第4話 つまりは忘れ形見
重く暗い調度。 極めて実用的。 一切の虚飾を排して、職務のみに精励できるようにしたあった。 そんな執務室。 沈黙が、私達を押し包んでいるの。 いやね、目の前の男爵閣下が馬鹿な事を宣言しちゃったモノだから、使用人さん達、固まってるよ。 一番、困惑してるのが、私なんだけどね。
普通じゃ考えられない事よ。 ブロイ=ホップ=レーベンシュタイン男爵は、私達をこのタウンハウスに迎え私を 「 養女 」 にすると言い切ったの。 この男爵閣下って……、 馬鹿なの? 私が『娼婦の娘』って判った時点で、レーベンシュタイン男爵家の帝国での地位は崩壊するわ。 それに……。
貴族の令嬢に成るって事は……、私にとって、極めてマズい状態になるのよ。 出来る限り、避けなければ……、命がヤバイ。
「男爵様…… それは、いけない事です。 男爵様の御身に禍が降りかかります。 また、御家の未来が潰ついえてしまう事も考えられます……。 どうぞ、御考え直し下さい」
困り顔で、私が静かに ”そう” 言うと、他の人達、特に、使用人頭のお二人さん……。 メイド長のマーレさん、執事のビーンズさんが、眼を細めた。 『ちゃんと、良識と、常識を持って、反論している。 判っているではないか』って顔ね。 ミャーは……、置いてけぼりで、ポカンとした顔してる……。
「そんな事は判っている。 が、私の意思は変わらない。 ビーンズ、ソフィアの出自、韜晦、出来るな。 家の者を使うと良い。 許す」
強く、男爵様がそう言う。 ビーンズさん、有能なんだろうね、黙って頭を下げた。 でもさぁ、もうちょっと、聞くよ。 このまま、男爵家の当主さんの言葉だけで、私の処遇が決まったら、完全にアウェーで戦う事になるんだ。
いくらなんでも、それは無い。 空気は読まない。 それに、ここで聞いておかないと後々後悔する。
「何故です。 何故、私達に、其処までして頂けるのですか?」
静かに強く抗議するの。 ハッキリ言って、放って置いて欲しかった。 私とミャーの二人分、合わせて、金貨五千枚も払った人に対する態度では無いんだけど、どうしても、聞きたかった。
だってもう、私は、『君と何時までも』の「シナリオ」から離れられるように、フラグは折った筈。 マジェスタ公爵家からは、うまく逃げられた筈なんだし……。 ここで、ハッキリさせないと、知らず知らずの内に、断頭台に上る事になるからね。 食い下がって聞いてみたの。
「聞いて欲しい、君の母親は、本来、あの場所に居てはいけない人だったんだ。 彼女の本当の名前、ソフィアは知っているかい?」
「……いえ」
咄嗟に嘘をついた。 だって、知ってるって言えば、また何が起こるか判らないから。 異常事態よ。 どうしても、あの学園に向かわせたいという意思を感じるの。 世界の強制力って奴かも……。 どういった形でも、『世界の意思』は、シナリオ通りに事は進んでいけるようにって……。
『君と何時までも』の『ソフィア=エレクトア=マジェスタ』は、物語のキーパーソンだからね。 だから、私を何としても巻き込もうとしている、そういう、『世界の意思』を強く感じるの。 何となくだけどね……
「ディジェーレ=エレクトア=マジェスタ公爵令嬢が君の母親だ。 彼女を、国王陛下、王妃殿下、そして、現財務長官、現国防長官、現筆頭宮廷魔術師、さらに、彼女の兄でもある、現国務長官が、嵌めたんだ。 同じ場所で、同じ学生の立場であったのに、私は、何も出来なかった。 私は……、彼女に好意を寄せていた。 だが、アーレバースト陛下の御婚約者たるディジェーレ様に「この想い」を、伝える訳には行かなかった……。 あの場……、 ビューネルト王立学院の卒業パーティーでの無茶な断罪、それに続く婚約破棄、さらには、マジェスタ公爵家からの放逐……。 何もかも、ただ、見ている事しか出来なかった」
私は、必死に『瑠璃色の幸せ』のビューネルト王立学院の卒業パーティの…断罪シーンのスチルを思い出していた。 いたっけ? そんな熱烈にディジェーレを見詰めていた人? これ……、 世界の強制力なの? まぁ、一介の男爵の子息が、あの場でどうこう出来るとは思えないけどね……。
