「食卓3人組と仲間たち!③
サイバシ将軍、現る!
その日のキッチンは、いつもと違う空気でした。
ジュワジュワジュワ……
フライパンの上で野菜が跳ねています。
「今日は何かな?」
フォークスがそっとのぞき込みます。
「スープじゃないな」
スープんが首をかしげます。
ハッシーが静かに言いました。
「……炒め物だね」
その瞬間——
カンッ!!と引き出しの奥で音が鳴りました。
「全員、配置につけぇぇ!!」
ビシッとした声。
すらりと長い二本の影が、ゆっくり前へ出てきます。
「我が名は——サイバシ将軍!」
細く、しなやか。
しかし目つきは鋭い。
フォークスが小声で言います。
「な、なんか怖いよ?」
「炒め物は戦場である!」
将軍が叫びました。
「混ぜ遅れれば焦げる!
返し損ねれば味が偏る!
一瞬の油断が命取りだ!」
ビシッ!ビシッ!
野菜をすばやくつかみ、ひっくり返し、整える。
その動きはまるで指揮者のよう。
「す、すごい……」
ハッシーが思わずつぶやきます。
そこへ——
「力が足りんぞぉぉぉ!」
ドンッ!!
ヘラクレスが乱入。
豪快にひっくり返そうとします。
「待てぇぇぇ!!」
サイバシ将軍の声が響きました。
「豪快さだけでは勝てぬ!」
「何ぃ!?」
一触即発。
そのとき。
「まあまあ、お二人とも」
やわらかい声がしました。
お玉さんです。
「将軍は細かく混ぜるのが得意。
ヘラクレスは大胆に返すのが得意。
どちらも必要ですよ」
しん、と静まるキッチン。
サイバシ将軍はゆっくり言いました。
「……ふむ。確かに」
ヘラクレスも腕を組みます。
「力だけでは足りんか」
そして——
将軍が指示を出します。
「ヘラクレス、今だ!大胆に返せ!」
「応!!」
ザァッ!!
豪快な返しのあと、将軍がすばやく整える。
ジュワァァ……
見事な仕上がり。
フォークスが拍手しました。
「チームワークってやつだね」
スープんが笑います。
「戦場ってより、合作だな!」
サイバシ将軍は少しだけ口元をゆるめました。
「……悪くない」
その夜、引き出しの中は少し誇らしげでした。
新しい仲間が増え、
また少し世界が広がったのです。
そして次なる出番を、
みんなが楽しみにしていました。




