「食卓3人組と仲間たち!②
「炎の王者ヘラクレス」
その日、キッチンはただならぬ空気に包まれていました。
ジュウゥゥゥゥ……!!
鉄板の上で踊る焼きそば。
立ちのぼる湯気。
はじけるソースの香り。
「今日はボクの出番かな?」
フォークスがそわそわ。
「いやいや、焼きそばは俺もいけるぞ?」
スープんも前のめり。
ハッシーは冷静に言いました。
「たぶん今日は…ぼくたちじゃないよ」
その瞬間——
ガタンッ!!!
引き出しの奥が大きく揺れました。
「フハハハハ!!呼ばれたようだな!!」
現れたのは、分厚くて平たい、頼れる大男。
ヘラクレス
「鉄板料理は俺の舞台だ!!」
ジュウゥゥゥ!!
熱気の中へ、堂々と飛び込みます。
「熱くないの!?」フォークスが叫びます。
「ふっ……これしきの熱さで怯んでいては、焼きそばは守れん!」
ヘラクレスは豪快に麺を持ち上げ、
ザッ!ザッ!とひっくり返します。
その迫力に、三人は思わず見とれました。
しかし——
「あっ!」
麺が端っこに寄りすぎてしまいました。
「おっと…少し力が強すぎたか」
そのとき。
「こういう細かい作業は、ぼくに任せて」
ハッシーがすっと前へ。
「支えはボクがするよ」
フォークスも加わります。
「こぼれたソースは俺がすくう!」
スープんも参戦。
ヘラクレスは一瞬驚きました。
「……お前たち」
四人は力を合わせ、
焼きそばをきれいに整えました。
そして最後に——
カリッと香ばしく、完璧な仕上がり。
湯気の向こうで、小さな声が聞こえます。
「若いのぉ…力だけではいかんと言ったじゃろう」
振り向くと、つまよう爺さんが腕を組んでいました。
ヘラクレスは少し照れくさそうに笑いました。
「……ああ。今日は助かった」
フォークスがにやりと笑います。
「鉄板の王者も、仲間が必要ってことだな」
スープんが大笑い。
「次は何料理だ!?いつでも来い!」
ハッシーがまとめました。
「今日も、おいしくなったね」
鉄板の上で完成した焼きそばは、
いつもより少しだけ誇らしそうでした。
引き出しの中では、今日もにぎやかな声が響きます。
でもその声は——
前よりもっと、あたたかいものでした。