男爵様は、続けた。 ちょっと聞きたくないんだけどね。
「必死に行方を捜したんだ。 父上にお頼み申して上げて、家のモノまで使った。 あちらは、消えてくれてホッとしたんだろうね、だれも力を入れて探してはいなかったよ。 私が彼女の消息を掴めたのは、一年後だった。 父の跡を継いで、父の片腕となり、家のモノ達を、自由に使える様に成ったから出来たわけだが……。 事実を知った後、発狂しそうになった」
そうだよね、自分の好きだった、とても大切な人が、『娼婦』に成ってるんだもん。慰める言葉すら見つからないよ……。
「直ぐに……、助け出そうとそう思ったのだ。 だが……、 ” 金貨五千枚用意してもらわないと、身受けは出来かねます ” そう、娼館【レッドローゼス】の支配人に言われては……。 あそこで、騒動は起こせない。 レーベンシュタイン家の為にも……、 王国の為にも…… 。王国の闇を一手に引き受けている立場だったからね」
寂し気に、男爵は笑ったんだよ。 胸が切なくなるような笑顔だった。
「だから…… 私は彼女の 『客』に……なったんだ。 最初の時は……心が……震えたよ」
その話は娘にする話じゃねぇだろ…… 必要な事なのか? それ。
「吝嗇家と、他家の貴族達から嘲られるくらい、切詰めた。 必死に金を貯めた。 金貨五千枚。 幸い我が『家業』の報酬は表に出ない。 ”家のモノ” の取り分を残し、有事に使うという事で、ずっと貯め続けた…… 」
もう、なにも言うまい。 大好きな相手を「お金」で買う。 やり切れないだろうね……。 ママがお空に帰った後、男爵が絶望したのが手に取る様に判った。 ただ、一点、私の予想を大きく裏切る言葉が、男爵様の口から出た。
「最後に逢えた時……、 彼女が言ったんだ。 ”種を下さい” とな。 思いつめた眼をしていた。 避妊は娼館では必須だ。 商品価値が下がるという理由でな。 違えると、たとえ貴族でも消される。 五千枚の金貨を用意せねば、『許されるはずも無い言葉』だったんだ。 でも、なにか様子がおかしくてな……。 支配人の了承も取り付けていると言っていたな。 確かめさせて貰ったよ。 支配人からの許可は本当に出ていたんだ……。 私は……、彼女に言われるがまま、注ぎ込んだ……。 その日以降……、 彼女に逢う事は出来なかった。 娼館【レッドローゼス】から、彼女に会わせて貰えなくなったんだ。 つまりは……、 全てが……、間に合わなかったということだ」
あぁ……、そう言う事か……。 ママの最後の我儘を、” おかあさん ” が、聞いたって事か……。 判っちゃったよ。 ママが欲しがったのは、ママが『精一杯生きた証』。
お腹を痛めて、そう長くない命を更に縮める事を知った上で、『子供』が、欲しいって、言ったんだよね、 ” おかあさん ” に。 そうか……。 『 種 』を、頼んじゃったのか……。 お客様であるこの 『 男爵様 』 に……。
ママも、男爵様も、お互いに一方通行では有るんだけど……。 一応、愛されて、望まれて、生まれた訳だ……。私は。 まぁ、たぶん、” おかあさん ” の許可は、一度切りだろうね。 ママのお願いが、許可されたのは。 この人一人にしか、「お願い」 出来なかったと、思うんだよねぇ。
私の 「本当のお父さん」 だって訳か……。 なんかね……。
裏町の暴漢事件で、私を見た男爵様が、自分の愛した人に、とても良く似た私を見つけて、 孤児院で、確かめたうえで、引き取ろうって、思った訳だ。 自分の愛した人の産んだ子供である私を。 自分の本当の娘であるって確信もあって、私を引き取りたいと申し出たんだ。
……不器用な人だね。
でも、レーベンシュタイン家としては、どうなんだろう? この家にも女主人も居れば、御子息や、御令嬢だっている筈よね。 だって、男爵様、いいお年なんだもの……。 意に沿わない結婚も、御家の存続の為に必要だし。 きっと、居るよね。 そんで、私は針の筵に座る事になるんだ。 あぁ……、なんか憂鬱。 取り敢えず、どんな人達なのか、何処に住んでいるのかくらい、聞いておいた方がいいよね。
「あの……、男爵様」
「なにか?」
「男爵様の御妻女、御令息、御令嬢は?」
「私は独身だが?」
