『貴方の肩に手が届く』
何気ない会話の中で
貴方の愛情の度合いを確かめる
それはとても不確かな
僕の方法
貴方はきっと気付いているのだろうか
貴方のアドレスや携帯番号を知りたいと
心の底から熱望しているのに
ちっとも踏み出せないでいる
僕の臆病さを
貴方は秘かに嗤っているのだろうか
またねと言って手を振った貴方に
また今度と言いながら
貴方の後ろ姿に言いかけた
僕の言葉の続きを
貴方が再び聞くことがあるのだろうか
もしもだが
もしも僕が追い掛けて
愛の言葉を告げたなら
勇気を褒めてくれるだろうか
逃げずにちゃんと聞いて欲しい
僕は夢中で走っている
貴方の背中を追っている
何だか怖くなったんだ
このまま逢えなくなる気がして
だからやっぱり聞いて欲しい
口下手な僕の素直な気持ち
愛の証の告白を
好きなんですの一言を
そして今
貴方の肩に手が届く
<了>