「最後の忠臣蔵」
杉田成道監督と言って、作品が分かる人がいたら、けっこうテレビ好きである。人気シリーズ「北の国から」の監督である。
その監督の映画「最後の忠臣蔵」観ました。
うーむ。扱いが難しい。
素晴らしい作品、究極のラブストーリーと言ってよいかもしれませんが、ラストが気になる。優れた作品は作品として最後が納得出来ない。こういうのが一番扱いが難しい。
ちょっと内容にふれて論評します。
忠臣蔵、赤穂の47人の武士が殿の仇を討つため戦うのですが、今回は戦いが終わったところからスタートします。
討ち入り前日に逃げた男を役所広司さん、男が仕える姫を桜庭ななみさんが演じています。実は姫は赤穂軍団のリーダー大石内蔵助の娘で、男は姫が成人して、結婚するまで、身を守り、育てる使命を負います。そして男、孫佐と姫、可音はかすかな恋心を隠しながら、大富豪茶屋四郎次郎との婚礼をすすめます。そして生き残った赤穂の侍が姫の婚礼に結集する感動のクライマックスになるのですが・・・
作品全体に近松門左衛門の「曾根崎心中」の死のイメージが巧みに織り込まれ、(あっ、孫佐は姫が結婚したら切腹するつもりだ!(*_*))と気づいてしまい、やりきれなかったです。
そういう悲劇的な愛しかないという封建時代を描いているのかもしれないけど、自殺を美化しているような気もしてざわざわしました。
映像も美しいし、役者も素晴らしい。だからこそ、生きて欲しかった。(;_;)