第八十四話 『久々にステータスチェックした気がする』
2017/08/16 ステータスの表記ミスを修正(※数値に変化はありません)
その他微修正
「目が覚めたか? レイジよ」
俺が目を開けると、そこには赤黒いオーラを放つ騎士の姿が……
あっちは神じいさん、こっちは甲冑おっさんか……はぁ……
あぁ……寝起きに見るフィルスの笑顔が恋しい。
心配しているだろうな……早く帰らないと。
「いきなり倒れたから心配したぞ。体に異常はないか? 心は吞まれていないか? それから――――」
俺のことをすごく心配してくれているダンジョンボス……シュールだわ~
俺はひとまず、おろおろしてる黒騎士を放置し、ステータスの確認を行う。
最近は全然見れなかったから、なんか久々な気がするな。
さて、どうなっていることやら……
レイジ(葛城 玲仁)
年齢:0歳 (30歳)
Lv.50
種族:悠幻の魔素 (古魔晶龍)
HP:1000(魔核:10000)
MP:989000
魔素量:1000000
魔術適正:火SSS・水SSS・風SSS・土SSS・光SSS・闇SSS
・空SSS
魂容量:24/1181
・構成魔素支配(Lv.1/3) NEW!
・スキル経験値操作(Lv.1/3)
・魂魄成長促進(Lv.2/10)
・生命力極限強化(Lv.1/10)
・魂魄成長最適化(Lv.4/5)
・スキル習得効率最適化(Lv4/5)
・自己再生(Lv.4/10) UP!
・魂魄活性(Lv.2/10)
・自己能力鑑定(Lv.9/10)
・魂魄保護(Lv.1/10) NEW!
・精神抵抗(Lv.2/10) NEW!
・格闘術(Lv.MAX) UP!
・短剣術(Lv.8/10) UP!
・気配察知(Lv.7/10) UP!
・隠形(Lv.6/10) UP!
・魔素操作(Lv.MAX)
・生物解体(Lv.9/10)
・シェルメナール大陸共用語(Lv.2/3)
・神代言語(Lv.2/3)
・日本語(Lv.2/3)
・英語(Lv.2/3)
・料理(Lv.7/10)
・裁縫(Lv.4/10)
・歩行術(Lv.8/10)
・算術(Lv.6/10)
……うん。
なんか…………うん。
まずさ……なんか種族変わってるんですけど!?
俺の年齢や名前の表記がちょっと異世界に対応してるのとかはもうどうでもいいけどさ、なぜ種族変わったし!?
あれか? レベルが上がったからか? それとも古龍の影響か?
ま、わからんからそれはいいや。
でもね、それ以上に気になってるのが……魂容量:24/1181 ってなんだよ!!?
24!? 24だよ!? なんでそんな少なくなってんの!? あのおじいちゃん何したの!!?
いやまあ、悪いことではないからいいんだけどさ……なんかもう……ね。
俺が転生する時に、必死こいて容量計算してスキル割り振ったのはなんだったのっていうね。
神様チート過ぎんよ~。
あとあれな。あからさまに不自然な所にある魔術適正:空SSSな。
絶対他にもあるやつじゃんこれ。
あ、てかヒト族の姿でもSSSになってる。種族が変わったからか?
……さてと。そんじゃまあ気を取り直して、スキルの確認をしましょうかね。
まず、固有スキルが『構成魔素支配』ってのだけになってるな。
これは古龍の力を制御できたことによる影響だろうか? まあ、理由はどうでもいいか。
できることは前とほぼ同じだけど、空間属性の体にもなれるようになってるな。適性のある属性にはなれるって感じなのかな?
あ、でも心なしか前より魔素が操作しやすいかも。伝わってくる感覚も前よりはっきりしてるし。
さて、お次は『魂魄保護』と『精神抵抗』だな。
まあこれは、どう考えても古龍に抗ってて覚えた奴だな。
効果はほとんど名前の通りだし、説明は不要だろう。
あ、でも魂魄保護って自分だけじゃないんだ。近くにある魂も、相手がそれを許せば守れるっぽい。
まあ、そんなスキルいつ使うんだって話なのだが、邪神教徒相手なら使う事もあるかもな。
でもなんか、他人にも使えるってテキストだけ、字の色が赤いんだけど……怖いよ? どうしてなの? ホラーなの?
