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記憶の彼方から ” あの人に逢うために ”  作者: 龍槍 椀
ビューネルト王立学院 一年生
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第14話 新入生歓迎 舞踏会





 煌びやかな 「ボールルーム」 だよね! 




 流石エルガンルース一番のビューネルト王立学院が誇る、ボールルーム。 王宮のそれにも引けを取らないって、噂があるくらいだもんね。 高位貴族の人達がこぞって出席するのは、宮廷に知られない様に、” 情報交換する場所 ” にも、成ってるからなぁ……


 実際にこの場所の記憶はある。 ゲーム内でも来た事有ったよ。 色んなイベントでね。 対決シーンだったり、愛を囁き合うシーンだったり。 その記憶は取り敢えずこっちへ置いておくよ。 今の私には、必要ない情報だもの。


 なんか、食べ物も気合入ってるし。 こりゃ、食べないと!! 美味しそうなモノばっかりじゃん!!  制服組はね、個々で行っても、悪目立ちするだけ。 その上、上位貴族様達の注意を引く可能性も有るのよ。 まぁ、噂話や、当て擦りが大好きな人達でしょ? 



    草食動物(狩られるモノ)は、固まって移動が、基本よねぇ~。



 社交の場としての「ボールルーム」は、低位貴族の者にとってはあんまり気安い場所では無いからね。 常に、上位貴族からの上から目線と、出し抜こうって考えている低位貴族同士の火花がバチバチ…… 面倒なんだよ。 


 制服組は、新入生だけでなく、上級生も居たね。 乗合馬車の中でも、私達が制服で出席するって話をしてたからね。 それを聞きつけた、同じ乗合馬車組の上級生の人達も、便乗したって訳ね。




「ソフィア、上級生の方々も君に感謝しているらしいぞ?」


「なんでまた? 何もしておりませんわ?」


「君が制服で出席する、制服は学生の正装だから、何も恥ずべきところは無いって、言い切ったろ? あれを、上級生の方々も聞いてたんだ、食堂でね」


「……手元不如意な御家も沢山ありますし……」


「それでなくても、乗合馬車組は孤立しがちだからね……。 入寮組は、上位貴族の方々にべったりだし。 服装だって、どうしても華美になりがちだ」


「あちらの方々だって、そんなに余裕がある訳じゃ無い筈ですのに」


「そうだよ、だから、奴等の趣味に合わない、流行おくれの変な恰好をして来る乗合馬車組を馬鹿にするじゃないか?」


「あぁ……。 誰かを下に見ないと、自分が惨めになるって事ですね」


「……直接的だな。 そんな所だろうな。 目標(攻撃対象)は、孤立しがちな乗合馬車組。 たとえ蔑んだとしても、誰もかれも一人きりでは対応できないからな」


「わかります……。 あの、華やかな花のような方々にとっては、乗合馬車組の人達は、花にたかる羽虫の様な物……位でしょうか?」


「さらに、酷いな。 認識としては間違いでは無いが……。 去年までは、ずっとそうだったと、聞いている。 俺には上に兄がいるだろ? 学園の舞踏会の度に、何度 ”泣き言” を、聞かされてきたか……」


「まぁ! それは、大変でしたね」


「それを、打破したのが君の言葉だ。 「制服は正装」 すっかり忘れていたが、そうなんだよ。 男性も、女性も、学園に居る限り、()、学生だからね。 舞踏会のドレスコードが、「 正装 」 を要求して来るなら、制服で十分だったんだ」


「無い袖は振れませんし、有る物は利用しなくては」


「身も蓋もないな、君は……。 その潔さが、上級生を含む、乗合馬車通学組を助けたんだがね……」




 そう言って、ルークは、周囲を見回したのよ。 ほら、私達、低位貴族の乗合馬車組は、こぞって制服だったし、さらに、制服組一所に固まっていたの。 別に整列してた訳じゃ無いんだけど、何となくね。 