「えぇぇ?」
いや、まて、その年で独身って……。 何が有ったんだ? 普通は、家督を継ぐ前に、婚約なり、結婚なりするだろ? そんで、子供を儲けて御家の安泰を計るんだろ? 私の疑問を感じ取った、男爵様が口を開いた。
「王国は……、 もう、我が家……、 レーベンシュタイン男爵家が『家業』として行って来た、裏の仕事を必要ないと切捨てたのだ。 私は一介の辺境領の、それも無役の男爵に成下がっている。 君がたとえ私の『娘』に成ったとしても、君にこの家を継げとは言わない。 それだけは確定している。 君は、君の母上と、君が本来受け取るべき幸せの……、その何百分の一で有ろうと、受け取るべきなのだ……。 私の力の無さが、ディジェーレ様を、そして、君を、ここまで苛んだのだ。 陰に生きた私からの……、王国からの償いと思って、受け取って欲しい……」
なんで、この人はそんなに自分を責めるんだ? 私達の事は、最初から最後まで、男爵様のせいじゃないだろ? 全部「瑠璃色の幸せ」の登場人物たちの思惑だったんだろ? 男爵様は、単に傍観しか出来ない立場だったんだろ? なんで、其処まで、思い詰めているんだ?
ママを……、 愛していたからか?
ママに対する、『 愛 』 故なのか? それとも、なにやら後ろめたい、『 家業 』とやらの、代償行為なのか? 自分の王国での地位や爵位を危険に晒してまで、娼婦の娘を、出自を誤魔化してまで自分の娘にするって…… アンタには、領地に、領民に対する責任ってもんが在る筈だろ?
……お貴族様って……。
どこまでも、甘ちゃんなんだなぁ。 ロマンチストなのか? 現実を見てないだけなのか? どうにも、この人、危ない橋を渡りたがってる様にしか見えないよ……。
でも…… 一つだけ確かな事がある。
この人と、マジェスタ公爵家は何のかかわりも無いって事。 たとえ「世界の意思」が、私を巻き込んでいるにしろ、注意深く行動すれば、なんとか最悪は回避できそう……かな??
判った。 そこまで云うのなら、受け取るよ。 男爵様の『 好意 』をね。 そんでそれは、ビーンズさん、マーレさんも、理解したみたいだったよ。 まぁ、私が増長すれば、叩かれるのは、私だしさっ……
そうだ、もう一つ、聞いておかなくちゃ!
「なぜ、ミャーを一緒に連れてこられたんですか? 一連の出来事で、そこだけが理解できません」
ハッキリと疑問を口にした。 そうだよ、ちゃんとしとかないと、ビーンズさんも、マーレさんも、困るよね。 ミャーの扱いにも、苦労するだろうしね。 だから、きちんと口に出して聞いてみた。
「あの場で…… 暴漢が君達を襲うという危険の中で、この子は、君を護ろうと、「爪」 を出した。 見ていたよ…… 孤児院の子供なら、どんな相手に対しても危害を加えては成らない事は知っている筈だ。 また、獣人族が付けている『チョーカー』には、それを抑制する呪印も施されている筈だ。 ……あの時、相当痛かっただろ? そんな想いをしても、その子は、ソフィアを護ろうとした。 我が家には侍女の余裕はない。 この子には、護衛侍女になり、君専属に付いて貰おうと、その時、思ったのだ」
それにしても……。 金貨五千枚分の価値が私達に有るのだろうか? 甚だ疑問だ。 でも、まぁ、取り敢えず、ミャーの処遇も考えての事だったと受け取っておこう。 そっち関係で、引き取ったわけじゃ無いって判って、胸を撫でおろした。
「質問は、以上か?」
「はい、男爵様」
「こちらからの要望が一つある」
「何で御座いましょうか?」
「私の呼び方に付いてだ。 私の事は、『男爵様』ではなく、『御父様』だ。 いいか?」
少し声を震わせ、そう言い出した、男爵様。 いいも何も、そう命じられれば、そう呼びますよ? そう言うプレイ有りますもの……。 それで、満足して頂けるのならね。 それに……、 本当の御父様らしいしね。
「はい、承りました、御父様」
にこやかで、晴れやかな笑顔が、男爵様の頬に浮かび上がった。 デブのブ男なんだけど……憎めない笑顔だったよ。 その笑顔を見て、マーレさんも、ビーンズさんも、つられたように笑顔になった。 なんだ、いい人達じゃん。 宜しくお願いします、これからは!
