間違い言葉辞典⑤
間違い言葉辞典、再開!
①憮然
これは最近、新聞などで見かけたのだが、闇の権力者小沢一郎氏が強制起訴、党の処分などを受けて、「憮然」としていたとあった。これは誤用ではないか?
私は政治・経済についてはパーチクリンだから、小沢一郎氏の思想や能力については論評出来ない。しかしテレビなどで見ていると小沢一郎氏は非常に傲然としている。
そして自分の配下の議員を動かして菅総理を恫喝したり、閣僚経験者を動かして新党を作る計画を立てたりしている。
「憮然」というのは「落ち込んで沈んでいる様子」である。どこが憮然なのか?
多分、「憤然」という逆ギレ気味の言葉と勘違いしているのではないか?
確かに最近、人に叱られても反省するより逆ギレする愚か者が多い。だから「憮然」は怒りの意味と錯覚されたのだろう。
②小春日和
最近、暖かくなってきた。しかしめでたさも中くらいなり花粉症。花粉が飛んでいます。
ちなみに小林一茶の信州(長野)では「中くらい」は「ちょっくれー」と発音し、実はかなり劣るという意味である。この辺り、信州に流罪にされた歌人・斎藤史の研究に依る。
ところで、暖かいので、「小春日和」ですね、と言う人がいるが実は「小春日和」は秋の終わりから冬の始めにかけての言葉なのである。
また「時雨」というのも同じ時期に京都に降る雨である。他の季節は誤用である。
しかし、季節感の言葉は難しい。私は歌人でもあるので、花なんかは若い女の子より詳しいが、季語の問題を学生にやらせると壊滅的である。
ところで出版界の風雲児角川春樹氏が最近、憂国俳句というのを作っているらしい。
「ハンカチや愛する国の滅びゆく」(春樹)
憂国俳句、即刻廃止してよし!(-_-#)