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マティスとルオーと先生と
マティスはピカソが認めていた数少ない友人である。ピカソのような派手な作風ではないが、代表作「ジャズ」の物の形を極端にシンプルに描いた手法は前衛性を感じる。
一方、ルオーはキリスト教をテーマに非常に重い、思想性のある作品で有名。
と、何の接点もなく見える二人ですが、実は親友でした。
何が接点だったのでしょう?
実は二人とも絵、美術をギュスターヴ・モローに習っているのであった。
モローはピエタなど伝統的なキリスト教の絵を描いた。ルオーはそこを継承した訳です。ところがモローはキリスト教の絵を描く場合でも何か普通のありふれた構図じゃない。またサロメやセバスチャンなどちょっととんだテーマを好んでいた。その辺りがマティスに流れこんだんだと思う。
絵は一つ一つがもちろん面白いんだけど、師弟関係などを工夫した展示も面白い。