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第141話 「 百年条約 」  7






 大協約への理解の「審問」が行われるのは、「試練の回廊」の城壁内。 「試練の西城壁」の様にデカい空間が内包されている訳じゃ無いの。 此処の施設本来の役目は、「試練の回廊」内にある、各砦に新鮮で清浄な「水」を送る施設なんだよ。




 いわば浄水場。




 各砦までは、地下深くに埋設されている水管を使って送り出しているんだ。 まぁ、めっちゃ深く埋設してるって。 各砦が地下深くにその主要部が有るのは、その為。 兵士の皆さんが、誰しも水の魔法を使えるとは限らないからね。


 使える真水が有るのなら、シャワーも完備できるし、衛生面でもどうしても必要なモノだったんだものね。 さすが、オブリビオンの魔族……。 やりおる。


 荷馬車は、指定されている門を抜けて、内部に入るんだ。 一気に水の気配が濃くなるんだよ。 う~~~ん、久しぶりの感じ。 乾ききった荒野を行くと、こんな水分を大量に含んだ空気がとても、とても、恋しくなるんだ。 




         お肌だって、パリパリになるしね。




 荷馬車を所定の位置においてから降り立つと、其処に魔人族の人が待ち受けていたんだ。 間違いなく、官吏だよ、この雰囲気。





「お待ち申し上げておりました。 この度の異例の「審問」にあたり、この施設まで来て頂く事に成りました事、深くお詫び申し上げます。 「審問」にあたり、必要なモノを「試練の回廊」の中に持ち込むことは、許されておりませんので、この境界の場所を指定させて頂きました。 どうぞ、お許しを」


「誠にもって痛み入る。 私は、この使節団の代表である、サリュート=エルガムです。 よろしくお願いする。 異例の「審問」となり、誠に申し訳なく思っている。 対応して頂き、感謝の極み。 その為ならばいかなる場所にも参じる覚悟は御座います。 どうぞ、お気遣いなく」


「誠に……。 では、こちらに」





 その魔人族の人、私達を先導して、奥へと向かったんだ。 途中、ココの空気の中にある水気が多い理由が分かったのよ。 巨大な……、 本当に巨大な、魔法の水玉が、見える限り20個近く浮いててさ、其処から莫大な量の水が流れ落ちてるんだ。 これだけの水玉…… 魔法で描き出すにしても、相当の魔力を消費するよ…… それに、かなり高位の魔術師でないと、こんなの無理だしなぁ……。





「此処には、オブリビオン全土に散らばる、魔王国の中から、水魔法に長けた高位魔術師が派遣され、この水玉を生成しております。 持ち回りでは、有りますが、中々に面倒で御座いますね。 しかし、「試練の回廊」に散らばる、兵士たちの事を想えば、これしきの事、何でも御座いません。 足元にお気を付けください。 多少濡れております故」





 い、いや、そうなんだけど、めっちゃ綺麗なんだよ……。 整理、整頓、清潔、清掃、躾……。 5S運動の見本みたいな職場だよ……。 まぁ、浄水場が汚かったから、役にも立たないけどさぁ……。 に、してもだよ、こんな清浄な空間、ミッドガルドじゃ、教会の大聖堂だって、無理かもしれないよ……。


 歩みを進めていくと、扉があり、その中に招き入れられるんだ。 中は……うん、中央制御室みたいな場所。 デカいパネルみたいな石板がデーンってあって、その上に、魔力で描かれた線が幾つも這ってるんだ…… 





「此処で、水の分配を致しております。 どこかの水管が破れた場合、砦が何らかの出来事で使用が出来なくなった場合、此方で水管を閉鎖し、無駄な水を流さない様に致しております」


