中島哲也監督「告白」
今年の日本映画の今のところ、ベストワン!ブラボー!
不思議です。欠点の多い原作。ちょっとミスキャストではという中島哲也監督。
ところが、そのケミストリーは中島哲也監督の最高傑作に結実しました。
「告白」は湊かなえさんのベストセラーミステリです。
内容にふれるので、ちょっと改行しますね。
ネタバレが気になる方はご遠慮下さい。
「告白」はミステリとしては粗い、不自然なところがけっこうあります。しかし、面白いのです。
また内容的にも悪人と悪人が闘っているエグい感じです。
もともとテレビCM界で活躍され、映像や音楽のセンスに定評がある中島哲也監督が、こんなドロドロした作品を?と首をひねったのですが、意外な相性は本当にびっくりです!
監督ならではの映像が原作の粗いところを気づかせず、疾走感をたたえて最後まであれよあれよと観ている者を連れていき、飽きさせません。決して明るい話ではないのですが、悪や不愉快も徹底するとある種の感動があります。
もう一つ感心したのが、映画を通してですが、原作者の湊かなえさんは松本清張みたいになるかもな、と思いました。ポイントはトリックなどより犯罪に関わる人間を描くことに力点があること。しかも何となく悪に肩入れしている感じがする。もう一つは犯罪を描きながら時代や文明の記録に作品がなっていること。
タイトルを思い出せないところが私はパーチクリンですが、海外ミステリの古典も上手く下敷きにしていました。
久々に観ててゾクゾクするほど興奮しました!