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小さな奇跡の童話箱  作者: ムーンキャット


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18/33

「食卓3人組と仲間たち!③

サイバシ将軍、現る!

その日のキッチンは、いつもと違う空気でした。

ジュワジュワジュワ……

フライパンの上で野菜が跳ねています。

「今日は何かな?」

フォークスがそっとのぞき込みます。

「スープじゃないな」

スープんが首をかしげます。

ハッシーが静かに言いました。

「……炒め物だね」

その瞬間——

カンッ!!と引き出しの奥で音が鳴りました。

「全員、配置につけぇぇ!!」

ビシッとした声。

すらりと長い二本の影が、ゆっくり前へ出てきます。

「我が名は——サイバシ将軍!」

細く、しなやか。

しかし目つきは鋭い。

フォークスが小声で言います。

「な、なんか怖いよ?」

「炒め物は戦場である!」

将軍が叫びました。

「混ぜ遅れれば焦げる!

返し損ねれば味が偏る!

一瞬の油断が命取りだ!」

ビシッ!ビシッ!

野菜をすばやくつかみ、ひっくり返し、整える。

その動きはまるで指揮者のよう。

「す、すごい……」

ハッシーが思わずつぶやきます。

そこへ——

「力が足りんぞぉぉぉ!」

ドンッ!!

ヘラクレスが乱入。

豪快にひっくり返そうとします。

「待てぇぇぇ!!」

サイバシ将軍の声が響きました。

「豪快さだけでは勝てぬ!」

「何ぃ!?」

一触即発。

そのとき。

「まあまあ、お二人とも」

やわらかい声がしました。

お玉さんです。

「将軍は細かく混ぜるのが得意。

ヘラクレスは大胆に返すのが得意。

どちらも必要ですよ」

しん、と静まるキッチン。

サイバシ将軍はゆっくり言いました。

「……ふむ。確かに」

ヘラクレスも腕を組みます。

「力だけでは足りんか」

そして——

将軍が指示を出します。

「ヘラクレス、今だ!大胆に返せ!」

「応!!」

ザァッ!!

豪快な返しのあと、将軍がすばやく整える。

ジュワァァ……

見事な仕上がり。

フォークスが拍手しました。

「チームワークってやつだね」

スープんが笑います。

「戦場ってより、合作だな!」

サイバシ将軍は少しだけ口元をゆるめました。

「……悪くない」

その夜、引き出しの中は少し誇らしげでした。

新しい仲間が増え、

また少し世界が広がったのです。

そして次なる出番を、

みんなが楽しみにしていました。

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