「武士の家計簿」
去年のことになってしまうが、ごはんライス先生が感想の中ですすめて下さった「武士の家計簿」を今日、観ました。キネマ旬報やブルーリボン賞でも高く評価されていました。
どんでん返しとかあるストーリーではない映画なのですが、一切の予備知識なしで観た方がよい方はこの先ご遠慮下さい。
舞台は幕末の加賀藩、代々加賀藩の勘定の仕事をしている一家がおり、主人公は堺雅人、奥さんは仲間由紀恵、お父さんが中村雅俊、お母さんが松坂慶子、ばぁちゃんが草笛光子先生です。また仲間由紀恵の父役の西村雅彦さんが久々にコメディ的演技をしているところも楽しく、うれしい。
この一族の歴史を明治になってから主人公の息子が語っているという設定です。
たいへん面白い作品で、感動も出来ます。
ここは私の日本文学、日本史研究から言えるのですが、この一家の年収は今のお金で言うと1000~2000万円ぐらいあるのですが、まさに放漫な親世代のぜいたくで借金がいつの間にか膨れ上がっていたのです。
そこで堺雅人が大鉈をふるって一家の暮らしを節約に切り替えるのが最大のクライマックスです。いろんなぜいたく品は売り払い、節約生活を始めます。
ただそこが暗い感じになっておらずコメディタッチになっている森田芳光監督の手腕はさすがっ!
実は観てみると意外と長い話で一家の生死まで描かれるのですが、そこが駆け足の気がしたので、節約の話をもっと詳しく描くとよかったかもしれません。
お金がテーマの作品なんだけど、不器用にしか生きられない青年を家族が見守っているところが心に響いてきて、最後は感動の涙があふれて、止まりませんでした。
そういう個性が堺雅人というちょっとクセのある俳優で上手く強調されていました。
あと森田芳光監督は女優さんの魅力を引き出すのが上手いので、仲間由紀恵も私が観た中でベスト演技をしていました。
ただ、松坂慶子さんが節約生活をしていても太っているのは何故?(-.-;)