 女性も、綺麗にお化粧して、髪を結っては居たけど、着ているモノは制服。 ちょっと、派手目にした何時もの恰好でね。 でも、……皆さん、表情が柔らかいの。 なんか、肩の荷が下りたって感じ。 


 今さっきまで、気が付いてなかったけど、制服組でね、上級生の人と、新入生が自己紹介し合ってたり、なんか、和気あいあいとしゃべくっているのよ。マッタリとそのやり取りを聞いて居たら、ドロテア=マーマレード=テラノ男爵令嬢 が声を掛けて来たのよ。 私に学園の ” 噂話 ” とかをもって来てくれる子なんだけどね。




「ソフィア様 凄い光景ですね。 私も兄に聞いては居りました。 ”ドロテア、覚悟しておけよ ” ……って。 ”早く友達を見つけないと、この新入生歓迎会で、低位貴族への洗礼を受ける事になる ” ……って。 先程の、ルーク様の御話を伺って、その意味が解りましたわ……。 よかった……」




 綺麗な微笑みを私に向けてくれたのよ、そう言った、ドロテアがね。 この子の情報網は結構有用よ。 ミャーに裏とってもらった事有るんだけど、噂話の中から、正確な情報掴んでんのよ。 きっと、先程言われてた、彼女の【お兄様】、グラーフ=ネール=テラノ様との、共同作業ね。 




  宮中取締りの下役である、テラノ男爵家の為にも、必要な能力なのよね。




 そっか、私らの上下間も緩やかに、連帯取れて来たか……。 気には成ってたんだよね。 これで、まぁ、乗合馬車組は、何となくただ、「やられる」だけって、存在ではなくなったよね。 ちゃんと、「群れ」の形成が出来たかな? ビューネルト王立学園っていう、伏魔殿の中では、必要な連帯よね!




 時間は過ぎていく……。 もうすぐ、開催の挨拶だった。




 誰が、挨拶するんかいな? って思ってたら、現生徒会長様が、王族だからって理由で、ダグラス第二王子に、「その役目」を、渡されたよ。 まぁ、無難だね。 たとえ、十二歳だって、王族だからね。


 遠くの方で、なんか言って居られた。 内容は……、 遠すぎて良く聞こえん。 まぁ、宜しくねってこったよね。 前方の高位貴族の皆様方が、物凄く盛り上がってらっしゃるよ。 こちとら、低位貴族の更に後ろに居るから、な~んも聞こえん。


 あの盛り上がり方だから、きっと、開催のご挨拶なんだろうかね。


 ボールルームの真ん中が大きく開いて、ダグラス王子が誰か知らんけど、可愛い感じの女の子と一緒に真ん中に出たよ。 あぁ、そうか……ダンスだね。 さて…… あの子、誰だ? あの子が、「世界の意思(シナリオ)」の生贄になったのか?



 情報と、噂話には強い、ドロテアに聞いてみた。




「殿下のお相手? あぁ、ソーニア=レ=エレクトア=マジェスタ公爵令嬢 ですわ。 ダグラス第二王子の婚約者候補筆頭だとか……。 マジェスタ公爵様の強い希望との、御噂が有ります」




 なんか、ちょっと意地悪そうな顔してた。 ハハァ~ン、あの子が私の代わりか……。 ソーニア? なんか……聞き覚えあるなぁ……。 何だっけかなぁ……




       ……


            ……


    ……!




「ドロテア様? あの方もしかして、ソーニア=マルグレッド=コローナ伯爵令嬢だったのでは?」


「あら、ソフィア様、よくご存じで。 ええ、そうで御座いますわよ。 マジェスタ公爵家に養女に入られたの。 ほら、貴女が拒否した、養女の話をね、彼女の御家は受けたのよ」




 ……そうか……彼女か……。 私の代わりは……。コローナ伯爵家かぁ……。恨みを募らせやすい家系では有るわね。 あの伯爵家って、一昨年の大災害の時に一番被害が大きかった地域に領地がある御家だし。 武門の御家だったよね、確か……。 そんで、領地の周りは伯爵領やら、侯爵領だから、他の御家からの合力ごうりきにも期待できなくてね……。 それぞれが、それぞれで手一杯……。


