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「ノーウェアボーイ」

ジョン・レノン生誕70周年記念作!(私は田舎に住んでいるので、都会では昨年公開ですが)


いや、泣いたわ。今日はアカデミー賞の「瞳の奥の秘密」を観て、ジョン・レノンの映画もついでに観たのですが、意外!無冠のこの作品の方にすごく泣いてしまいました!傑作です。


ジョン・レノンの映画ということで、ジョン・レノンの活躍期ではなく、デビュー前の少年ジョンと二人の母、育ての母ミミと産みの母ジュリアの愛と哀しみを描いており、すごくよかったです。


私はビートルズにすごく詳しいという訳ではないので、ストーリーが新鮮で、面白かった。


ラジオやハモニカを買ってくれた優しい伯父が亡くなり、お葬式でジョンは産みの母に再会します。

産みの母はエルヴィス・プレスリーの音楽をジョンに紹介し、豊かな芸術センスを持つジョンはエルヴィス・プレスリーの音楽に夢中になります。

しかし、そこで産みの母が素晴らしい、ロックは自由みたいな短絡的な描き方になっていないのがいい。

育ての母ミミはチャイコフスキーやバッハの音楽を聴き、文学を読み、ジョンに無償の献身的な愛を捧げます。

その役を英米の映画界、演劇界の大御所クリスティン・スコット・トーマスが演じています。

貧しい港街に暮らしていてもイギリス人の気品や風格を失わずジョンを育てる彼女の姿にジョン・レノンという芸術家の一本筋が通ったところが養われたとよく分かります。


産みの母の助けでジョンはロックバンドを始め、すぐ頭角を現します。

そこに比較的ちゃんとした感じの少年がバンドに入りたいとやって来ます。それがポール・マッカートニー。

ポールは圧倒的なテクニックと政治力ですぐバンドを乗っ取ろうとし、不器用なジョンはポールをぶん殴ったり、未来の不気味な部分も暗示されていて、きれいごとになっていないのがよかった。




クライマックスはジョンとミミとジュリアの感情がぶつかり、ジョンの出生の秘密が発覚するところ。イギリスの伝統の力か、シェイクスピアの悲劇をほうふつとさせるすごいシーンになっていて、大御所クリスティン・スコット・トーマスが出演している意味がよく分かりました。彼女の圧倒的な上手さと美しさが神話的な迫力すらシーンに与えている。ブラヴォー!



私はビートルズに詳しくないので、どの程度が実話でどれぐらい脚色があるのか断定出来ませんが、映画としてはかなり素晴らしいまとまった作品です。



若い子だとジョンがグレて暴れている無軌道な様子に共感するかもしれませんが、私は育ての母の姿に涙していました。(自分にも通じる?σ(^◇^;)。。。)大事に育てた子はだんだん去っていってしまう。



しかしジョン・レノンという偉人(と言ってしまってもよいだろう)は二人の母に無限の愛を捧げており、感動しました。


愛のさまざまな形を描いて、私の心に大いにカタルシスを与えてくれた秀作です!

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