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絶対神ゼアスの創世日記 ⑤
〜はじめての、ちいさないのち〜
太陽が輝き、
月が見守り、
地球の海はゆらゆらと揺れています。
ゼアスはその様子をじっと見つめました。
「……さて。」
シエルは姿勢を正します。
「いよいよでございますか。」
「うん。少し“実験”をしてみましょう。」
「実験、でございますか……。」
ゼアスは海の上に手をかざしました。
太陽の光を少し集め、
海の水を少し温め、
空から小さな光の粒を落とします。
ぴちん。
ぴちん、ぴちん。
海の中で、なにかが
くるりと回りました。
「神さま、今のは――?」
ゼアスは目を細めます。
「うまくいきましたね。」
海の中に、
とてもとても小さな、
目には見えないほどの小さな存在が生まれていました。
ぷるん。
ゆら。
それは、自分で少しだけ動きました。
シエルは息をのみます。
「……いのち。」
ゼアスは満足そうにうなずきました。
「まだ小さい。とても弱い。
ですが――自分で動こうとしています。」
その小さな存在は、
海の中で、そっと増えていきました。
目には見えないけれど、
たしかに“はじまり”でした。
ゼアスは静かに言います。
「ここからが、本番です。」
シエルは記録帳に大きく書きました。
“最初のいのち、誕生。”
宇宙は、またひとつ
新しい物語を手に入れました。