「……全て、魔力で?」


「ええ、各魔王様配下の凄腕の方々のお陰に御座います。 この部署は、いわば要。 普段は深く深く隠され、「人族」の方々には認識さえ出来ぬようにしております」





 そうだよなぁ……。 ここ押さえたら、他の砦は一切合切、無力化されるもんなぁ……。 報告しない様に、文書に残さない様にしなきゃね。 サリュート殿下と視線を合わせ、ちょっと、念話でお話してみる。




 ”大事な場所ですね。 後から来る方々が、ココの存在を、お知りに成ったら――― ”


 ”知られないと思う。 報告書は私が書くのでな。 異例の「審問」についても、ミッドガルドの者達が知る事は無いだろう ”


 ”なるほど……、 左様に御座いますか。 承知いたしました ”




 判ってらっしゃるようで、何よりだよ。 うん、今回の「審問」については、何から何まで異例。 ミッドガルドの各国には、普通通りにやりましたよって、報告するんだよ、この殿下は。 まぁ、そう言うしか無いよね。 こんなに少人数だって言うのも伏せられている筈だから……。


 隠し切れるのかどうかは知らん。 そう、努力するって事だよ。 中央制御室的な所を抜けて、廊下を歩いて、割と大きなお部屋に通されたんだ。





「皆様におかれましては、ここの審問を受ける方と、聖女ソフィア様以外は、滞在施設にお連れする様に申し渡されております。 大部屋と、個室が御座いますが、如何されますか?」


「―――出来るだけ、固まっておいた方が良いと思われるので、大部屋としたいのだが」





 サリュート殿下がそう答えるの。 まぁ、そうだよね。 この殿下、どんな時にも警戒心を解かないんだもの……。 にこやかな笑みの下に、きちんと鎧を着込んでるからねぇ。





「承知いたしました。 お食事はそのお部屋にお持ち致します。 また、入浴施設、トイレ、多少の娯楽設備は完備しておりますので、どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。 また、御用の際には何なりとお申し付けくだされば、部屋付メイドが対応いたします」


「何から何まで、申し訳ない」


「大事な使節団の方々ですので。 聖女ソフィア様、それと、この諮問を受ける方は、ココでお待ちください。 では、ご案内申し上げます」





 丁寧に頭を下げて、魔人族の方は出て行かれたんだ……。 取り残されたよ。 思わずエルヴィンと顔を見合わせたよ。 一体、なにが起こるんだ?


 別の扉から、長身の顔色の悪い、魔族の人が出て来た。 私達の前まで着て言葉を紡ぎ出されたんだ。





「エルガンルース王国、「百年条約」更新使節団。 ようこそ。 わたくしは、魔人王、アレガード様の配下。 高等弁務官のマルキド=エム=ドラキュリア と申します。 公爵位を魔人王の盟主様より、授かっております。 どうぞよしなに」


「ミッドガルド、エルガンルース王国、百年条約更新使節団。 「証人官補」にして、法務官、及び、文章官として参加している、エルヴィン=ヨーゼフ=エルグラントに御座います。 王国より、子爵位を授けられております。 何卒、宜しくお願い申し上げます」


「 正規の「証人官」として参加しております、ソフィア=レーベンシュタインに御座います。 どうぞよしなに」





 私達二人を、深紅の瞳で見下ろしていた、ドラキュリア公爵様。 うむと頷くの。 えっと、ちょっと待って……。 ドラキュリアの家名って……。





「我が名を名乗っても、気負わぬとは、流石ですな。 神祖のドラキュリア伯爵の【威圧】を前にあっても、変わらぬ「その胆力」には、驚きを覚えます。 では、ついて参られよ。 あなた方に課せらる、「審問」について、ご説明しよう」





 ほら、やっぱり、超高位貴族だよ……。 神祖ドラキュリア伯爵って事は、ミッドガルドの御伽噺にも出て来る、吸血鬼族の開祖の事だよね……。 そんで、この方は、その直系の御子孫……。 へにゃぁ~~~~。 次から次へ、どうして、こうも大物ばかりなのよ!