 王国からの手助けも、王宮文官の権力に近い、伯爵様、侯爵様やらが分捕って、武官の御家柄、そんな事に疎かだったから、かなり、家計が逼迫してるって……。 御父様のあの大災厄の覚書にあったわよね。 


 付け込まれたか……。 援助資金の見返り、と言うか、ダグラス第二王子と同学年だからか、標的にされたんだ……。 あのマジェスタ公爵閣下にね。 きっと、私が蹴った後、適当な手駒として、彼女に養女の話を持ってんだな……。 あのタヌキ親父。




 でも…… ソーニア=マルグレッド=コローナって、正義感強い筈…… 人情家だし…… 責任感も強いのよ。




 なんか、感じ変わっちゃってるけど、良く知ってるもの、彼女の事は。 だって、彼女、「物語の中のソフィア」を追い詰めた急先鋒だもの。 頭は切れるし、剣の腕もいいしね。 あのソフィアを追い詰めたんだもん、凄いポテンシャルよ。


 たしか……攻略対象者の一人……。 あの人と、”チョロイン”って呼んでたっけ? 男の子っぽい性格してたから、ちゃんと ”女性” として、対応したら、アッサリ攻略出来た人だったんだよね……。




     アチャァァ!




 こりゃ、凄い人を後釜に据えたね、「世界の意思(シナリオ)」……。 気を付けよう。 本当に、気を付けよう。 でも……あの人、歪んじゃったら、どうなるんだろ? 葛藤とか、物凄いんだろうね……。 正義感の塊みたいな人で、悪辣から遠い存在だったんだよ? 暴走しがちだけどね。


 「世界の意思(シナリオ)」は、彼女の行動力と頭の良さ、それと、比較的低い爵位の家ってので、選んじゃったのかな? 人選間違ったと思うよ? 多分……。


 ボンヤリとそんな事考えながら、遠くから彼らのダンスを見てたのよ。


 曲が終わって、次の曲の間、パートナーチェンジが有ったんだ。 高位貴族のお嬢様方、ダグラス第二王子に群がってて、ちょっと笑えた。 確認する事は確認した。 取り敢えず、私は、飯を喰うんだ!



   美味しそうなの並んでるからね!



 ビュッフェ形式だから、お皿持って、お料理選んで、壁の近くにあった椅子に腰かけてパクついてたの。 美味しいよね。 男爵家の制服組の御令息、御令嬢達、やっぱり私の周りについて来たんだ。 ほら、何となく「群れ」といた方が良いかなって、判断だよね。



 ボールルームの一角に異様な光景が生まれたのよ! 華やかなダンスに興じている、大多数を尻目に、豪華なお食事を遠慮なくパクつく集団。




          舞踏会よりお食事(花より団子)  爆誕! って感じ。




 舞踏会なのに、その一角では、誰も踊ろうとしないのよ。 そんで、みんなで美味しい美味しいって、お料理食べてんの。 上級生の制服組も一緒になってね。 健啖家な方もいらっしゃって、近くのテーブルの給仕さん、大忙しよ!


 楽しくダンス曲を聴きながら、お喋りして、ご飯食べて、とっても楽しかったよ。 面白い話沢山聞けたしね。 特に上級生の方々から、今後の学園生活に関する諸注意、特に高位貴族さん達との距離の取り方みたいな事を、ご指導いただけたのが、一番の収穫!


 まぁ、ミャーの手前、私の用事も一緒にこなしたわよ? お話されてる男性生徒さんの目をジッと見詰めるの。 其処に ” あの人 ” の目が無いかなってね。




「ソフィア様にジッと見詰められると、なにか勘違いしそうだな……」




 上級生の方がそんな事言ってたけどね! 「粉」掛けてんじゃ無いよ? ただ、探してるだけだから。 違うとなったら、そんなにはジッと見ないしね。




「ソフィア様は、皆様の御顔を覚えようとされて居るだけですわ」




   ナイス!!    流石は気配りの人、ドミニク!




