「白いリボン」
観ました。映画ファンの期待の高かった2009年のカンヌ映画祭優勝作品です。
観終わった感想を書くのですが一切のネタバレごめんのお方はスルーで。
正直なところ、映画の紹介記事などからオチを予想していたのですが、その通りでした。
だからといってダメではないのです。
むしろ欧米文学のスタンダードを踏まえて、非常に優れた作品になっていました。
ただ心理ミステリとして観た日本人が多いと思われるけど、自分はそういう路線の新鮮さは感じなかった。
作品名を挙げるだけでネタバレになりますが、ミステリの古典にある内容です。
ただ、その描き方が今までになく秀逸でした。監督はオーストリアのミヒャエル・ハネケですが、すごい作品だった。
この作品がいいと思われた方には「ファニーゲーム」と「ピアニスト」もおすすめです。
ただ(という書き出しばっかり(-.-;))、ハネケの作品はオバケとかは出て来ないのですが、人間が一番怖いという意味のホラー映画に近いです。
サイコ・ホラー、サイコ・サスペンスとして監督が作ったつもりなら日本やハリウッドのホラー映画よりずっとリアルで怖いです。
ハネケが「ファニーゲーム」で世界的に知られた時、カンヌ映画祭の観客で途中、気分が悪くなったり、激怒して帰っていく人が多かったですが、「白いリボン」も相当の精神力がないと逃げたくなると思う。
ただ、人間の悪の部分や醜さを徹底的に描き、そういう分野やホラーに興味がある人なら是非、観た方がいいと思う。
バカップルだと思うけど、一組だけカップルがいました。でもデートでは絶対NGだと思う。何の救いもないもん。
個人的にはミヒャエル・ハネケの精神力の強さにびっくりしました。普通カンヌ映画祭のグランプリや最優秀監督賞を何度も受けたり、栄誉を手に入れたら、人間が丸くなりそうだけど、ならない。その心のねじけぶりは狂人と言っていいでしょう。
フランソワ・オゾン、ラース・フォン・トリアーと並ぶ映画界三大狂人にミヒャエル・ハネケを認定します!(*_*)
(今回、あまりネタバレせずにハネケ映画の怖さを書けたか自信ない。ネタバレで本格的に書き直そうかな?)