絶対神ゼアスの創世日記 ④
〜しずかな見守り役〜
太陽が生まれ、
地球はぽかぽかとあたためられました。
海がきらきらと光り、
雲がふわりと流れます。
ゼアスは腕を組んでうなずきました。
「うん。悪くない。」
シエルは地球をじっと見つめます。
「ですが神さま……まだ“いのち”の気配がありません。」
ゼアスは少し考えました。
「太陽もある。水もある。
……何かが足りませんね。」
そのとき、海がざぶん、と揺れました。
波が大きくなったり、小さくなったり。
ゼアスは目を細めます。
「地球は、少しさみしそうですね。」
「さみしい、でございますか?」
「ひとりでは、安定しません。」
ゼアスは地球のそばに手を伸ばしました。
宇宙のちいさな岩のかけらを集め、
くるくると丸めます。
ころころ、ぎゅっ。
「神さま、それは――」
「地球のパートナーです。」
ぽん、と地球のまわりに置くと、
その丸い星はくるりと回りはじめました。
海が、ざざーん……と
やさしく動きます。
地球の傾きも、すっと落ち着きました。
夜になると、その星は
しずかに白く光ります。
ゼアスはうなずきました。
「名は――月。」
シエルはほっとしたように羽を整えます。
「なるほど。これで地球はひとりではありません。」
ゼアスはにやりと笑いました。
「さて……これでようやく、いのちの準備が整いました。」
地球と太陽と月。
三つのバランスが、
ぴたりとかみ合いました。
宇宙は、しずかに息をのみます。
いよいよ――
いのちのはじまりです。