「あぁそうだな、コイツ、そういった感情無いのに、視線に力があるからなぁ」




 よし、ルーク、喧嘩か? 買うぞ? 買っちゃうぞ? のんきにお料理をパクついているルークに強~~~い視線を向けて、呟いたのよ。 紅い瞳が底光りしてたらしいね。 




「早く、御顔を覚えて、失礼の無いようにしないと、いけませんから……ね!」




 かるく睨んどいた。 ルーク、怯むんだよ。 がっつり、釘 刺しといた。 そのあと、ほんわかと笑って遣ると、さらにビクッて体ユラしてやんの! 面白れぇ~~


 そんな様子を、上級生の方々は、生暖かく見てらしたよ。




 ―――――




 もうすぐ、乗合馬車の最終便の時間だ。 そろそろお暇しようかなぁ~~ なんて、考えていた時に、キラキラの一団が制服の平原に来られましたよ。


 ダグラス第二王子を先頭に、取り巻き全員が……!


 なに、この場違い感! 


 何やら、御不満げなご様子だしね!




「……君たちは、何故、正装をしていないのか?」




 ご挨拶も無く、変な事、開口一発目に決めて来た。 おい! なんで、皆さん、私を見るんだ? 押し出されちゃったよ…… 仕方ねぇな。 絡みたくないんだ、本当は!




「殿下に置かれましては、ご機嫌麗しゅう御座います。 本日の新入生歓迎会、誠に有難く存じます」




 バッチリカテーシーを決めて置く。 ご挨拶は大事。 何事にもね。




「質問に応えて貰おうか…… ソフィア=レーベンシュタイン」




 あれま、私を御存じなの? アンネテーナ=エルガン 妃殿下から、何か言われてたの? 私の入学は、妃殿下の強い希望だって御父様が仰ってたし…… よし、んじゃ、言うよ。 スチルで見た時よりも、かなり幼い感じがする、ダグラス殿下。 



 

 私はね、真っ直ぐに彼の視線を受けて、怯みもせず、言い切ったのよ。




「殿下、歓迎会のドレスコードは、「正装」でございます。 初年度のわたくし達を含め、此処にお集まりの方々は、皆等しく、ビューネルト王立学院の生徒に御座います。 学園の生徒としての「正装」は、制服をもって、正装と成すと、総則にもあります。 よって、この歓迎会に制服での出席はドレスコードにも抵触しませんわ。 ……それに、学院の事務官の方にも、ご確認致しました」




 一気に言い切ったよ。 この人の瞳からは、あの人の影は微塵も感じられなかったからね。 根性決めて、喧嘩を買ったよ! ほら、規則を盾にこちとら自分を守らんといかん立場だしな! なんか、苦虫を何十匹も一気に噛み潰したような表情になってるよぉ……王子様。 


 綺麗なドレスを、そんなに着て欲しかったのか? なにか? 君はこれで、自分の権威を傷つけられたとでも、解釈したのか?




 媚びるとでも思ったか、愚物め!! 




 此処に居る、制服組の御実家は皆、 ”何かと” エルガンルース王国の施政に迷惑をかけられている、男爵家に属する者が多いんだよ! お前の面子なんか、知ったこっちゃない! ジッと強い視線を、ダグラス第二王子の碧眼に合わせ、見詰める。 一歩も引かない。




「し、しかし……。 皆が相応の……」




 まだ言うか! その時、柱の影から、暗い色の王家の服を着た人が出て来た。 黒髪に、銀箔の仮面。 かなり異質な感じがしたね。 ものっそい、極悪人の雰囲気醸し出しているのよ。 でも、口に出された言葉が、まるっと正論なの。 びっくりよ! 




