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鴎外と現代

最初にお断りすると森鴎外の鴎はかもめという字ですが、私のケータイでは字が出ないです。便宜的に森鴎外と書きますね。




タツヤが「阿部一族」をやっていて、頭を抱えていた。

あっちゃんやのんちゃんに匹敵する逸材のタツヤだから、作品の表面は読めるのだが、意味が分からない。共感が出来ないのである。



だいたい夏目漱石が広く愛されているのに比べて、森鴎外はあまり読まれていない。


太宰治は日記で夏目漱石をもてはやし、森鴎外を読まない日本社会を激しく批判して書いている。


鴎外は何者だったのだろう。

あまりに頭がよすぎたので、小学生に混じって勉強することは出来ず、年をごまかして東大医学部に入る。そしてヨーロッパの言葉は全てラテン語のなまったものと考え、ラテン語をマスターし、ヨーロッパ各国の言葉をマスターなど鴎外のエピソードは優秀をはみ出す不気味なところがある。東大卒業は普通の日本人が大学に入る19歳の時だった。




そしてヨーロッパ留学をし、軍の仕事をしながら、山県有朋や西園寺公望と文学を利用して交流する政治家の顔。

樋口一葉、与謝野晶子、芥川竜之介などを勢力下に置くなど文壇にも影響力を持つ。

そして、そんな鴎外の素顔は謎に包まれている。




山崎正和先生のご指摘だったと思うが、鴎外の作品の最大の主題は日常の中に破滅が潜んでいて、急に日常が地獄になるという残酷な真理だとあった。

「阿部一族」「高瀬舟」などは確かにそういう世界の崩壊をしっかり描いている。


また見逃しがちだが、「高瀬舟」の犯人は普段はどういう生活をしていたのか、考えると不気味である。



鴎外。日本文学最大のブラックボックス。もっと読まれてもよい。

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