宇野千代最強伝説
宇野千代。おばあさん。しかし、日本で女として最初にいろんなことをなしとげたと自分で豪語する宇野千代さんはただのおばあさんではなく、非常に圧迫感がある。
教科書で「檸檬」がよく取り上げられる梶井基次郎の全集の最後に宇野千代さんが寄稿している文章もあまりに面白いので、紹介することにする。
ご存知の方も多いと思うが梶井基次郎は短い生涯を駆け抜けた天才だった。全集も文庫本一冊の量である。
その天才梶井は「私のことが好きだった」と宇野千代さんは豪語する。(-_-;)
全集に寄せる文章を書くため、かつて梶井と滞在した村を数十年ぶりに訪ねるとそこの長老の女性が「宇野千代さんが昔、村にやって来たことは語り草になっている。この村では宇野千代さんほど美しい人はいないと人々は語り継いでいる」と感激していた。と宇野千代さんは自ら記録している。
日本芸術院会員、勲三等受賞、菊地寛賞、野間文芸賞などたくさん受賞。(しかも女性として初のことが多い。)「ホントなのかよ!?」とつっこめないアウラをバンバン出している。
そして思い出の村を周りながら「梶井が私を愛していることは知っていたが、私はふった。そのことで梶井は命を縮めたが、私は何も悔いていない」と書ききる宇野千代さん。
カッコい~い!
男の作家たちが必死に努力しても日本に定着させられないハードボイルドを軽々と実践してしまっている。
強くないと女じゃないんだ・・・(-_-;)