***********************************
こうして……。 私は娼婦に成る道筋から離れる事が出来た。 さらに、最下層と言えど、お貴族様の仲間入りを果たしてしまったよ……
レーベンシュタイン男爵令嬢となった私は、マーレさんとビーンズさんに、礼法とか、勉強とかと見て貰った。 まぁ、男爵家の家格に恥じない様にする為なんだけどね。
ママの記憶が有るので、侯爵令嬢としての礼法とか知識はバッチリ。 その上ね、先の御妃様からの薫陶も受けていたらしく……。 なんと王族の礼法までバッチリ。
ママ……。 ドンダケ優秀だったんだ……。
もう一つ受け継いだ物が有るのよね……。 これ、使えるかどうか判んないけど、『魔法使い』の資質。 いろんな魔法とか、呪印とか、それこそ書きだせば、一つの魔術体系が出来上がるほど、私の脳ミソに刻み込まれてた。
普通の令嬢が持つには、ヤバい程…… ビーンズさんが魔法の手ほどきをしてくれたから、とっかかりは直ぐに理解した。 そんでね、後は、独学でいいやとか思ってた。 と、いうより、学ぶ前に判っちゃった……。
表に出せば、王国史上、最年少の宮廷魔術師に任命されるの、間違いない位。 だから、隠したの。 「平凡」且つ、とっとと舞台から抜け出す為にね。 ヤバい能力は隠す。 これは、こっちでの生活で身に着けた処世術。
娼館でも同じなんだよ。 これぞってお客を見つけるまでは、ブー垂れて、金払いイイ、 ” 太い客 ” にのみ、極上の笑顔と接待。
そしたら、その ” 太い客 ” が、勘違いして、自分だけに好意を寄せてくれているって思ってくれて、御身代、傾けるくらい、貢いでくれるんだよ。
だから、必要な人以外には「隠す」の。
本心と能力をね。
************************************
ジッと観察するに……、 レーベンシュタイン男爵家は、斜陽。 先も無く、当代、ブロイ=ホップ=レーベンシュタイン男爵が、身罷られたらハイ其れまで。 だからかもしれないけれど……。 なんか、この家って退廃的な香りがするのよ。 そう、どことなく投げやりと言うか……
だから、ちょっと意識改革しといた。
「御父様」
「なにか? ソフィア。 欲しいものでもあるのか?」
「ええ、御座います」
「贖えるものだと良いのだが」
「御父様のご健康ですわ。 今の御父様は、余りにも御太りになって居られます。 わたくしと一緒に、散歩など如何でしょうか? いずれ、御父様の 『技』 を伝授して頂ければ、嬉しいのですが?」
御父様、肉に埋もれた眼を丸くしてるよ。 でもね、ほんとに太っているんだよ。 心筋梗塞か、脳溢血か、それとも、高脂血症、腎臓結石、糖尿病、高血圧…… なんか、いろんな病が頭に浮かんだのよ。 そんで、私が成人する前に呆気なく死んじゃったら、問題だらけになるでしょ?
