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~名~
これは、ある青年の男女の物語である。
まず、今帰宅途中のこの男子。名は一条 尚輝という。
この子は物心がつく前に親がいなくなり、どこにいるかわからないという、いわゆる孤児だ。
今帰宅しようとしている場所も、孤児をかくまう施設である。
施設から高校へ、高校から施設へ、という日々を繰り返している。
次にこちらの女子。こちらも帰宅途中だ。名は如月 早苗という。
この二人は小学生の時に出会い、それから中学、高校と同じ道を歩んできた。
なんとも少女漫画的な関係の二人だ。
さて、ここからは語り手を尚輝君へと移そう。
一つ言っておくが、
「これは少女漫画ではない。」