<他人への接し方が分からない> ハラスメントに怯えている方へ
「された側がハラスメントと感じたらハラスメント」
そういった言葉は聞いたことが無いでしょうか?
なんとなく否定もしにくくこのような言葉が広がっているように思います。
実際にハラスメントは「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」「パタハラ」「ケアハラ」など事実上法令に規定されたものにとどまらず100種類にも上ると言われています。
人間関係を円滑にするために相互に一定の配慮は必要だと思いますが、「ハラスメントになりたくないから話しかけられない」といったコミュニケーションにマイナスの影響を起こしているのではないでしょうか?
人的交流がまともに出来無くなれば社会からつま弾きにされてしまいますので今回は「ハラスメントにならないためにどうしたらいいのか?」について考察していこうと思います。
◇相手も自分も「尊重されたい」
冒頭の
「された側がハラスメントと感じたらハラスメント」
というのは正確ではありません。
基本的には裁判で取り扱われる際には「不法行為」として扱われるケースが多く、
不法行為は、故意(=わざと)または過失(=うっかり)によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為なので、
客観的に社会通念上認められる範囲内であれば法律上は少なくとも問題になりません。
しかし、発言の内容や行いだけでなく”言い方”によって印象が大きく異なります。
例えば何度もミスをしている方に対して、
「どうして、何度言ってもわからないんだ!」 「やる気あるのか! 反省しているのか!」
と怒鳴りつけるのに対して、
「これは前も間違えていたね。一緒に間違わない対策を考えようか」
と建設的に提案するのとでは相手に対する「拒否感」みたいなものも全く異なります。
この場合は一緒に向き合うことが大事だと思います。
また、部下が一方的に100%悪い場合であったとしても言い方に注意が必要です。
例えば遅刻してきた場合、
「時間を守るだなんて幼稚園児でもできる。社会人として失格だぞ!」
などと叱責するのもよくないです。
「遅刻をすると、待っている人全員がその分、時間で損していることになります。
どうしたら時間を守れるか考えましょう」
と1つ目の例と同様に「一緒に考える」という姿勢が大事だと思います。
相手がミスをしたり、自分が当たり前に出来ていることができないと、
思わず頭に血が上って吐き出してしまうことがあると思います。
日ごろの仕事のストレスを解消したいのかもしれませんが、相手は心を閉ざしてしまいます。
若い方であれば「退職代行使いたいな」などと思って静かに退職していくことでしょう。
基本的には、
・相手の価値観を尊重する
・自分がして欲しいことを相手にしてあげて、相手がしてほしくないことをしない
これが他者に接するための2大原則だと思います。
ただ、2大原則をクリアしたとしても、相手の性別、年齢、価値観次第では自分がして欲しいことと大きくかけ離れている場合もあります。
※例えば若いころは苦労をするべき(するべきだった)という考えの先輩が後輩を指導しようとしても、その後輩が苦労をしてでも成長したいと思っていない場合など。
◇悪気が無くとも不快に思われてしまう言い方
「配慮をしているつもり」であったとしても相手に対して不快に思われてしまう表現があります。
一つ目は、「カテゴリ名+のに」という表現は密かなる偏見を含めた言葉になります。
例えば、
「男性なのにピンク色が好きなんだね」
「背が低いのに力が強いんだね」
「若いのにしっかりしているね」
こんな感じです。
これらは褒めているつもりなのでしょうが、「のに」が付くだけで、
何かちょっと侮蔑されたような気分になり、
明確には敵対しないまでも「少しひきつった笑顔」になることは間違いないでしょう。
ここは素直に「ピンク色が好きなんですね」 「力持ちですね」 「しっかりしているね」
とそれぞれ褒めた方が好感を持たれると思います。
次に、まだ〇〇してないの? というのも何か挑発的な印象を受けます。
「まだ宿題してないの?」 や 「まだ結婚してないの?」 といったものです。
時期が早い遅いは人それぞれであり、場合によっては全く考えていない方だっているでしょう。
ただ、宿題のようにほぼ必ずやらなくてはいけないことを先送りしてはいけないと思います。
そのために、
「宿題をした方が平常点も上がって進路もプラスになりますよ」
といったように前向きな言い方な方が良いです。
結婚など別に強制されないような内容はどちらかというと、その理由の方が知りたいはずですから、
「よろしければ、結婚しない理由を教えてください」
みたいな感じで強制しない形で聞くのが良いと思います。
◇非言語のサインを見逃さない
ただ、これを踏まえていても「ハラスメント」にと相手が捉えてしまう場合があり、
そうしたことから「他人が怖い」といった考え方になると思います。
そういった際には相手の非言語サイン(ノンバーバルサイン)を見逃さないことです。
表情が引きつっていたり、不快そうな雰囲気をかもちだしていたりすることを察知したなら、
すぐさまその話題をやめ、二度とその話題や言い方をするべきではないでしょう。
「何か機嫌を損ねることがあったのなら謝ります。どこが悪かったのか教えてください」
と、すぐさま謝ることが大切になります。
”何だか配慮し過ぎで疲れるな……”と思われるかもしれませんが、人間関係が悩みの9割ともいわれるぐらいです。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉もあるように、親しくなってからでも一定の配慮をしていく必要があると考えます。
◇「目下側(指導を受ける側)」に必要なこと
これまでは「ハラスメントしてしまう側」について焦点を当ててきましたが、
最後に指導を受ける側について触れていこうと思います。
前提条件として「よほどの悪意」が無い限りは指導する側はパワハラをしたいと思ってやってはいないと思います。
その多くは僕が挙げてきたような人間関係を円滑にするためのスキルを持ち合わせていないだけのように思います。
ですので、
「可哀そうに。この年になってもコミュニケーション能力を得ることができなかったんだな」
と思うことが大事なのかなと思います。そうすると、その人が突然”哀れに”見えてくるようになり、少し気が楽になると思います。
※もちろん病気や死に至るような深刻なハラスメントもこの世の中にはあります。
それこそ
「私がミスをしないように一緒に考えてくれませんか?」
と聞いてみて、”リトマス試験紙”みたいにすると面白いかもしれません。
「お前ひとりで考えろ!」
と突っぱねられるようなら、正直円滑な関係を築けることは難しいと思います。
下手にその就職先に拘って人生を浪費する必要はないと思います。
今は人手不足なのでそこまで再就職先を見つけるのにも困らないと思います。
人間関係に悩んでいる時間がもったいないので、まずは自分と注目している相手の現状分析とその対策をしていく必要があると思います。
「人間関係が八方塞がりでもう終わりだ」と思わず、周りの方に相談してみるのも手でしょう。1人で取り組むよりも解決できる可能性が上がります。
政治ではやっとガソリンの暫定税の撤廃が実現しそうなぐらいで将来の展望は依然見えません。
しかし、諦めずに懸命に生きていればきっと光は見つかります。皆さん強く生きていきましょう!