 マルキド=エム=ドラキュリア公爵様に連れられて行ったのは、図書館の様な場所。 書架が円形に、階段状に配され、何階分もあるんだ。 部屋の中央にデカいテーブルが四つ、小空間を形作る様に配され、さらのその中央部に、大き目の机と、向かい合う椅子が二脚。


 たぶん、あそこが主戦場になるんだよね。





「トイレ、入浴施設、仮眠部屋は、彼方の扉の向こう側にある。 食事は、軽食をいつでも食せる様に、彼方の部屋に準備してある。 この部屋の中は、飲食は禁止なのだが、長丁場になる事を鑑み、中央のテーブルでのみ、飲み物を持ち込むことを許可する」


「はい」


「「審問」は、君の知識と、運用能力。 特に、大協約についてだ。 相手は、私を含む十人前後の弁務官達と思ってくれて結構」


「ドラキュリア公爵! 十対一で御座いますか!」





 私の非難の声に、公爵閣下の肩眉が、大きく跳ね上がるの。 でも、そんな事気にしちゃいられない。 無謀よ、十対一なんて!!





「聖女ソフィア殿? 此方の、エルヴィン殿の対応力をつぶさに見る為には、必要な手段。 お間違えなさるな、これはあくまでも、知識と知恵を審問する為の処置。 彼に危害は一切加えない。 彼に対しては、何の魔法も掛けない。 この部屋と、付随する小部屋は、「審問」の間、封鎖される。 如何なる者も、この中には入れぬ」


「ぐ、ぐぅぅ」





 ぐぅの音も出ない私を、涼やかに笑いながら、エルヴィンは、高らかに宣言しやがったんだ。





「レーベンシュタイン。 知識と知恵だ。 いいではないか。 《ノルデン大王国》での、議論を思い出す。 ――――― ドラキュリア公爵様。 わたくしの準備は整いました。 何時でも」


「聖女ソフィア様。 貴女は、この方に如何なる助言をお与えに成っても構いません。 いや、するべきに御座いましょう。 貴女は、此方の社会をつぶさにご覧になられた。 我らが意図する質問を、正確に、彼に伝えて貰わねばなりませんからな」


「――――――御意に」


「では、始めましょう」





 うへぇぁぁぁぁ、高等弁務官にして、公爵閣下が自らお相手かよ……。 エルヴィン……大丈夫か? 着座するエルヴィン、正対して、着座する弁務官の魔人族の人……。 ええぃ、ままよ! 如何にかするしかない。 そう、如何にかね!! 





    勝利条件のわからん勝負は、嫌いだ!!!!




 正対して座る、エルヴィンと、魔人族の弁務官の前に、羊皮紙が配られる。 何やら色々と書いてあるよ。 「審問」の為の議論のテーマか……。 互いに、羊皮紙の内容を読み合う事から始めるんだ……。



    いよいよ、口頭での「審問」が始まったよ……。






 ====================





 高等弁務官様と、弁務官様達。 真剣で、真っ向からの質疑応答。 質問の意味を違えずに、エルヴィンにお伝えする。 補足説明しながらね。 比喩も使ったし、全く、まっさらな知識として、お伝えもしたんだ。 


 石の様に頑固だと思っていた、エルヴィンは、海綿の様に私の言葉と、このオブリビオン世界の ” 常識 ” を吸い込み、理解し、自身の持つ知識と知恵に混ぜ込んで……、 一度の会話で、全てを飲み込んでいったんだ……。



 何者なんだ? エルヴィン(コイツ)……化け物か?





