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「火の魚」
昨日、テレビで室生犀星の小説をドラマ化した「火の魚」を観た。
原田芳雄さんと尾野真千子さんが主演。原田芳雄さんは田舎の島でひっそり暮らすポルノ作家、尾野真千子さんはその編集者を演じている。孤独で気難しい老人がだんだん編集者の女性にひかれていくという話で、ところが女性が癌になり、老人が改めて人間の生と死を見つめるという話だった。
面白かったが、私は原田芳雄さんを見るといつも何か引っ掛かりを感じる。
上手いし、風采もいいが、何かギラギラしていて、弱々しい老人の役とかをやっていると「ん?」となる。
井上ひさしの最高傑作「父と暮らせば」(原爆で死んでしまったおとったんが、幽霊になって娘と暮らし、ほのぼのした中に戦争や原爆への批判が描かれる)の映画版でも原田芳雄さんは父親役をやっていて、上手いが、何かギラギラしていた。
でも考えてみると、最近、枯れた上品な老人などあまりいない。原田芳雄さんが老人役をやっているのはそういうリアリズムを体現しているのだろうか?(-_-;)