「恋文~星野哲郎物語」
さて、「パラダイスキス」にお招きいただいたのに不満を口にしていた私ですが、今日は読売新聞さんのご招待で「恋文」というお芝居を御園座で拝見しました。実はあまり期待も下調べもしていなかったのですが、意外、この作品がダークホースで感動で号泣してしまいました。明日が千秋楽ですが、また再演があったら必ず観たい傑作でした。
戦後日本の大ヒット曲をたくさん作った星野哲郎先生と奥様の生涯を辰巳琢朗さんとかとうかずこさんが演じており、戦後日本のドラマとしても楽しめるし、さらに秀逸だったのはご夫妻のロマンスのメインストーリーに星野哲郎に憧れるサラリーマンの生涯がサブストーリーとしてからめてあり、それをモト冬樹さんとつまみ枝豆さんがやっており、コメディタッチながらモト冬樹さんの演技、歌唱、ギター演奏が主役のお二人を食っていました。「昔の名前で出ています」「みだれ髪」など魂が震えた。しかも髪ネタで爆笑をとった後、美空ひばりの「みだれ髪」に圧倒的な力量で場面を転換し、歌世界の舞台である東北に追悼を捧げたところ、素晴らしかった。
他にも「自動車ショー歌」「黄色いさくらんぼ」「365歩のマーチ」「兄弟船」「風雪流れ旅」「男はつらいよ」など、まさに気がつけばそこに歌が流れていた、です。涙涙。(;_;)
そして圧巻は劇中コンサートで小林幸子先生の圧倒的な歌唱と星野哲郎先生の思い出話。
歌唱した曲は「思い出酒」「女の酒場」「雪椿」
小林幸子先生も辰巳琢朗さんも大震災のチャリティーに力を入れてらっしゃる方で随所に励ましやいたわりを感じました。
偉人の生涯を描きつつ、生きる歓びと夫婦、家族、友人の絆、人間の愛を描いた素晴らしい作品でした。ありがとうございました。素晴らしかったです。