「レオニー」
半年ぐらい前に試写会にお招きいただいたのですが、行けなかった作品でした。それをだいぶ遅れて観ました。
非常に素晴らしい作品でした。世界的芸術家イサム・ノグチの母親がアメリカ人ということは知っていたのですが、そのレオニー・ギルモアという人の生涯を松井久子監督が映画化した日米合作作品です。
レオニー・ギルモアは悪い日本人(中村獅童)の赤ちゃんを身ごもってしまい、明治時代の日本に単身渡って来るのですが、男には妻子がおり、レオニーは異国で女手一つでイサム・ノグチを育てるのです。津田梅子(原田美枝子)やラフカディオ・ハーンの未亡人セツ(竹下景子)らと交流しながら。
そしてイサム・ノグチは日本とアメリカの両方の美的感性をアマルガムにして育っていくのです。架空のキャラクターと思うけれど、イサム・ノグチに人生を諭す大工の親方の役で大地康夫さんが出ていたのが全体を引き締めていた。
イサム・ノグチがアメリカに帰国し、一流の芸術家の地位を確立し、レオニーがそれを見届けて世を去る辺りで作品は終わるのですが、ラストシーンにある工夫がしてあり、感動の涙があふれて、止まりませんでした。是非、劇場でご覧下さい。
女性の愛と強さを讃える必見の一作です。全ての母親と、母親から産まれた存在に捧げられた讃歌です。(;_;)