 総論、 概論、 条約、 規約、 特別条項、 変則片務条項。


 違反規定、 違反罰則規定、 罰則執行規定、 戦時交戦手順。


  ” 前線における軍令と一般法典との整合 ” 


 とか、色々色々……。 そして何よりも重要なのが、





    ―――――  大協約  ―――――





 ご飯の時間、寝る時間、お風呂の時間、そんで、トイレの時間も……。 何もかんも吹っ飛んだ。 もう、何刻(どのくらい) 立っているのかも、座っているのかも、資料を集めているのかも、その資料を読んでいるのかも――――訳が判んなくなって来た。


 四つ集められて来た、テーブルはいつの間にか本の山に成ってたし、羊皮紙とインク壺と羽ペンは、私の手から離れないし……。 


 予算関連の法令の時なんて、過去の疑獄事件の国家予算の資料を全部って、あんた、何年分なのよ……。 くそっ! 集めたよ! 必死になって集めたんだよ。


 刻々と目の下のクマは濃くなっていく。 私も、エルヴィンも。 でも、頭の中は澄み渡っている感じがする。 質疑に対しては、それに関連する資料の位置が、何となくだけど、わかるようになった。


 この馬鹿デカい図書館みたいな場所の、何処に、何が有るのか……。 それすら、把握できるようになったよ。 あちらの偉いさん……反対意見が出るたびに、新たな着眼点が出るたびに、そこらじゅうを走り回ってるんだ。


 ドラキュリア公爵閣下も、エルヴィンに直接対する事が幾度もあったんだ。 主に大協約関連でね。 その場合は、私が貸し出した、何冊もの大協約の原本に顔を捻じ込んで、対応してる。


 あっ、弁務官の一人が倒れた! お仲間さんが、仮眠室に連れてった……。いいなぁ……。 私も、倒れたいよなぁ……。





「レーベンシュタイン、すまん、回復薬を……」


「はい……」





 飲み物に、体力回復薬を混ぜたのを渡す。 あぁ、私も飲んでるよ! ガッツり、瓶ごと呷ってるよ。 頭の中に、某栄養ドリンクのBGMが鳴り響いてるよ。 ” 戦えますかぁ~ ” ってね!!  栄養ドリンク飲みながら、残業こなして、何日も家に帰れなかった時の事を思い出したよ……。 ブラック企業かっ  此処は!!! 





「すまん、ココの解釈は、どうするんだ? 俺の知ってる法典には、無いんだ」


「えっとですね……。 これは、この分野では御座いませんわ。 戦時交戦規定の中にあると思いますが……」


「あぁ、あっちか……。 すまん、ちょっと、ボーッとしてた……」





 なんて会話が始まるくらいなんだ。 もう、フッラフラよ。 ちょっとでもいいから、仮眠取らせてくれないかなぁ……。 ダメだろうなぁ……。 あっちと、こっちじゃ、土台人数が違う。 あっちは倒れたら、変わりが居るけど、こっちはいないもの。 エルヴィンが倒れるまで……。 と言うか、休憩と言いだすまで、私はそばについてなきゃなんねぇしなぁ……。


 ――― ミャー ゴメン。 私、なんか有ると、徹夜で頑張ってたもんね。 護衛侍女の貴女が、何時も居てくれたから、周りを気にせず、出来たんだよね。 貴女、何時眠っていたの? こんなに大変だったの? いや、マジで ――――ゴメン。 


 帰ったら、思いっきり甘やかして……、 いや、眠ってもらおう。 ゆっくりと、ミャー自身の時間を取ってもらおう……。 うん、そうしよう。 じゃ無いと……、



 ミャー・・・が―――。 こ、壊れる~~~~~~!!!!






 ^^^^^^^^^^





「審問」は、五日間。 ほぼ、飲まず食わずで続いた。 あちら側の弁務官、最後には一人に成ってた。 ドラキュリア公爵様も……、 遠い目をしてた。 エルヴィンは、目をランランと光らせた、レイスみたいに成ってた。 



   意識を繋ぎ止めるのに、必死って感じ。



 私は……、あははは、仰向けにぶっ倒れた! もう、無理~~~~。 流石に五連続徹夜は無理~~~~。 三日目くらいから、何度か意識飛ばしてた~~~~。 時間の感覚も無くなってたぁ~~~~~。 顔だけを、中央に居るエルヴィンの方に向けてんのよ……。 


