間違い言葉辞典②
神経痛がひどい。明日、病院に連れて行かれることになった。耐えながら、ちょっと間違い言葉辞典を再びお送りします。(*_*)
①煮詰まる
週刊誌の表紙を見ていたら、俗悪なスキャンダル雑誌じゃなく、わりと硬派なオピニオン誌の表紙に「煮詰まる菅政権!」などと書いてあった。
しかし「煮詰まる」という言葉の正しい意味は「結論が出る」「問題が解決する」という意味である。
よく考えてみると煮詰めるというのは料理の一つの立派なテクニックの一つである。
しかし、煮込み過ぎて黒煙が出ているようなサザエさんみたいなイメージから失敗する、とか行き詰まるという意味で使われるようになったのではないかと思う。
次は典型的な誤用。
「昨日の会議、煮詰まっちゃったよ!専務派が営業部長派とケンカし出して、そこに総務部長が茶々入れたりして、1日つぶれちゃった!」
どうやって煮詰まったんだ?
②すべからく・おもむろ
後半はまた漢文由来の言葉。
「すべからく」は「ぜひとも(~べき)」という意味。ところが例文が間違えやすく、「全て」という意味の高級な言い方という誤解をなさっている人が多い。
ちょっと以下の例文を見て欲しい。
「すべからく学生は勉強すべき」
これの正しい意味は「学生はぜひとも勉強すべき」という意味なのである。
ところが「すべ」という音にひきずられて、「全ての学生は勉強すべき」という意味にもとれてしまい、「『全て』の高級語」という誤用が広まった。
例えば次のような例文は誤用である。
「僕の作品にはすべからく戦闘シーンが入れてある」
しかし、こんなような誤用はよく見かける。
また「おもむろ」は「ゆっくり」という意味である。漢字で書くと「徐」。徐行という言葉を意識すると分かるようにゆっくりという意味なのだが、正反対の「急に」「突然」という意味で間違えている人が多い。
「老人はおもむろにカバンから書類を取り出した」という例文があったらノロノロ取り出しているのだが、老人は意外とがさつに素早く動くことがあり、誤用が広まったのだろう。
私はおもむろにペンを置き、この章を締めくくる。
あっ、いてて、足が・・・(-_-;)