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いつか素敵な異世界生活  作者: 花咲 令
第1章 まさかの突然異世界転生!?
1/1

刺激的な出会い①

はじめまして!花咲(ハナサカ) (レイ)と申します!

今日からゆるりと投稿していきますのでよろしくお願いします!

  恥の多い人生を送ってきた。



 なんてことはなく、また褒め称えられるような人生を送ってきたわけでもない。

 街を歩けば10人中9人は普通と答えるであろう顔の俺は、その顔相応に平々凡々とした人生を歩んできた。


 そう。あの夜までは…



  その日は土曜日であった。一般サラリーマンの例に漏れず土日休みの、一応大手と言われる総合商社に勤めている俺、仲林賢也は、今日こそはこの平凡な人生に幕を閉じ、輝かしい未来を手に入れるのだと意気込み、幼馴染がセッティングしてくれた合コンに足を運ぶのであった。



  その思考こそが平凡の象徴のようなものであることは言うまでもないが、当の本人はそんなことに気づくはずもなく、浮き足立った様子で合コン会場の隣にあるファミレスに足を運ぶのであった。



  「遅いぞ。賢也。この俺を何分待たせる気だ。」



  着いた途端仏頂面でそう話しかけてくるのは、幼馴染の水淵雅史だ。この合コンの幹事であり、高身長高学歴高収入のイケメンハイスペックな野郎である。小中高一緒の幼馴染で腐れ縁だ。



「わりぃわりぃ。昨日遅くまでアニメ観ちゃっててさ。」



「お前その夜更かし癖どうにかしろよな。

 まぁいい。メンツも揃ったことだし始めるか。」



 雅史はそう言って、賢也を席に促す。



  もちろんこの場に女の子はいない。合コン前の作戦会議ってやつだ。

 


「よし。これから作戦を言い渡す。名付けて賢也の童貞叩き売り作戦だ!!」



「作戦だ!! じゃねぇよ!ファミレスで大声でなんてこと言ってんだよ!!」




(まぁ!あの子童貞なんですって。くすっ)


(あらあら、可愛いわねぇ。私が貰っちゃおうかしら。)


(ふん。童貞が許されるのは小学生までよねー。)



 ……などと淑女たちのひそひそ声が聞こえてくる。




「あぁ、もうダメだ。死のう。」


 そう言って頭をテーブルに沈ませる賢也。



「すまんすまん。ちょっと声が大きかったか。まぁいいだろ!童貞には変わりないんだし。」



「全然よくねぇよ!俺だってなぁ。好きこのんで童貞やってる訳じゃないんだよ!あぁどこにいるんだい俺の愛しのマイプリティエンジェル…!」



「俺のって言ってるんだしマイはいらないんじゃないかな、賢也。」



 茶色く濁った液体をすすりながら、冷静にツッコミを入れてくるのは、岡村凛。雅史と同じく、小中高の幼馴染である。


 女の子っぽい名前の通り、中性的な顔立ちであり、低い身長も相まって、たまに男にナンパされている。本人は開き直っており、その可愛らしい顔を武器にお姉さま方とよろしくやっているようである。ちなみに現在無職である。いわゆるヒモってやつだ。なんともうらやまけしからん。



「お前それ…… 。何飲んでるんだよ。」



「え?普通にメロンソーダとコーヒーを3対7で合わせたものにコーンスープを小さじ1杯ほど混ぜたやつ。」



「全くもって普通じゃないし、絶対まずいだろそれ……。」



「まぁ不味いけど飲めないほどではないかなー」



 まずいなら飲むなよ…と思いながらもこれ以上突っ込んでも疲れるだけだと思い、話を戻す。



「で、そのくだらない作戦名は置いといてよ。一体どんな作戦なのさ。」



「よくぞ聞いてくれた賢也隊員!作戦とは、ずばり名前通り、今日の合コンで賢也に所謂お持ち帰りをしてもらい、そのまま童貞を捨てて貰おうという作戦だ!なーに、俺らがいれば恐れることは何もない!大船に乗ったつもりでいたまえ!」



「俺はいつから隊員になったんだよ…」



 とはいえ、その作戦は願っても無い申し出である。27歳童貞なんて持っていても米粒一つの価値もない称号は今すぐにでも捨て去りたい。今回ばかりはこの残念なイケメンに感謝してやってもいいだろう。




「趣旨はわかったけど、具体的にはどうするんだ?俺にお持ち帰りなんてできるスキルはないぞ。」



「それは簡単だ。今回集めたのは俺らより歳上のお姉様方だ。俺と凛が適当な女をそれぞれ連れ出すから、残った女の子にそれとなく童貞アピールをすれば、溢れる母性のおこぼれにあずかれるだろう。」



「なんて雑な作戦なんだよ。あとそれとなく童貞アピールってなんだ。」



 少しでも期待した俺がバカだった。雅史はこういうやつだった。勉強はできるくせになんでも気合いで乗り切ろうとするタイプだ。




「おっと、もう時間だな。よし、隊員諸君。会場に向かうとしよう!」



 そう言って雅史はファミレスを出て行ってしまった。



 あまりの切り替えの早さに呆然としつつも、俺は慌てて雅史の後を追いかける。



「ねぇ、僕も適当に連れ出すの前提なのっておかしくない?まぁ余裕だけどさ。」



 そう言いこぼすお姉様キラーのことは全力で無視し、ファミレスを出るのであった。


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