーストキスは血の味がした その9

舞はアジリェブの死亡を確認してから、武器を奪う。

PP2000が故障してないことを確認し、新しいマガジンを差し込んで薬室に初弾を装填。

予備のマガジンと手榴弾も自分のチェストリグに詰め込む。

そして近くに落ちていたタクティカルトマホークを拾ってから痛みを無視して美雨の待つ場所に戻る。


美雨がいるシアターのドアが、突然、大きな音を立てて開いた。

「きゃっ!」

舞の帰りを待っていた美雨は、その大きな音に驚いて声が出てしまう。

「美雨……待たせた」

「舞さん」

舞の声が聞こえて、美雨は席を立って入り口に向かう。

「舞さん……!」

そして彼女の傷だらけの姿にまた驚いてしまう。

「美雨。早くここから出るぞ」

「ひどい怪我してます。大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ。それよりもゾンビ達が店内に入って来てる」

舞は美雨の手を掴む。

「逃げるぞ」

「はい」

映画館を後にした二人は二階を通って、外に出る出入り口を探して二階の通路を歩く。

舞が前でサブマシンガンを構えながら警戒し、その後ろを美雨が歩く。

美雨は何気なく下を覗いた。

「ひっ」

そこを見て思わず悲鳴を上げてしまう。

一階はバリケードを突破したゾンビ達で足の踏み場もないほど、埋め尽くされていたのだ。

美雨は自分の口を押さえるが、少し遅かった。

ゾンビ達が一斉に見上げて、舞と美雨の姿を捉える。

「「「ハアアアアアアア」」」

一斉に大口を開けて手を伸ばす。

数体のゾンビがエスカレーターを上ってきた。

舞はPP2000を撃つ。

先頭のゾンビが頭を吹き飛ばされて吹き飛ぶが、その後ろから何体ものゾンビが走ってきた。

「美雨。こっち!」

舞は片手で撃ちながら、美雨の手を引っ張る。

そして渡り廊下を渡って反対側の通路に向かった。

ゾンビ達も二人を追って、渡り廊下を渡る。

舞は奪った手榴弾を右手に持ち、安全ピンとレバーを解除。そして渡り廊下を渡って追いかけてくるゾンビの群れに向かって投げる。

手榴弾は群れの中央で爆発。

そこを渡っていたゾンビ達は吹き飛び、頭から落ちていく。

爆発で渡り廊下は真っ二つに折れて、上にいたゾンビ達も巻き込まれる。

舞はその間に、外に出る出口を探すが、どこも大量のゾンビがいて、今の装備ではとても突破できない。

舞は美雨の手を引いて脱出できるところを探す。

角を曲がると、前を複数のゾンビに塞がれた。舞はPP2000を短連射して頭を撃ち抜く。

「舞さん。後ろからも!」

振り向くと、後ろからも大量のゾンビが近づいていた。

二人は前後を挟まれ逃げ道を失ってしまう。

舞は美雨をかばいながら前後を挟んだゾンビを狙って発砲。

弾が切れたのでマグチェンジし、すぐさま射撃再開。

だがゾンビの方が数が多くて、全く弾が足りない。舞は弾切れになったマガジンを捨てて最後のマガジンを差し込んだ。

舞が逃げ道がないか探していると、自分たちの背後に、あるものを見つけた。

それは二階の窓だった。舞は下を覗き込む。

ちょうど真下には、荷物搬送用のトラックが止まっていた。

「美雨!」

「うん!」

舞の考えを一瞬で理解して美雨は頷く。

「伏せて」

舞は窓ガラスにマガジン半分の弾丸を撃ち込む。

「行くぞ美雨」

「はい!」

舞は美雨を抱きかかえると穴だらけになった窓に体当たり。

砕けたガラスの破片と共に、二人は落ちる。

「ぐっ」

「きゃっ!」

舞は美雨を怪我させないように背中からコンテナに落ちた。

二人が落ちた衝撃で、コンテナが大きくへこむ。

「くっ……美雨怪我してない?」

舞は美雨に声をかける。

「大丈夫です……ごめんなさい! ずっと乗ってて、すぐどきます」

美雨は慌てて舞の上から飛び退く。

「私は大丈夫……早く降りよう」

舞が上を見たので、美雨もつられて振り向く。

割れた窓ガラスからゾンビ達が姿を表す。

舞は先にコンテナから飛び降りた。

「美雨、おいで」

「い、行きます!」

美雨も飛び降りる。

舞は美雨をキャッチ。お姫様抱っこのような形になる。

美雨の顔が真っ赤になった。

「舞さん。私重いので、下ろしてください!」

「ん? 全然、重くないよ」

舞はそう言いながら美雨を下ろした。

「走れる? 美雨」

「はい」

舞と美雨は手をつないでその場を離れる。

暫く歩くと後ろから物音がした。

二人が振り返ると、ゾンビ達が二階の窓からトラックのコンテナに落ちていた。

「このままじゃ、ずっと追いかけられるな」

「どうするんですか?」

舞が心配そうに舞の腕に触れる。

「何とかするよ」

舞は付近を見回す。

「あれだ。美雨、耳を押さえていて。今から大きい音がするから」

「は、はい」

舞は美雨が耳を塞いだのを確認してから、しゃがむ。

そしてコンテナの下にある燃料タンクを狙ってPP2000のマガジン全弾を撃ち込んだ。

燃料が引火し、トラックは付近のゾンビ達を巻き込んで大爆発を起こした。

炎が夜の闇を照らす。

「舞さん」

耳を押さえていた美雨が立ち上がる。

「行こう。とりあえず休めるところを探さないと」

舞は弾切れになったPP2000を捨てて、美雨と共に歩き出す。


炎に照らされた二人を見つめる女性がいた。

その女性は車の運転席で、電話をかける。

「隊長。舞と朝顔美雨を見つけたわ。あの四ツ子は全滅したみたいね」

電話をかけているのは革島ヒョウだ。

相手はもちろん鷹皇兼光。

「二人はまだ私の正体が分かってない。罠を仕掛けるわ」

『やり方は任せるが、しくじるなよ』

「分かってるわよ。それじゃ切るわね」

ヒョウは通話を終わらせスマホをしまう。

「舞。そろそろお別れね」

ヒョウは車のエンジンをスタートさせてライトを点けずに発進させた。

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