だから、健康になって欲しかったのよ。 きっと、この巨体は、暴飲暴食から来ているんだよ。 原因は…… ほら、この退廃的な雰囲気なんだよ。 王国から見放されている、今までの男爵家の貢献を無価値とされているって事に対してね。
無駄じゃ無いよ。 ビーンズさんに教えて貰った、この家の役目だったモノ。 御父様の能力も。 若い頃は、ブイブイ言わせていたんだってね。 聞いたよ。 国王陛下には『要らない』って言われたらしいけど…… でもそれは、予防措置だったんだよ。 王国が健康的でいる為のね。 この家の価値はそこに有ったんだよ。 だけど、当代の国王陛下には其れが見えない。 見えないばかりか、無駄と切り捨ててしまったのよ。
じゃぁさ、いっその事、独立して運用してしまえばいいじゃない。 って思う訳よ。 民間のギルドの後押ししてね。 有るんだよ、そんなギルドが。 私は知ってるんだ。 裏の世界でも一目も二目も置かれているギルドが有るって事をね。 娼館に居たから、その世界の事も、良く知ってるから。
――――――
御父様と散歩を始めてからね、厨房の人にお願いして、野菜を多く肉を少なくして貰ったの。 スープは具沢山にして貰ってね。 私はって言うと…… 御父様との距離を詰めてみたのよ。
御父様の領地って、もともと、領地の仕事は専門の人達がいて、代々の当主様はあんまり、関わってこなかったんだらしいのね。 その代り、その、「男爵家のお仕事」に、専念してたらしいのよ。 だから、その「お仕事」を取り上げられた御父様の時間は、有り余っちゃっててね。
だから、お勉強の他の時間は、ずっとべったりする事にしてたの。 それで、お庭とか、公園とかを歩きながら色々とお話したのよ。 御父様は、私に、ママの影を重ねるの。
そうね……。 つまりは、忘れ形見。
それでも、いいのよ。 長生きして後ろ盾に成ってくれたら。 で、少しづつ吹き込んでいったの。 レーベンシュタイン男爵家を必要とする組織が有るよって。 【暗殺者ギルド】が、その組織。
レーベンシュタイン男爵家の子飼いの人達、何人かはそっちに流れている筈だよ。 で、仕事して、恨み買っちゃう人とか、素性がバレちゃう人とかいるじゃない。
そんな人たちの受け皿になってあげるのよ。 ほら、わたしの素性書き直したでしょ、あんな風に。 魔法使いも居るし、医術に特化した人も「家の人」には居るから、顔だって、経歴だって、自由自在。
ね、WIN-WIN の関係性保てるよ。 高位貴族やら、豪商の人達だって使ってるんだし、いいじゃん。 そんな事をちょっとづつ、吹き込んでいったのよ。 甘い声でね。 洗脳って訳じゃ無いけど、自分の価値を見失ってたから、御父様。
見事に嵌ったわよ。
結局その一環として、ミャーが、暗殺者ギルドに登録されちゃったけど、あの子喜んでたよ。
「ヤッホイ!! 後ろ盾が出来た!! ミャーは頑張るよ、この爪に懸けて!!」
やっぱ、あの子、戦闘民族だわ。 御父様がミャーによく言って聞かせてた。 ミャーは、私の盾であり、剣だって。 だから、その時が来るまで、使うなって。 彼女の潜在能力を見たのね。 訓練は暗殺者ギルドでするって。 立派な暗殺者になってね!
で、私……。
御父様、張り切ってらっしゃるし、もういいかなぁ って思ってたら、「技」を、伝授するって。 ……また、大変な授業が増えたよ。 でも、ママと私の記憶にも知識にも無い事だから、とっても嬉しくって……。
のめり込んだわ。
「御父様」との、楽しい時間に。
ブックマーク、感想、誠に有難うございます。
本当に、嬉しいです。 励みになります!!
^^^^^^^^
世界の意思による、個人の運命への介入によって、ソフィアは男爵令嬢となってしまいました。 しかし、その事を受け止め、生き残る為に彼女は貪欲に ”学び” 続けます。 自分に出来る事を精一杯 身に着け、来たるべき時に対処できる、”力” と、 ”能力” を得る為に。
日々、強く生きて行こうと、もがいております。
ガンバ!
それでは、また明晩、お逢いしましょう!