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絶対神ゼアスの創世日記 ⑥
〜いのちは広がる〜
小さな小さないのちは、
海の中でふえました。
ゼアスは少しだけ指先を動かします。
「もう少し、動きをつけましょう。」
すると――
ひれをもつ生きものが生まれました。
「魚ですね。」とシエル。
魚は泳ぎ、増え、
海はにぎやかになります。
ゼアスはまた考えました。
「海だけでは、もったいない。」
ひれが、ゆっくり形を変えます。
ぴょこん。
手足が生えました。
「神さま、陸に出ました。」
「挑戦は大事です。」
やがて森が広がり、
大きな生きものが地面をどしんと歩きます。
「おお、これは迫力があります。」
巨大な恐竜たちが、地球を支配しました。
しかし――
ゼアスは静かに言います。
「少し大きすぎましたね。」
シエルはうなずきます。
そして時は流れ――
小さく、毛のある生きものが現れました。
あたたかく、子を育てます。
「今度は、守る力を持たせました。」
さらに時は進み――
二本の足で立ち、
空を見上げる存在が生まれました。
「……考える生きものです。」
ゼアスはじっと見つめます。
「名を――人間。」
シエルは、そっと記録帳を閉じました。
宇宙はここまで来たのです。




