サメの子メガの深海さんぽ ①
〜はじめての大冒険〜
ボクはメガ!
伝説のサメの子なんだ!
いつかママみたいにとーっても大きくなるんだ。
でも今はまだ、
しっぽをぱたぱたさせるのが大好きな、
元気いっぱいのサメの子さ!
ある日、ボクはママに聞いたんだ。
「ねえママ!海のいちばん下って、どんなところ?」
ママはゆっくり尾びれを動かした。
「ずうっと下はね、とても暗くて、
光もとどかない世界よ。」
「えーっ!行ってみたい!」
「メガ、あそこは深海。
冷たくて、ぎゅうっと強い水の力があるのよ。」
でもボクは、わくわくが止まらなかった。
「ボク、伝説のサメの子だもん!
ちょっと見てくる!」
ママは少し笑って言った。
「気をつけるのよ。
知らない生きものもたくさんいるからね。」
「はーい!」
ボクはしっぽを大きく振って、
どんどん、どんどん下へ泳いでいった。
上の海は明るかったのに、
だんだん暗くなっていく。
青が、紺になって、
やがて、ほとんど黒。
「わあ……ほんとに暗い……。」
そのとき――
ぽわっ。
目の前に、小さな光がゆらりと揺れた。
「なにあれ?」
光の先には、大きな口。
頭の上から、ちょうちんみたいに光をぶらさげた魚がいた。
それは――
チョウチンアンコウ。
「きみ、その光どうなってるの!?」
メガが近づくと、魚はゆっくり口を開いた。
「これはね、えものをよぶ光さ……。」
深海は、まっくらだけど、
ちゃんと“生きている”世界だった。
メガの目がきらきら輝く。
「すごい……!深海って、こんなところなんだ!」
冒険は、まだ始まったばかり。




