キングダム・ホスピタル
タイトルはヨーロッパ映画界最凶の狂人ラルス・フォン・トリアーの戦慄ホラー映画から借りただけで、これから書く先輩の話とは無関係である。
内臓を悪くしたことがあってさ、ある病院に通ってたのね。そこに透析(病気の人の血液を入れ替えること)をやっている人の施設があったの。
ひょんなことでそこで知り合った若い感じのいい人がいてさ、仲良くなったの。
ところが、ある日、病院の階段の踊り場でその人がうずくまって苦しんでいたの。一応、持病がある人な訳だから、慌てて、看護婦さんを呼びに行ったけど、「あれっ!」その人はいなくなってたの。
でも病院のことだから誰か別の人が手術室か集中治療室に連れて行ったのかも知れないと考えて、その日は帰ったの。
二週間後に経過を見てもらうのと、薬をもらうために病院に行って、「〇〇さんはどうなりましたか?」って尋ねたら、内科の先生の顔が真っ青になって、「何、言ってるんですか!〇〇さんは二週間前、透析をやるため病院に来るところ、交差点で居眠り運転のトラックが突っ込んできて、亡くなっていますよ」って・・・
茫然として帰ったんだけど、また二週間経って同じ病院に行ったら内科の先生も変わってたの。
「××先生はどうしたんですか?」って尋ねたら、あの踊り場から転落して亡くなったって。
俺?もちろん病院を変わったよ。
え?その病院がどうなったか?
それは言えねえな。今日、健康診断だったよね。
行ってらっしゃい!