 そのエルヴィンも、フラフラだけどね。 じっと、ドラキュリア公爵閣下と目を合わせ建てた。 公爵閣下が、口を開かれ、言葉を紡ぎ出されたんだ―――。





「エルヴィン殿。 貴方の知識、知恵。 大協約への理解は、誠に素晴らしい。 貴方ならば、我が君の側へ、推挙することすら、問題無いでしょう。 いや、我が・・貴方と・・・ 一緒に仕事をする事すら、望んでしまいます。 しかし、その能力はエルガンルースの為のモノでしたね」


「はい、公爵様。 我が能力は、エルガンルースの民の為に存在しております。 古より、人族の貴族は、精霊様の御加護と慈しみを民に届ける為に存在するもの。 わたくしも例外では御座いません。 民の混沌として、力強い想いを、純化し、精霊様に届けるのが使命……。 心に刻み、忘れる事は、御座いません」


「宜しい。 エルヴィン殿。 大協約への理解の「審問」は、成りました。 貴方は法典の、そして、大協約の担い手。 「人族」の規律の鏡。 私は強く進言しましょう。 貴方の能力は、魔族をも上回ると。 我が仲間の弁務官が、消耗の末離脱してしまった事、申し訳なく思います。 賛辞と、敬意と……、 そして、友誼を」





 テーブル越しに、手を出されるドラキュリア公爵閣下。 その手をしっかりと握り返すエルヴィン。 よし! 合格したぞ!!! 私達……、 いや、エルヴィンはやったんだ!!! うれっしい~~~! でも、ねみ~~~~!!!


 エルヴィンも限界なのか、固まった握手をそのままに、テーブルに突っ伏しやがった。 公爵閣下が、声を上げて、封鎖呪文を解いた。 メイドさん達が我先にやって来て、そこらへんに転がってる弁務官さん達を、そして、私達をつれて、外へ出たんだ……。


 扉の所で、公爵閣下が私の側に来たんだよ。





「お疲れさまでした。 聖女ソフィア、貴方の助力が無ければ、彼はこの結果を出せなかったでしょう」


「いいえ、それは違います。 閣下。 わたくしはあの方を知っております。 ご自分の立場、貴族の矜持を思い出された。エルガンルースの漢は、強いですのよ? 護るべき者を知る、漢は……。 その力を十全に発揮しますわ。 わたくしは単にお手伝い。 そうで御座いましょ?」


「「証人官」ソフィア殿としては?」


「……彼の者が「審問」時にお答えした内容、精霊様達の御心に従います。 彼の者は心を世界の理に沿わし、生きとし生ける・・・・・・・もの全て・・・・に心を砕ける者と、判断いたします。 よって、「審問」の間中、彼の者には『邪心』は無く、彼の者の全てで有ったと、証します」


「……判っておいでだったか……。 貴方の御役目も……」


「勿論に御座いましょ? わたくしは、正規の「証人官」に御座いましてよ? 「審問」の間中、常に精霊様のお声が聞こえておりますもの……」


「はっ! 強き御方だ!! 流石は、アレルア卿が、オブリビオンの「審問官」に推挙しただけの事はある! あ奴にも、伝え置くぞ。 聖女ソフィア。 貴女は、貴方の為すべき役割を成したと。 いやはや、この度の「審問」は何もかもが、「異例」づくしだ! しかし、心地いい! ごゆるりとお休みなされ。 ごゆるりとな!!」


「ありがとうございました……」





 其処まで知ってたんだ……。 なんかホッとした。 意見を求められたのは、今回が初めてだけど、都度、精霊様には、「証」を立てているんだよ……。 でも、やっと、やっと終わったよ。 今回の「審問」 疲れすぎた……。





        もう目を開けていられない……。




          身体から力が抜けて、





       眠気が、私の意識を刈り取ったんだ……。











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