あとはちょくちょくレベルが上がってるだけか。
ま、それに関しては追加効果とかは無いし、どうでもいいかな。
自己再生が早くなってるけど、そもそも自分で治せますからね、怪我。
生命力極限強化と組み合わせたときの助かる率がちょっと上がったのは嬉しいけど。
そんなもんかな。
魔素の最大量がめちゃくちゃ増えてるのはもう知らない。
困るようなことじゃないし、もう今更だし。
種族も変わったんだし、そう言う事もあるだろ。うん。
てか、もうこんなん真面目に考えてたらやってられんわ。
なにが、「ちょっと調整しといた」だあのじじい。
これが調整ってレベルか!? 完全に強化してんじゃん!? もうチートツールでも使ったような気分だよ……
ま、いいか。今度会ったら問い詰めてやろ。
「大丈夫そうだ」
俺はいつの間にか静かになって、正座しながらこっちをじっと見つめていた黒騎士に、ようやく返答をする。
まあ、ステータス見てみないことにははっきりと返事できなかったし、不可抗力ってやつだろう。
だから放置したのはいじめとかではないのだ。ほんとだよ?
「そうか、それは何より。で、どうするのだ? 我を助けたいなどと言っておったが、何か手はあるのか?」
おっとそうだった。自分のステータスのインパクトのせいで一瞬忘れてたが、今はそれが第一だ。
「なあ、そもそもの話よ。お前はどういう理屈でここに縛られているんだ?」
こいつがダンジョンに縛られている原因や方法が特定できないことには、対処の仕様がない。
「む? ああ、それはの……魂がこのダンジョンに捕らわれておるのだ。まったく、魂を支配する種族であるのに、情けない話よ。だが、我の力では自分の魂には干渉できなくてな。どうしようもないのだ」
「……その、魔剣の方は?」
「ん? ああこれか? これはもう何もないぞ? 我は既に咎を受けた身。この剣からの影響はもはや何もない。まあ強いて言えば、持ち主が別の者になれば、種族も姿も、変異する前のものに戻るようだが……こんな危険なモノ、誰かに譲渡などしようとは思えん。それに、こやつもまた、魂に絡みついて持ち主を定めておるものでな。我の魂からこれを綺麗に引きはがすのは困難である。故に、我が死なねば譲渡はできぬ」
つまり、全部魂なのね。わかりやすくて良いね。
「で、魂が捕らわれてるとか言ってたけど、それってどこにあるん?」
「ん? ああ……それはほれ、ダンジョンコアってやつだ。あそこにあるあれだよ」
黒騎士が指差す先を見ると、部屋の奥の壁面が蠢き、巨大な魔核が露出する。
そうか。ダンジョンの核になってる大魔石ってのは、ボスの魔核だったのか。
「……そうか。でも、そんな簡単に出していいのか? あれ壊されたら、お前死ぬんだろ?」
「ふっ……確かにそうであるがな。お主はそのような者ではあるまい」
「いやまあ……それはそうだが……」
「それに、どうにかするつもりなら、どうせ見るのであろう? ならば同じことよ」
確かにそうなのだが……こいつ俺のこと信用し過ぎなんじゃないか?
一応敵同士なのだし、もうちょっと警戒しても――――
「何をいぶかし気な顔をしておる。我は騎士ぞ? あれだけ剣を交え、拳を交えれば、お主の人柄くらい見えてくるというものよ」
ふむ……流石はのうきn――――プロというべきか。
そうして俺は、黒騎士の言葉に呆れ半分感心半分な、何とも言えない気持ちになりながらも、露出されたダンジョンコアへと歩み寄っていくのであった――――
本日、もう一話投稿します。
ストックがまた増えてきたというのもありますが、今回はステ確認で結構文字数とられて、話があまり進んでいないので。
どうせいつも話なんて大して進んでないだろとかいうツッコミは、無しの方向でお願いします(笑)