「ダグラス、お前、何言ってんだ? ちゃんと、この方々は「正装」してらっしゃるぞ? 難癖付けんのは、やめとけ。 王家の品格も落ちる」




 私達の周りに悪魔が団体さんで通り抜けた。 静かに成っちゃたよ。 たとえ学生だったとしても、相手は王族。 それも、第二王子殿下様に在らせられるんだぞ? それを、そんな、雑な言葉で…… 誰だ、コレ? そっと、ドロテアさんが、耳打ちしてくれた。




「サリュート第一王子 にあらせられます」




 ビックリしたよ! あの影の薄い人! 第一王子が目の前に居るよ。 泡食って、カテーシー決めた。 ガッツリとね。 本来ならば、サリュート殿下の方が継承権も、格も上。 彼の言葉は、それ程重いのよ。 宮廷の人達は軽く扱ってるけどね。




「ソフィアとやら、君の言葉は正しいよ。 この場は、あくまでもビューネルト王立学院主催の新入生歓迎会だ。 舞踏会がその目的でも無い。 それに、ダグラス、お前の周りには、上位貴族しか居ないじゃないか。 この歓迎会の趣旨を忘れたのか? 広く学生と交わる事 確か、国王陛下にもそう、念を押されていたのではないのか? お前の交わると云うのは、喧嘩を吹っ掛ける事なのか? それも、()()()()()()()のもとに……。 なってないな」




 強い口調で、ダグラス第二王子を叱責されている……。 いや、兄弟喧嘩に、巻き込まないでよ……。 ゴメンって、謝るから……。 なんか、顔真っ赤にされて、ダグラス第二王子は踵を返された。


 取巻きも一斉ににね。 なんか、物凄く見下された目をしてたよ……。 こりゃ、乗合馬車組をまとめて、高位貴族さん達の敵に認定されちゃったかな? みんな、ゴメンね。




「ソフィアとやら、申し訳ない。 至らぬ弟で」


「勿体なく。 この制服の発案は、わたくしに御座います。 もし、ダグラス殿下の御不興があっても、責はわたくしに御座います。 何卒……」




 深く頭を下げて、お願いしておくよ。 冷汗がダラダラ落ちるよ……。 マジ、勘弁してくれよ。 こんなに突然に、王族と絡むなんて……無茶言うなよ。 絶対に、頭上げられねぇ!




「非は彼方にある。 ちゃんと、陛下にもお伝えする。 気にするな」




 その言葉を聴いても、私は、顔を上げられない。 第一王子の影響力は小さいけど、陛下のご意向は絶大だしね。 それに何故か、アーレバースト国王陛下は、サリュート殿下には頭が上がらんらしい。 あぁ、これも、ミャーの裏取り済みドロテアさん情報。 


 


「勿体なく」


「うむ…… そろそろ、乗合馬車の最終便の時間だろ」


「左様に御座います。 サリュート殿下に置かれましては、お気遣い誠に有難うございます」


「その姿だ、予想は付く。 今後、高位貴族共の ”嫌がらせ” があるやもしれん。 止める様にはするがな。 なにかと、気を付けてな……。 善き学園生活が送れるとよいな」


「御意に……」




 最後まで、頭を上げる事は無かったよ。 優し気な「お声だけ」が、耳に届いていたの。 サリュート殿下。 あっさりと開放して下さったよ。 みんなの所に戻るとね……。 驚かれた。




「ソフィア様には、いつも驚かされます」




 ドロテアさんが、呟くようにそう言ったのよ。 私だって、ここで、サリュート殿下に逢うとは思ってなかったよ…… まぁ…… 色々、対処出来る様に、頑張ってたしね。 さぁ、帰ろうか。 




 乗合馬車の時間だよ!!




 ちょっと気になった事が有るのよ……。



 サリュート殿下って……。



 今の、この世界の中で、どういった御立場に居られるんだろう?

 





 心に、引っかかったよ……







読んで頂き、誠に有難うございます。 ブックマーク、評価、感想を胸に、精進いたします。


頑張って綴っていきたいと思います。



また、明晩、お逢いしましょう!!

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